時間管理ができる子に!子どもに「時間意識」を持たせるコツ
時間管理力を身に付けることで、よりよい人生に
時間は1日24時間と有限です。勉強や習い事など、うまく時間を割り振るスキル、つまり時間管理力は大人だけでなく子どもにとっても重要です。スマホやテレビなど、ついダラダラと見続けてしまい、勉強や宿題など必要な時間が削られてしまうこともあるでしょう。「子ども自身が勉強などの必要な時間管理を自分できるかどうか」も学力アップを左右する要因のひとつと言えます。
また時間管理力を身に付けると、子どもが自分のやりたいことに費やせるための段取りを自分で行うようになり、設定した目標を達成するために試行錯誤します。こうした体験の積み重ねが、よりよい人生を形成していくと言えるでしょう。
時間管理力を身に付ける前に知っておくべきこと
子どもに時間管理力を身に付けてほしいと願うパパやママも少なくないでしょう。では具体的にどうすればいいのか?まずは、時間管理力を身に付ける前にパパやママが知っておくべきことをご紹介します。
大人と子どもでは時間に対する経験値が違う
大人は、数十年という時間を生きてきました。対して子ども、特に未就学児は、大人と比べて経験値が少ないため、子どもと大人で時間に対する意識が違うのも当然です。大人が「早く!」と急かししているときに、「あとでやる」と子どもが答えるのは「今やりたくない」「ほかにやりたいことがある」という気持ちのほかに、「あとでやる時間がある」と思っている場合も。
ご飯を食べる時間、お風呂に入る時間、寝る時間……それなら、そのあとに勉強する時間も残っているのだと「時間への意識」がない子どもは思ってしまうものです。
子どもの時間は親のものではなく、子どものものと理解する
時間管理力を身に付けるにあたり、まずはパパやママが「子どもの時間は、子どものもの」と意識を変えることが大切です。
たとえば、子どもがゆっくりご飯を食べて、遊びながら着替えて、幼稚園や保育園に遅刻したとします。この場合、パパやママのサポートが足らなかったからと「親の問題」にしがちですが、これはあくまでも「子どもの問題」です。
まだまだ成長途中の子どもにとって、年齢にあったパパやママからのサポートは必要です。しかし、パパやママが主導権を握ってやるのではなく、子どもが主体であることを念頭に置きましょう。忙しい毎日で、時間に追われているパパやママにとってなかなか難しいことではありますが、「あなたが遅刻したら困るから、パパやママと一緒に頑張ろう」と言えると理想的ですね。
子どもに「時間意識」を持たせるコツ
では、膨大な時間がたっぷりあると思い込んでいる子どもに、どうすれば時間管理力を身に付けさせられるでしょうか。方法のひとつとして、大人が手帳やスマートフォンのアプリを活用してスケジュールを組み立てるのと同じように、子どもにも時間管理用のツールを与えてあげましょう。
子ども用の時間管理をさせるためにおすすめしたいのが、マグネットシートやホワイトボード、手帳などです。これらのツールを活用して家庭生活の時間割表を親子で作りましょう。ここではそれぞれの活用方法とおすすめのアイテムを紹介していきます。
おすすめツール1:マグネットシートや付箋
日常の生活を子ども自身ができるように、マグネットシートや付箋を活用してみましょう。「顔をあらう」「歯を磨く」「ご飯を食べる」など毎日のルーティンをマグネットシートや付箋に書きます。小さい子どもにもわかりやすいように、文字とあわせてイラストも入れるといいですね。自分で貼りなおすことで、「これを先にやろう」「あとはこれだけか」と、子ども自身が自分で考えて決めていけます。
おすすめツール2:ホワイトボード
大き目のホワイトボードをマスキングテープなどで3段にわけます。上から、幼稚園や保育園がある日はAパターン、習い事のある日はBパターン、何もない日はCパターンのように、子どものスケジュールにあわせてパターンを作ります。
それぞれのパターンのなかに、「勉強」「食事」「あそび」「テレビ」「お手伝い」「習い事」など、子どもの行動をプレートにして磁石で貼っていきます。プレートは、子どもの興味をひくように好きなキャラクターを入れて作ってあげてもいいですね。
可視化することで、「水曜日は習い事がこの時間にあるから、遊ぶのは夕飯のあとだな」とか、「土曜日は何もない日だけど、食事のときにお手伝いしなきゃ」といったように、子どもにも理解しやすくなります。ABCのパターンを朝・放課後・夜の3段にわけてもいいですね。
おすすめツール3:手帳
時間の使い方や管理の仕方は学校では教えてもらえせん。そこで小学校に入る前の年長さん向けには手帳での時間管理もおすすめします。子どもが書き込みやすいように、手帳の欄が大きいものを選ぶといいですよ。普段からパパやママが手帳を使っているご家庭であれば、「パパやママみたいに手帳が使える!」と喜んでくれることでしょう。手帳は子ども自身に「やるべきこと」を書いてもらい、できたことを赤線で消していきます。
続けていくことで「やるべきこと」が習慣化し、時間管理力につながります。それだけでなく、パパやママが1週間に1度、子どもの手帳にポジティブなコメントを入れてあげることで、親子のコミュニケーションツールにもなりますよ。
お手伝いも効果的
時間管理力を育てるのに、ご家庭でのお手伝いも効果的です。子どもたちが今後経験していく受験や仕事は、大きなものをタスクのように細かく分解して考えるスキルが必要となります。
野菜を洗う、お皿を並べるためにテーブルを拭く、水やりをする……大人にとっては簡単な家事でも、そこには作業の時間配分や段取り力といった管理力が必要です。毎日のお手伝いとして習慣化することで、時間感覚を身に付けることにもつながります。
時計を用意し、会話にも時刻を入れる
「15時になったらおやつだよ」「20時になったら寝ようか」と、パパやママとの会話に時刻を入れてみてください。まだ数字を覚えていない子や時計が読めない子でも、意識して取り入れることで、子どもが少しずつ時間を意識できるようになります。
あわせて模擬時計も用意しましょう。普段過ごす部屋の目立つところに、大きいサイズのアナログ時計を掛けておきます。その横に本物の時計と同じサイズ、デザインで作った画用紙の模擬時計を貼ります。たとえば勉強をスタートする時間を模擬時計に描き、「本物の時計にある針が、模擬時計と同じ位置にきたら勉強しようね」と子どもに伝えるだけ。可視化されることで、自然と子どもが時間を意識する仕組みです。
時間管理力を身に付けるときの注意点!
子どもに教えるには、根気強さも必要です。以下2つのポイントにも注意して、時間管理力を少しずつ磨いていきましょう。
子どものペースにあわせる
子どものペースはそのほとんどか生まれつきによるものです。時間管理力を磨くときには、子どもにムリのないペースで取り組みましょう。子どもと一緒に相談しながら、試行錯誤を繰り返しその子らしく進められるといいですね。子どもが成長し、慣れてきたら徐々に手を離して、子どもに任せていけるとよいでしょう。
子どもが熱中しているときは邪魔しない
虫の観察やお絵かき、工作など、時間管理力を養うことと同じくらい、子どもが熱中しているときは、時間のゆする限り好きなだけやらせてあげましょう。子どもが思いっきり熱中できる時間を作ってあげることは、集中力を育てる点でも効果的です。自分の好きなことを、気が済むまでできた子どもは満足感を感じながら成長していきます。
さいごに
時間管理力を養うには「時間への意識」を持たせることが大切です。子どもが小さいころから根気よく伝えていくことで、学力はもちろん、人生の質にとってもプラスになります。成長後もパパやママと一緒に身に付けた時間管理力は、子どもにとってのかけがえのない財産になるでしょう。
参考
- りんごちゃんのおけいこラボ 学研の幼児ワーク|時間管理ができる子になる! 子どもへの時間の教え方4ステップ (https://youjiokeiko.gakken.jp/idea/survey/8329)
- 学研キッズネット|子どもが机に向かうのが楽しくなる!「親子手帳」の魅力を知ろう! | 子育て情報全般 | 子育て情報 | 保護者の方へ (https://kids.gakken.co.jp/parents/news/oyakotecho/)
- 教育評論家・親野智可等公式ホームページ|親力|模擬時計と時間割で「時間の見える化」。メリハリのある生活が可能に(http://www.oyaryoku.jp/1278.html)