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「いないいないばあ」は赤ちゃんに好影響!適した時期や効果をご紹介

加島あや乃
2021/08/10 12:08
子どもをあやすときの定番「いないいないばあ」。いないいないばあをすると喜ぶ赤ちゃんは多く、赤ちゃんが喜んだ顔を見るとあやす側もうれしくなります。実はこの単純な行動に、知育効果があると言われています。具体的にはどんな効果があるのでしょうか。いないいないばあをするのに適した時期から効果、やり方などを紹介していきます。

世界中で愛されている”いないいないばあ”

いないいないばあは、日本に限らず世界中で親しまれている遊びです。英語では「Peek-a-boo(ピーカ・ブー)」、フランス語では「Cache-cache cou-cou(カシュカシュクークー)」、フィリンピンでは「Eat Bulaga!(イートブラガ)」と言いながら遊ぶのだそうです。いないいないばあで赤ちゃんが笑うのは、どの国ででも見られることのようですね。

いないいないばあ
世界中で愛されている「いないいないばあ」。みなさんもやったことあるのではないでしょうか?

いないいないばあで喜ぶ赤ちゃんの月齢は?

赤ちゃんをあやすポピュラーな手段の1つ「いないいないばあ」ですが、新生児期にいないいないばあをしても、普通は何の反応もないことがほとんどです。いないいないばあをするのには適した時期があり、赤ちゃんの発達段階がいないいないばあを喜ぶ理由と関係しているのです。

生後2~3カ月頃

生まれて間もないころ、一番発達するのは聴覚です。しかし、生後2~3カ月頃になると視覚が発達しはじめます。ぼやけてはいるものの人の顔を徐々に認識し始めるこの時期は、いつも近くにいる親との信頼関係を構築し始める時期です。

生後3ヶ月
生後2~3ヶ月目も本当にかわいい時期ですよね!

「いないいない」で見えなくなってしまった親の顔が、「ばあ!」と同時に出てくることで、「困っているときにいつでもいてくれる人」ということを学べます。

生後4~6カ月頃

記憶力が発達する生後4カ月頃は、授乳やおむつ交換などを通じて自分の存在と他者を少しずつ認知していく時期です。同時にこの時期は、短期記憶が発達する時期でもあります。短期記憶とは、何かをするときに、必要に応じ情報をすぐに取り出せるように一時的に保存しておくことです。


生後5~6か月は、その短期記憶能力が発揮される時期です。一時的に親の顔が隠れても隠れた先に親がいることを記憶できるので、いないいないばあを楽しめるようになってきます。

いないいないばあにはどんな効果があるの?

単純な動作であるいないいないばあには、下記のようないろいろな効果があります。

効果1:脳が働く基盤である神経回路を発達させる

赤ちゃんの脳は、刺激を繰り返し受けることで脳が働くための基盤である神経回路が複雑化し、発達が促されると言います。赤ちゃんが喜ぶいないいないばあには、この神経回路を強化する効果があると言われています。神経回路は、何度も同じことをすることでよりしっかりしたものになっていきます。

神経回路
生まれたときの「脳細胞の数」は皆同じなのですが、環境・経験によって、そのつながりであるシナプスの数は増減し、記憶力と学習力に差が出てくるという仕組みになっています。

効果2:前頭前野を鍛える

短期の記憶力を使ったり快感を得たりするいないいないばあは、前頭前野を鍛えるためにもとても適した遊びです。前頭前野は、脳すべての分野と連携を取り、瞬時に物事を推測し判断する働きをする場所で、計画力や理性なども司っています。いないいないばあは、そんな前頭前野の発達に役立っているのです。

前頭前野
前頭前野はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を担っています。

効果3:短期の記憶力が養われる

いないいないばあには、短期記憶をさらに鍛える効果もあると言われています。短期記憶は、脳の前頭前野の基礎になる働きです。短期記憶が鍛えられて、一時的な記憶を長く働かせられると、物事を考えたり、同時作業などの複雑なことをしたりするのも得意になると言います。また、問題解決力も養われるようですよ。

短期記憶
短期記憶の分かりやすい例は、英単語などの学習系です。受験で苦労された人も多いのでは?

そのほか、笑うこと自体も記憶力の向上につながります。笑ってリラックスしている状態は、脳内の血流が良くなって脳波が活発になり、記憶力向上につながるようです。

効果4:予測力や想像力が養われる

想像力や予測力が現れ始めた時期、いないいないばあを繰り返しているとさらにこれらの力が養われます。「いないいない」で隠れた顔が「ばあ!」のタイミングで出てくることを予測し、その後に現れる親の顔を想像する力が遊びの中で自然とついていくのです。

効果5:感情や情緒が豊かになる効果も

いないいないばあには感情や情緒を豊かにする効果も。一時的に顔が見えなくなると赤ちゃんは不安を感じますが、いないいないばあを楽しめる時期になると、この後に笑顔が出てくることが予測でき、期待をします。「ばあ!」と顔が出てきたときには驚き、同時に予測通りの結果に喜びを覚えるでしょう。また大好きな親の顔が見えたことにも喜びますよね。このように不安や期待、喜びなどさまざまな感情が養われます。

感情
人のコミュニケーションの基盤になっているのが感情(及び感情を理解し表現する力)です。子どものうちから育みたいですね。

効果6:コミュニケーション能力の向上

このほか、いないいないばあにはコミュニケーション能力を養う効果もあるとされています。いないいないばあをして赤ちゃんが喜ぶと、あやす側もうれしくなり思わず笑ってしまいますよね。相乗効果によりますます面白くなっていくやり取りは、人と人との働きかけの基本です。これはコミュニケーション能力向上につながります。

いないいないばあ
いないいないばあをすると自然に笑顔になってきますね!

いないいないばあのやり方のポイント

手で顔を隠して、「ばあ!」と同時に手を広げて顔を見せる動作のいないいないばあですが、効果的に行うにはポイントあります。

ポイント1

いないいないばあを効果的に行うのに大切なポイントの1つは、まず赤ちゃんに声をかけて自分の存在を認識させることです。赤ちゃんがあやす側の意識をしていなければ始まりません。赤ちゃんが自分の方をしっかり見ているかどうかを確認してから始めましょう。

ポイント2

2つ目は、隠れている時間を数秒以内にとどめることです。時間が長くなりすぎると記憶ができないので、始めのうちは「いないいない」と「ばあ!」の間をあまり長くならないようにしましょう。

ポイント3

もう1つ大切なのは、子どもが飽きるまでやることです。単純な動作であるいないいないばあは、あやす側の方が先に飽きてしまいがちですが、子どもが喜んでいる間は続けてあげましょう。前頭前野の短期記憶が鍛えられますよ。

いないいないばあのバリエーション

単調になりがちないないいないばあですが、バリエーションを増やすと、飽きずに楽しく遊べることに加え、短期記憶をより鍛えるなどさらに効果が高まります。いないいないばあのやり方を、いくつかご紹介します。

薄いガーゼで赤ちゃんの顔を隠す

生後2~3カ月頃のねんね時期の赤ちゃんには、小さめの薄いガーゼを顔に被せる方法もあります。最初にガーゼを揺らすなどして認識させます。被せる時間を短くしたり長くしたりするなど、変化させるのもいいですよ。

赤ちゃんの顔全体をしっかり隠すのも効果的

もう少し大きくなったら、あやす側の顔を手ではなくタオルなどで完全に隠す方法も効果的です。隠れた時の不安はより大きくなりますが、その分現れた時の喜びも大きくなるでしょう。慣れてきたら隠れている時間を長くしたり、すぐに出てきたりするなど時間に変化をつけてみてください。

ママ・パパ(あやす側)が隠れる

あやす側が隠れるのも1つの方法です。カーテンや机の下に隠れたりして、「ばあ!」と顔をのぞかせるのも喜びますよ。成長に合わせて、よりダイナミックに「ばあ!」としてみるのもいいですね。

おもちゃを隠す

いないいないばあをしたときに隠れたり出てきたりするのは、顔でなくても効果はあるようです。6ヶ月くらいになってお座りができるようになり、興味があるおもちゃなどが特定され始めたら、おもちゃをハンカチやタオルで隠してみましょう。いないいないばあと同じように、隠れていたものが出てくるときのワクワク感や、期待通りのものが出てきた喜びなどを体験できます。

いないいないばあの絵本を活用するのも

自分の顔を隠したり、おもちゃを隠したりするのではなく、いないいないばあの本を読むのもおすすめです。世の中にはいないいないばあに関連した絵本もたくさん出版されています。松谷みよ子さんが書かれている「いないいないばあ」は、1967年に発売され、今もなお多くの人に読まれている絵本です。繰り返し読むことで、絵本でも同じように想像力や予測力を養えます。また好きな人が読んでくれる時間は、コミュニケーション力や共感する喜びを育む機会にもなりますよ。

いないいないばあ (松谷みよ子 あかちゃんの本)
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いないいないばあに興味を示さないときは?

同じ月齢でも、ほかの子は反応するのに自分の子は笑ってくれない、そんなときはいないいないばあのやり方を確認してみてください。また個性もあるので、あまり心配しすぎないようにしましょうね。

顔を隠している時間を長くしすぎない

隠れている時間と、「ばあ!」と顔を見せる時間の間が長いと記憶できず、予測したり期待したりすることも難しくなり、興味を示さないことも。最初は間隔を短くして始めてみましょう。

変顔をしすぎない

いないいないばあで赤ちゃんが喜ぶのは、変な顔であやす側が現れるからではありません。期待した親の笑顔が見えたからです。そのため、隠れる前と後とであまりに顔を変えてしまうことはしないようにしましょう。

あまり顔を会わせない人でやると反応が乏しいことも

普段から顔を会わせていない人が急にいないいないばあをしても、笑わないのは普通のことです。赤ちゃんにとって知らない人からの働きかけは、予測するのが難しいためです。会う頻度が少ない人がいないいないばあをしても、笑ってもらえないのは当たり前のことなので、落ち込まないようしてくださいね。

赤ちゃんにも個性がある

また赤ちゃんにも個性があるので、いないいないばあを楽しく感じずに興味を示さないこともあります。発達の遅れを心配されることもありますが、追視や指差しをしたり、声掛けに反応したりするようなら、心配し過ぎないようにしましょう。

さいごに

いないいないばあには、この先生きていく上で必要になるさまざまな能力を養う力があります。心も豊かにしてくれるいないいないばあは、赤ちゃんだけでなく育児で忙しい親をも癒してくれます。ぜひゆったりした気持ちで楽しみながら行ってみてくださいね。

参考

  • 未来を話そう!研究紹介|脳神経回路形成プロジェクト|丸山千秋プロジェクトリーダー|東京都医学総合研究所(https://www.igakuken.or.jp/project/to-tomin/to-pro13.html
  • 脳科学おばあちゃん 久保田カヨ子先生の0〜1才頭のいい子を育てるふれあい育児 - 久保田 競, 久保田カヨ子
  • 日本保育学会大会研究論文集,日本保育学会大会準備委員会, 1975-2001(https://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10183800
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