夫婦間の教育方針が違う時の対処法
パパの本音
都内の子育て支援施設がインタビューした「パパの子育ての価値観」についての本音をご紹介しましょう。
妻と価値観が違う場合、基本的には妻優先で言う通りにする
自分の意見は言うだけは言うけど、その意見が通るか通らないかは妻しだい
納得するまで話す
もめるのが面倒くさいので、「分かった、分かった」と言って、折れる
皆さんのお宅でも上記のような場面が多々あるのではないでしょうか?
「夫婦間の価値観の違い」は”子どもの学び”に使える!
テレビを見ながらの食事、おやつや寝る時間のこと、おもちゃを買い与えること、そして進学に関することなど、日常の生活の様々な場面で、パパとママの考えが違う時がありますよね。子どもが多様な価値観に触れることは、むしろ良いことかもしれません。
上記の本音を見ると、パパは対等に話し合う場から逃げています。ママからすると「本気で子育てに向き合って欲しい!」と言う意見が出て当然です。
親になったのはパパもママも同時期なので、「ママの方が子育てに向いている」などと、パパは逃げないでくださいね。
夫婦の価値観から生じる考えや意見の相違は、子どもの成長にはマイナスのイメージを持たれがちですが、本当にそうでしょうか?
パパとママが異なることを言うと、子どもは困惑したり、不安を抱くかもしれません。でも、ケンカに発展させるのではなく、パパとママが互いに相手の立場からの視点で対処法を話し合う場を子どもに示しましょう。
子どもたちは社会に出れば、多様な価値観に出くわし、その時、自分はどう考え、どのように行動し、またその人たちと、どうコミュニケーションをとっていくかを、まず家庭の中で示すことが重要です。
「ママは〇〇〇って思うけど、パパがXXXって言っているから…XXXにしなさい」はNGです。
この対処法は、子どもに責任転嫁を覚えさせてしまいます。パパはなぜそう思うのか、ママはなぜ考えるのか子どもが分かるように説明し、最終的には、子ども自身に判断させてはどうでしょうか。
子どもの意見を取り入れよう
子どもが4歳にもなれば、自分で考えさせて親子で相談しながら決めるのがいいですね。たとえば、習い事を決めるときなど、子どもの意見をしっかり聞きましょう。自分のことは自分で決められるという体験をすることは、とても大切です。
教育方針を見直すことも大切
「子どもは親が望むようには育たない」と、よく言われますが、本当にそうだと思います。親がこうなってほしいと思う理想像と、子どもの性格やタイプが違ってくる場合が多くあります。
たとえば、自分の子どもが将来リーダーシップを発揮してグループをけん引するような大人に育って欲しいと親が願っても、子ども自身はおとなしい子どもで、先頭に立つタイプではない場合などです。
教育方針と子どもの実態にズレが生じた場合など、臨機応変に調整していきましょう。
【実例】小学校受験は私立?国立?それともしない?
つい最近、お受験やめると決めた人の意見を知る機会がありました。決心をしたことで、肩の力が抜けて一気に親の気持ちが楽になり、自然体で育児できるようになったと言います。
以下がその方の意見です。
- 親の私が見栄を張りたいだけだった事に気づいた
- 私がいい親で、経済力もあると周囲にアピールしたかった
- いくつか私立小の説明会に連れて行ったが、子どもはどこにも入りたいと言わなかった
- まだ6歳だけど、「ここに行きたい」という意思を尊重すべきだと感じた
- 近い国立小でも電車通学に往復で1時間近くかかり、コロナ感染が心配
- PTA等で親の負担が公立より大きく、共働きには難しい
- お受験して合格すれば万事OKで、将来が約束されるわけではない
あくまでも主観なので、ご参考程度にみてください。
その方は、子どもの成長にとって、何が良いのかよく考えてみると、近所の公立小学校が一番なのかなと思ったそうです。
ママ・パパは、お互いへの敬意を忘れずに
親は皆、子どもが幸せに育つことを願っています。子育ての仕方が夫婦間で違うということを当たり前ととらえたとき、その違いは大したことではないと気付いていただけましたか?
コロナ禍で、パパも自宅で過ごす時間が長くなった今、じっくり育った環境や体験などを語り合ってみませんか?
それがきっかけで、夫婦がより深く理解しあえ、道が見えてくれば、最終的には子どもにとって良い環境が生まれます。お互いへの敬意を忘れないで、ルール作りをしましょう。
親だけでなく、祖父母や近所の方、園や学校の先生など多種多様な価値観を知ることで、子どもたちは「いろいろな考え方・生き方がある」ということを学んでいくと思います。
教育方針ですが、親が育った時の環境と、これから子どもたちが生きていく環境は全く違うという認識も大切です。「私はこう育ったから…子どもにも」といった親の経験値は、もはや通用しません。
さいごに
orioriでは日本だけの価値観だけでなく、世界中を視野に入れた子育てを紹介しています。都内に住んでいるとお受験も気になるでしょう。しかし、それも世界的な視点で見ると、お受験の過熱は日本の大都市(特に東京)だけで起きている現象ともいえます。そう考えると、気持ちにゆとりをもって子育てに当たれますね。
orioriに掲載されている記事にも、多様性があります。どれを選び、参考にするかはユーザーのみなさんの価値観にゆだねられます。是非様々な情報に触れ、自分なりの価値観を形成していってください。