梅雨は子どもにどう説明する?梅雨を楽しむ過ごし方もご紹介
梅雨とは?
そもそも梅雨とは何なのか、大まかにしか知らない人も少なくないかもしれません。まずは梅雨が一体どのようなものなのかご紹介します。
梅雨とは、曇りや雨が多い時期
梅雨とは、5~7月頃に訪れる曇りや雨の多い時期のことを指し、梅雨が明けると夏が本格的にやってくるそうです。梅雨の始まりと終わりはそれぞれ「梅雨入り」「梅雨明け」と呼ばれますが、その時期は地域や年によって異なります。
ちなみに2021年6月14日現在、九州北部は5月15日頃に梅雨入りしていますが、関東甲信地方ではまだ梅雨入りはしていません。2020年の梅雨入りは、九州北部・関東甲信地方ともに6月11日頃だったことからも、梅雨入りの時期は差が大きいことがよくわかるでしょう。
梅雨がない地域
梅雨は日本中に訪れるイメージがあるかもしれませんが、実は北海道と小笠原諸島には梅雨はないとされています。そもそも梅雨に雨が降るのは、オホーツク海高気圧の冷たい空気と太平洋高気圧の湿った暖かい空気がぶつかって発生する「梅雨前線」の影響なのです。
そのため梅雨は中国の長江沿岸から日本にかけてみられるのですが、北海道はオホーツク海高気圧の勢力下にある地域なので、梅雨前線がかからないといいます。また梅雨前線は小笠原諸島よりも北側に発生することが多いため、小笠原諸島にも梅雨は来ないのでしょう。
ただ北海道に関しては、梅雨の時期に太平洋側で雨が多く降ることがあります。これはオホーツク海高気圧からやってくる冷たい湿った空気の影響とされ「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ばれています。
梅雨の由来
梅雨に「雨」という漢字が使われているのは、雨が多く振る時期だからだという予想ができますが「梅」という感じが使用されるのはなぜなのでしょうか?そもそも「梅雨」という言葉は中国から伝わったものだとされています。
雨の時期は湿気が多いため、カビが生えやすいですよね。そのためもともとは「黴(かび)」という漢字を使って「黴雨」と呼ばれていたものが、読みやすい漢字に変化して「梅雨」になったという説があります。
ほかにも、梅の熟す季節に当たるから「梅雨」と呼ばれるようになったともいわれています。ちなみに日本で「梅雨」という言葉が使われるようになったのは、江戸時代ごろからなのだとか。
「つゆ」と呼ばれるようになった理由として、葉先などにつく水滴の「露(つゆ)」から連想されたという説や、雨が降ると梅の実が潰れて落ちることから「潰ゆ(ついゆ)」という言葉が変化して「つゆ」になったという説などがあるそうです。
梅雨の子どもへの伝え方
梅雨とはいったい何なのか、子どものわかるように説明するのは難しいもの。そんなときは、下記の方法を試してみてはいかがでしょうか?
クイズを出す
「空から降ってくる水をなんというでしょうか?」「夏の前にやってくる、雨がたくさん降る時期は何でしょう?」など、クイズ形式にすると子どもでも梅雨についてわかりやすいかもしれません。
年長さんや小学校低学年以降になると「梅雨には、どうして梅という漢字が使われているのかな?」といったクイズも理解できそうですね。
絵本を読む
雨や梅雨がテーマの絵本を読み聞かせると、より効率的に梅雨について学ぶことができるでしょう。水の性質を楽しい物語として紹介する科学絵本『しずくのぼうけん』(作: マリア・テルリコフスカ/絵: ボフダン・ブテンコ/訳:内田 莉莎子)は、子どものころに目にした覚えのあるママ・パパも少なくないのではないでしょうか?
ほかにも雨の日が待ち遠しくなる『かさ』(作:松野正子/絵:原田治)や有名な童謡が絵本になった『あめふりくまのこ』(詩:鶴見正夫/絵:高見八重子)など、素敵な絵本がいろいろあるので探してみてくださいね。
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梅雨の楽しい過ごし方
ここからは、子どもと梅雨を楽しむ過ごし方をご紹介します。
雨の音に耳を澄ませる
雨足の強弱や降る場所によって、雨はさまざまな音を奏でてくれます。そんな雨音にゆったりと耳を傾ける時間を作ってみてはいかがでしょうか?子どもが怖がらなければ、電気を消して音に思い切り集中できる空間を作ってもいいですね。
どんな音に聞こえるのか、どう感じたのか話をするのも楽しいでしょう。筆者の家の近くには田んぼがあるので、梅雨の時期には雨の音に合わせてカエルの軽快な鳴き声も聞こえてきます。雨音だけでなくそうした自然の音に浸るのも、子どもの感性を刺激してくれそうですね。
空を観察する
「雨の日と晴れの日では空はどう違うのか」など、空を観察するのもおすすめの過ごし方のひとつです。観察を通して、子どもは「雨はどこから降っているのだろう?」「虹はどうやってできるのだろう?」などとさまざまな不思議や疑問に出会えるでしょう。
子どもが抱いた疑問について、想像力を働かせてみたり、親子で調べてみたりするのも楽しそうですね。
外遊びを楽しむ
雨の日は室内で過ごすというイメージがあるかもしれませんが、雨の日の外遊びにはさまざまな魅力があります。レインコートや長靴、傘といった雨の日の特別なアイテムを使うだけでも、子どもは喜んでくれることでしょう。
水溜まりの中で遊んでみたり、プリンのカップなどさまざまな容器に雨水を溜めてみたり、子どもの好奇心をくすぐるいろいろな遊びに挑戦してみたいものですね。
筆者も雨の日が続くと、たまに外遊びをする機会を設けています。側溝を流れる水を眺めたり、傘を危険のない場所でさかさまにして中に雨水を溜めてみたり、自由な発想でのびのび遊んでくれますよ。
ただ雨の日の外遊びのあとは、レインコートなどを着ていても汚れたり濡れたりしてしまうもの。玄関にタオルを用意したり、お風呂の準備をしておいたりすると、家が汚れたり身体が冷え過ぎたりするのを防げるかもしれませんよ。
工作遊び
雨を題材にした工作も、梅雨を楽しむ良いアイデアのひとつです。てるてる坊主や傘、カタツムリ、カエルなど、さまざまな子どもの好きなものをモチーフにしてもいいですね。作った作品は、梅雨の期間飾っておくのもおすすめです。
少しずつ作品を増やしていき、梅雨の楽しい世界を作っていくのも楽しいでしょう。
家族でコミュニケーションを楽しむ
雨の日は自宅で過ごすという人も多いため、家族のコミュニケーションの時間にしてもいいですね。家族で映画を観たり、子どもにもルールが理解しやすいテーブルゲームに耽ったりするのもおすすめです。
ほかにも、家族で協力して料理や掃除などをする家庭も少なくありません。梅雨にちなんで、梅仕事に挑戦するのもまた一興です。青梅と氷砂糖と保存容器さえあれば作れる梅シロップなら、子どもといっしょに作りやすいでしょう。
できたシロップは水や炭酸水などで割って、梅ジュースとして楽しめます。梅シロップと合わせて、大人用に梅酒を仕込んでもいいですね。
さいごに
憂鬱なイメージを抱いている人も多い梅雨ですが、考え方次第でいくらでも楽しむことができます。また梅雨に雨がしっかりと降ることは、日本人の主食であるお米がしっかり育つために欠かせないもの。雨の大切さもふまえた上で、子どもに梅雨について教えてみてはいかがでしょうか?