好き嫌いをなくしたい!食事を楽しく過ごせる“10個の方法
子どもの「好き嫌い」を改善するには?
毎日の食事は献立を考えることも大変ですが、子どもに好き嫌いが出てくるともっと大変!と悩むママやパパも多いのでは?
どんなものを作れば食べてくれるのか、どんな風に調理すれば食べてくれるのかと、育児の中でも大きな悩みのひとつとなるでしょう。
さらに「必ずこの方法が正解!」という道がないのもまた困る原因。子どもそれぞれ、好き嫌いの理由が違ったり正解が違ったりするので、いろいろと試してみる必要があります。
工夫の方法はいくつかありますが、今回は筆者の経験から「食材の工夫」「食べるときの工夫」のふたつに分けてご紹介していきます。
食材ごとに調理方法を工夫してみよう
はじめにご紹介するのが、食材の調理の仕方を工夫する方法。好き嫌いの原因は食感や食べにくさにあるかもしれません。子どもが食べやすくなる工夫をご紹介しましょう。
根菜類は加熱時間を多めに
子どもにとって根菜類などのかたい食べ物はかみ砕くことがむずかしく、嫌がることも。にんじんや大根、かぶなど、加熱時間を長くするとやわらかくなる根菜は、加熱時間を長めにしましょう。
れんこんやごぼうなど、根菜類の中でも加熱時間を長くしてもやわらかくならないものは、小さくカットすると食べやすいですよ。
それでも嫌がる場合は、すりおろしておやきにしてもいいでしょう。
モソモソ食感のいも類やパン
食べると口の中の唾液を吸ってしまうため、モソモソとするいも類やパン類。
ゆで卵の黄身も子どもが食べにくいと感じる食材のひとつです。この場合、マヨネーズや牛乳、ヨーグルトなどと混ぜると、しっとりとするのでモソモソ感を軽減してくれます。
パンも口の中の水分を奪っていくので、卵液に浸してフレンチトーストにしたり、カリッと焼いたトーストにしたりすると食べやすくなります。
口の中でパラパラになるものはひとまとめに
ひき肉やブロッコリーなど、口の中でパラパラとするものを苦手だと思う子どももいます。その場合はあんかけにしたり、卵焼きに入れたりすると、口の中で散らばることなく食べられるので、子どもも食べやすくなります。
筆者の娘は、ブロッコリーが苦手です。でも、大好きなじゃがいもを使ったポテトサラダの中に入れると、嫌がらずに食べてくれます。マヨネーズで和えることでしっとりするので、食べやすいのかもしれません。
ペラペラと薄いものは小さめカットに
わかめなどの海藻類や葉もの野菜は、薄いので食べやすいと思うかもしれませんが、子どもからするとペラペラしていて噛みにくいのです。その場合はやわらかく煮たり、繊維を断つように小さくカットしたりしてあげるといいでしょう。
我が家の娘は、生野菜のキャベツは好みませんでしたが、お味噌汁の中に入っている千切りキャベツだとおかわりするほど好きです。
同じ食材でも、調理の工夫次第で食いつき方が違うので、その違いを楽しみながら、どんな方法がいいのか探ってみましょう。
加熱しすぎるとパサつくお肉やお魚にも要注意
加熱時間を長くするとやわらかくなる野菜とは違い、肉や魚は加熱し過ぎるとパサついてしまい、食べにくくなります。
調理するときに、表面に片栗粉や小麦粉をつけてから焼いたり、卵をつけてピカタにしたりすれば、しっとりするので食べやすくなりますよ。
子ども用にと小さく切りたくなりますが、大人と同じサイズで焼いた方が、小さく切って焼くよりもしっとりと仕上がります。小さく切るのは、焼いてからにしましょう。
ごはんタイムを楽しい時間にするために工夫してみよう
食材を小さく刻んだり、分からないように他の料理に混ぜたりしても、敏感な子だと食べる前に分かってしまい口をつけない……なんてことも。そんな子どもには、食べるときの工夫をしてみてはいかがでしょうか。
食事の際のママの声掛けなどが、好き嫌い克服のきっかけになった人も多くいます。どんな工夫をすればいいのか、いっしょに見ていきましょう。
見た目にも楽しい盛り付けに工夫してみる
食事をいつもどのようにして並べていますか?大皿に盛って自分が食べるものだけを取るスタイル、個々にお皿に盛るスタイルなどさまざまでしょう。
子どもにはちょっとひと手間を加えて、お花の形にしてみたり、好きなキャラクターの形にしてみたりすると、食べることが楽しくなって好き嫌いを克服できた、という子も。
筆者の娘は基本的に食べることがあまり好きではなく、朝昼晩の3食がなかなか進みませんでした。そこで、にんじんをお花の形にしたり、ごはんや野菜を組み合わせて娘の好きな「はらぺこあおむし」の形にしたり、盛り付けを工夫してみました。
すると、工夫されたお花のにんじんやごはんを食べるのはもちろん、何も手を加えていない周りの副菜もペロリと完食。苦手だったほうれん草も、今までの苦労はなんだったのかと思うほど、サラッと食べてくれました。
いつもの声掛けをちょっと変えてみる
食べて欲しいときに、子どもにどのように声掛けをしていますか?
「好き嫌いはダメよ」「ちゃんと食べようね」など、それぞれのママが考えて声掛けをしているのではないでしょうか。いつもの声掛けを少し変えてみると、好き嫌い克服のきっかけになることも。
「大きくなれるよ!」「強くなれるよ!」など、食べるとどうなるのかを声掛けに混ぜてみたり、「かっこいいね!」など褒めてあげたりすると、その気になる子もいるでしょう。
一口も口に入れたくないと拒否する子には、「ちょっとだけ食べてみよう」と、ハードルを下げる声掛けもいいですね。声掛けの仕方を意識してみると、好き嫌いを克服するきっかけになります。
キッチンにいっしょに立って料理をさせてみる
おいしい料理がどのようにしてできるのか、その工程をいっしょに楽しむと食べてくれるきっかけになることもあります。
自分で皮をむいた野菜、切った野菜、焼いたお肉やお魚など、自分が作ったことがうれしくて食べるという子もいます。
筆者も5歳の娘とカレーをいっしょに作りました。にんじんがあまり得意ではないのですが、その日のカレーはいつもより食べるスピードが早く、とっても満足そうにしていましたよ。あとで聞くと、「一生懸命作ったから、いつもよりおいしい気がした」と。
毎回いっしょに料理は難しいかもしれませんが、お休みの日など時間があるときには、いっしょにキッチンに立ってみてはいかがでしょうか。
家庭菜園でいっしょに食材を育ててみる
食育の一環として「家庭菜園」をしてみてはいかがでしょうか。ベランダや庭などで手軽に取り入れられる家庭菜園も多く、初心者でも簡単に育てられます。
食材がどのようにして育つのか、育てるためにはどんなことが必要なのかを知ることで、食べ物に対しての興味や、感謝の気持ちをもつことができるのでおすすめです。
また苦手な野菜でも、自分が育てたことで食べられるようになる場合もあります。子どもに毎日お世話をさせることが難しい場合や、小さい子どもの場合は気分によってお世話をしたくない日もあるでしょう。そんな日があっても、お世話ができた日に「すごいね」「野菜さん喜んでるよ」などと声掛けをしていっしょにお世話を楽しみましょう。
コミュニケーションの場として楽しい時間を意識する
親としては栄養が偏ることなく子どもに食事をして欲しいと思うでしょう。筆者も同じく「ちゃんと食べようね」「残さないようにしようね」など、食べさせることに必死になっていたように感じます。
しかし親の気持ちとは裏腹に、子どもはプレッシャーから食事時間を楽しいと感じられず、ますます食べることが嫌になってしまいます。筆者も娘から「ごはんのときのお母さんはちょっとこわい……」と言われたことも。
食事はコミュニケーションの場だと考え、「食べるって楽しい!」と楽しい時間を過ごすことを意識すると、好き嫌いを克服するきっかけになりますよ。
さいごに
食習慣の土台を作る幼児期は、好き嫌いなく栄養たっぷりのごはんを食べてほしいですよね。筆者も絶賛幼児期の子どもを育てている一人です。周りの子はよく食べるのに……と悩むこともあります。しかしながら、子どもは一人ひとりに個性や特性があるので、周りとは比べずに、調理や盛り付けの工夫をしたり、いっしょに食事が楽しめる工夫をしたりして、家族が笑顔で食卓を囲める方法を見つけてくださいね。