子どもの靴はどう選ぶ?正しい靴の選び方から履き方まで一挙解説
大き目の靴を選ぶのはNG!子どもの健全な足づくりを阻害することも
子どもの足は成長が早いため、少し大きめの靴を購入しようと考えるパパやママも多いのではないでしょうか。
足を動かして運動をすることは、筋肉が収縮と緩和を繰り返し、体内で血液の循環を助ける役割があります。
そのため、大きめサイズの靴を履かせることは、成長の途中段階である子どもの足だけでなく、ひざや腰の病気、内臓の働きに影響を与える可能性もでてきます。
合わない靴で引き起こす足のトラブル
近年増加傾向にあるのが、子どもの開帳足や浮指です。本来ならば5本指の付け根部分はアーチ形になっているもの。
しかし開帳足の場合、足のアーチ部分が広がってしまい、ぺたんこの状態になっていることを指します。このアーチ形が崩れると、足にかかる負担を和らげることができなくなり、足が疲れやすく膝や腰まで影響を与えてしまうことになるのです。
また、足の指に体重が乗せられず、指が浮いた状態のことを浮指といい、巻き爪の原因になることもあります。
これらのトラブルを引き起こさないためにも、足長や足幅、足囲をしっかり測り、子どもの足に合った靴選びをすることがとても大切なのです。
子どもの靴はどう選ぶ?正しい靴の選び方を紹介
子どもの靴選びで、心掛けたいポイントを紹介します。
つま先部分には少しゆとりがあるサイズを
幼児期には足の指を十分に動かすことが大切で、指の腱の筋肉やふくらはぎの筋肉を正しく発達させる役割を果たします。
つま先部分が狭く、足の指を動かしにくい状態の靴を履かせると、すぐに歩き疲れたり転びやすくなったりすることも。
5~10mm程度、余裕があるサイズを選ぶと動きやすく丁度良いサイズと言えるでしょう。
かかとまわりがしっかりとしているもの
安定した歩行をするためは、かかとの骨の成長が欠かせません。
そのためにも靴選びの際は、かかと部分がしっかりと守れるような、丈夫なものを選ぶのがポイントです。
かかとの骨がしっかり成長できないと、O脚やX脚、へん平足などの原因にも繋がる可能性があります。
子どもの健全な足を守るためにも、機能がしっかりしたものを選びたいですね。
指の付け根部分がしっかり曲がる靴底
前に進むための蹴りだしをするときに重要なのが、靴底の曲がり具合です。
靴底が厚すぎて曲がりにくかったり、サイズが大きいことで靴底の曲がる位置がずれていたりすると、足の成長を妨げ、つまづく原因になるので注意が必要です。
足にフィットできるように甲の高さが調節できるもの
子どもの足に合わせて甲の高さが調節できるよう、ワンタッチテープが付いたものを選ぶようにしましょう。
甲の高さを調節することで靴と足がフィットし、自然に歩きやすくなります。甲の高さが合っていないと、ぶかぶかの状態で歩きにくく、足のトラブルを起こしやすくなります。
また、靴を履くときには、毎回テープを締め直してあげることも大切です。
子どもの成長段階に合わせて靴を選ぼう
子どもは1歳頃から徐々に歩き始め、よちよち歩きがスタート。そこから、とことこ歩きを経て走り出し、飛び跳ねや激しい動きができるようになります。
その成長段階によって歩き方や運動量も増えるため、靴の選び方を変えることが大切です。
ここでは、子どもの成長に合わせた靴選びのポイントを紹介します。
1歳前後からのよちよち歩き
この時期の靴選びは骨の発達を守り、歩行をしっかりサポートできるような靴を選ぶことがポイントです。
足首のくびれまである高さのものや、足に馴染みやすいようなやわらかい素材、つま先部分には7~10mm程度のゆとりを持たせ、足の指が動かしやすいようなものを選ぶと良いでしょう。
1~2歳のとことこ歩き
ある程度スムーズに歩けるようになる1~2歳児は、運動量も増えて汗をかきやすくなります。そのため通気性や吸収性が良いものを選ぶのもポイントです。
また、靴が足にきちんとフィットし、つま先には少しゆとりがあるものを選びましょう。
走り始める2歳頃
自我が強くなり始める2歳頃からは、靴を自分で履きたがる子も増えていきます。そんなときには、子どもが自分で着脱しやすい靴を選ぶのがおすすめです。
機能性に加えて、子どもが喜ぶデザインを取り入れるのも良いかもしれませんね。
飛び跳ねや激しく動くことができる3歳頃
足の骨も急速に発達し、運動量が増え始める3歳頃は土踏まずの形成が始まります。
激しい運動量で靴も傷みやすく、足の負担もかかってくるため、皮膚炎や靴ズレなどのトラブルがないかを意識して見てあげるようにしましょう。
また、汗やムレによる菌の繁殖がしやすくなることから、通気性が良いものを選びこまめに洗うなどして、清潔さを保つことも大切です。
購入する前には実際に履いて確かめることが大切!
購入前には必ずフィッティングするようにしましょう。
実際に履いてみて、立った状態や歩き方をチェック。サイズは大きくないか、つま先にゆとりはあるか、不自然な歩き方をしていないかなどをしっかり見てあげることが大切です。
あとは子どもが喜んで履きたくなるようなデザインを選んであげることもポイントですよ。
靴の正しい履き方を解説
子どもの足にぴったりの靴を選んでも、間違えた履き方をすれば靴本来の機能を発揮できず、足の成長を妨げてしまうことも。ここでは正しい靴の履き方を紹介します。
- まず初めに靴のバンドを緩めて、靴が履きやすいように開口を広げます。
- 靴に足を入れたら、かかとの方をトントンしてぴったり合わせます。
- バンドやでしっかりかかとを固定するように締めて、調節しましょう。
自分で靴が履ける子も、正しく履けているかママやパパがチェックしてあげてくださいね。
また、子どもたちの足の成長を妨げないためにも、以下の履き方には注意しましょう。
靴のバンドを締めたまま履くのはNG
バンドを締めた状態で靴を履くと、せっかく子どもの足に合ったものを購入しても、靴の中で足が安定せず、足のトラブルが起きやすくなります。
面倒に感じても、毎回きちんとバンドをはずし、足にフィットさせて履くようにしましょう。
つま先をトントンして履くのはNG
大人でもよくやってしまいがちなのが、靴を履くときにつま先をトントンして履くことです。
これをすることで、靴の形が崩れてしまい靴本来の機能を失うことも。長く使うためにも、靴のつま先でのトントンはやらないようにしましょう。
かかとを踏んだ状態で靴を履くのはNG
かかとを踏み、つぶれた状態で靴を履いていると靴の機能を失い、転倒の危険も高くなります。
かかと部分は骨の成長を守ってくれる大切な役割があるため、踏まずにきちんと履くようにしましょう。
靴の買い替えのタイミングはいつごろが目安?
どんどん成長していく子どもたち。気付けばこの間買った靴もいつのまにかに小さくなっている!と感じることもあると思います。
大きい靴と同様に、小さい靴を履かせ続けた場合も、子どもの足の成長を大きく阻害してしまうことになります。そのため、定期的なチェックが必要です。
子どもの足の成長は、0歳から3歳までが半年で約10mm、3歳以降は約5mmずつ大きくなると言われています。
そのため3歳までは3カ月に1度、3歳以降は半年ごとにサイズが合っているかのチェックを行うように心がけましょう。
いま履いている靴のサイズは丁度良い?チェックポイントを紹介
自分の気持ちを伝えることが難しい小さな子どもは、なかなか靴が小さいと伝えることができません。そんなときでも、パパやママが気づけるチェックポイントを紹介します。
- 靴の中で足の指をグーパー動かせるかチェック
- 靴の中敷きを取り出しそのうえに子どもを立たせ、余白があるかをチェック
- 中敷きについている指の跡をチェック
- 靴を履かせるときに、足を入れやすいかチェック
- 靴下が擦れて穴が空いていないかをチェック
日常生活でもチェックできる項目もあるので、ぜひ定期的に確認してあげてくださいね。
自宅でもできる足のサイズの測定法
子どもの足のサイズは、メジャーがあれば自宅で測定することも可能です。
測り方は簡単で、壁にメジャーの0の目盛りを合わせます。子どものかかとが0の目盛りと合うように立たせたら、一番長い足の指に合わせて自宅にある本や紙をあて、そこまでの長さを測定します。
本や紙をあてることで、正確に長さを測定することができるのでぜひやってみてくださいね。
まとめ
正しい靴選びをすることは、子どもが健全に成長するうえでとても大切なことです。
かわいいデザインや値段で選ぶだけでなく、子どもの足の成長をサポートできるような機能性を兼ね備えた靴かどうかを、親がしっかり見極めて選ぶことが重要です。
また定期的なサイズチェックも忘れずに行いたいですね。