遊び感覚で辞書を引く「辞書引き学習」!はじめ時は小1?
辞書引き学習って?
辞書引き学習は、『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』(すばる舎)の著者で、中部大学の現代教育学部、深谷圭助教授が紹介された指導法です。
知らない言葉がたくさんある小学生の低学年、でも知的好奇心いっぱいのこの時期は、親に「何?」「どういう意味?」と頻繁に質問してきます。
辞書引き学習とは、子どもが知りたいと思った単語を自分で辞書で調べ、付せんを貼っていく学習方法のことです。学習というより、遊び感覚で始められます。
「なぜ付せん?」と思ったorioriユーザーも多いと思います。付せんを貼る理由は、これまでどんな言葉を調べたかが一目瞭然だからです。
付せんがどんどん増えていくと、子どもたちは辞書引きが面白くなって、さらに調べてみようという気持ちになっていき、達成感を味わうことができます。
辞書引き学習は、強制的にやらされるのではなく、自ら学ぶ楽しさを知ることができ、学習意欲の向上につながるのですね。
辞書引き学習のメリット
辞書引き学習を続けていると、子どもの言葉の使い方が変わってくるといいます。他にどのようなメリットがあるかみてみましょう。
- 学ぶ楽しみを知ることができる
- 物事に疑問を持ち、問題解決能力をつけることができる
- 語彙が豊富になる
- 子どもが自主的に辞書や図鑑などを読むことに繋がり、長期的に学力がつく
- 親子のコミュニケーションが増える
様々なメリットがあることが分かります。
辞書引き学習の始め方
まず、年齢にあった辞書を選びます。後でおすすめの辞書をご紹介しますので、参考にしてくださいね。それから、えんぴつと辞書引き用付せん、その三つだけです。
ケースは外して、付せんや鉛筆などの入れ物として使いましょう。すぐ調べられるように、リビングなど身近な場所に置いておきましょう。
ステップ1
子どもが自由に辞書を開いて、知っている言葉や身の回りにある物を探します。
ステップ2
たとえば、「すいか」を見つけたとすると、付せんに「すいか」と縦書きにして、上に、通し番号1を書きます。はじめのうちは意味を読まなくて構いません。子どもが自然に読もう、読みたいと思うまで待ちましょう。
ステップ3
付せんをページの上部に貼ります。そうすると、次に辞書を引くときに邪魔になりません。
辞書の選び方
えじてんを選ぶポイントとしては、じてんの言葉が子どもの年齢や興味に合っているかが一番のポイントです。
次に、本の大きさや重さ、厚さ、形、強度などもチェックしましょう。ページめくりやすいかどうかもがチェックしてくださいね。
小学校低学年のうちは読み仮名がついていて、文字が大きく、カラーのイラストが多く入っている薄めの辞書を選びましょう。
ネットで買うのは便利ですが、できれば図書館や本屋などに子どもと一緒に行って、実物を手にとりながら選ぶのが最良です。
おすすめ1『くもんのことば絵じてん』
タイトル:くもんのことば絵じてん改訂新版
著者:公文公(監修)
出版社:くもん出版
くもんのことば絵じてんの長所は、50音順に言葉がならんでいるのではなく、場面ごとにグループ分けされている点です。グループ分けされた場面構成は幼児が言葉をイメージしやすく、仲間の言葉が見開きにちりばめられ、バリエーションも豊富です。
イラストも多く、図鑑と辞書が合体したものといえます。子どもたちが日常で見聞きする言葉、約1500語が収録されています。
おすすめ2『小学館 ことばのえじてん』
タイトル:小学館 ことばのえじてん
著者:篠崎晃一(監修),小学館国語辞典編集部(編集)
出版社:小学館
語彙数が3100語と多く、幼児に身近な英単語も160語収録されています。「まとまりのことばのページ」では、「どうぶつ」など子どもが興味を持ちやすいトピックが写真で紹介されているので図鑑のように楽しむことができます。ひらがな、かたかなの書き順表も載っています。
おすすめ3『ドラえもん はじめての国語辞典 第2版』
タイトル:ドラえもん はじめての国語辞典 第2版
著者:小学館国語辞典編集部(編集)
出版社:小学館
国語辞典のおすすめは小学館発行の「ドラえもん はじめての国語辞典 第2版」です。
小学生向けの国語辞典には、幼稚園年長からも使え、丁寧に作られている低学年向けのものと、高学年まで使えるものの2種類がありますが、初めての国語辞典ならフリガナのある「低学年向け」を選びましょう。
『ドラえもん はじめての国語辞典』では、全ての漢字にふりがながふってあり、フルカラーのイラストで大変見やすいのが特徴です。
「わたしの夢」など、小学生が自分自身で書き込むコーナーがあるので、書き込んでいくと、後々、大切な我が家の宝物になる国語辞典です。
辞書引き学習をするときの「親の注意点」
親が口出ししすぎないように注意しましょう。子どもが調べたいと思った言葉が、たとえ「うんち」であったとしても、子どもの自主性を重んじて、そのままにしておきましょう。
ご褒美で釣るようなことは避け、「上手に調べられるようになったね」「すごいね!」「その言葉はじめてだね」などの言葉がけを積極的にしましょう。
辞書引きが習慣化すれば、子どもたちは自然にどんどん新しい言葉に挑戦していきます。
さいごに
辞書引き学習を始める時期は、ひらがなの読み書きができるようになる頃、すなわち小学校1年生からが最適である理由がわかりましたね。
付せんには、調べた言葉と番号が書かれているので、子どもたちは達成感を得ることができ、学習意欲の向上に繋がります。
慣れてくると、親の方でも子どもの興味のある分野がわかってきます。そうなれば、その分野の図鑑や辞典などを考えてあげるといいですね。
知らないことを自分でしらべるという習慣がつけば、他の図鑑や教科でも、辞書引き学習と同じようにして調べることで、知識の幅が広がります。
テーマを設定したり、国語辞典でしりとり遊びをしたり、どんどん発展させることができます。
是非、皆さんのお宅でも辞書引き活動を始めてみてはどうでしょうか?