子どもの登園拒否の対処法は?登園拒否の原因と注意点
登園拒否の原因
子どもの登園拒否は入園初日に始まることもあれば、今まで問題なく登園していたのに急に園に行くのを渋りだすこともあります。子どもの突然の登園拒否に戸惑い、泣く子どもの姿に胸を痛めるママ・パパも多いですよね。
それでは、子どもが園に行くのを嫌がる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
寂しや
幼稚園や保育園には子どもひとりで通うため、大好きなママやパパがないことへの寂しさから登園拒否をする子どもも多いです。とくに休み明けなどは、休日ずっと親といっしょにいた反動から、園に行くのを嫌がってしまう傾向があるようです。
対人関係
幼稚園や保育園は、子どもにとって初めての集団生活の場です。そのため、お友だちや先生との関係が上手くいかず、登園を渋る子どもも。お友だちの輪になかなか入れなかったり、苦手な友達がいたりすることが、子どもにとって大きなストレスとなっているのかもしれません。
1~2歳頃の子どもは、集団の中にいても一人で遊んでいることが多いですが、3歳頃から少しずつお友だちとのかかわりが増えてきます。それに伴い、対人関係の悩みを抱える子どもも増えることでしょう。
「園での生活」と「自宅での生活の違い」に戸惑う
園での生活と自宅での生活は異なるため、その違いに戸惑い、園に行くのを嫌がる子どもも少なくありません。また園のカリキュラムの中で苦手なことがある場合も、登園拒否につながってしまうことがあるでしょう。
筆者の娘は、夏休みの特別保育へ行く際、お昼寝の時間が嫌だと登園を渋ったことがあります。娘は2歳半頃からお昼寝をしなくなったので、眠れないのに横にならないといけないのが嫌だったようです。
納得してくれるまでに時間はかかりましたが「お昼寝の時間だからと無理に眠らなくてもいいこと」「お昼寝のあともたくさん遊べるようにゆっくり身体を休めること」「眠っているお友だちを起こさないように静かにすること」を根気よく言い聞かせ、登園拒否は落ち着きました。
生活習慣の乱れ
長期休みや連休明けなど、家で過ごす時間が長いと、つい生活リズムが乱れてしまいがちです。そのため規則正しい園生活についていけず、心身共に負担を感じてしまうことも。
また「早起きをしたくない」「給食で苦手なものを食べたくない」などの理由で登園を嫌がる子どもも少なくありません。
環境の変化
入園・進級などといった環境の変化は、大人の想像以上に子どものストレスとなることがあります。新しい環境に慣れるまで時間がかかるため、そのストレスが登園拒否という形になって表れるのかもしれませんね。
またきょうだいが生まれたことがきっかけで、登園を嫌がる子どももいます。弟や妹はママといっしょにいられるのに、自分だけ園に行かなくてはならないことに疎外感を感じ、赤ちゃん返りしてしまう子どもも多いです。
体調不良
子どもにとって自分の体調を正確に把握し、大人に伝えることは難しいものです。そのため、一見元気そうに見えても、実は体調を崩していることもあります。食事量や顔色など、子どもの様子をしっかりと観察して、健康管理に配慮するようにしましょう。
また子どもが例えば「お腹が痛い」と言っていても、本当にお腹が痛いとは限らず、実際は頭などの別の場所が痛んでいることも。子どもの様子に異変を感じるときは、園は休ませて自宅で様子を見たり、医師に相談したりすることをおすすめします。
普段は元気なのに、登園時のみ腹痛などの症状が出る場合は、ストレスが原因となっている可能性が考えられます。長期化しているなど、不安があれば一度かかりつけの小児科などで診てもらってもいいかもしれません。
登園拒否の対処法
子どもが登園拒否をしたら、どのように対処するのがいいのでしょうか?
体調をチェックする
子どもが急に園に行くのを嫌がるようになったら、体調が悪いのかもしれません。体温を測ったり、食事量や排便のチェックしたりして、普段と様子が異なるところがないかチェックしましょう。
子どもには吐き気などの身体の違和感や不調を上手に言葉にするのは難しいので、きちんと説明できないからと責めないであげてくださいね。体調が良くなったら、また元気に園に通ってくれるかもしれませんよ。
子どもの気持ちに共感する
体調に問題がなさそうなのに園に行くのを嫌がる場合は、どうして園に行きたくないのか、その理由をじっくりと聞いてあげましょう。大人にとっては些細なことでも、子どもにとっては大きな問題となっているかもしれないので、どんな理由であっても気持ちを受け止めてあげることが大切です。
子どもの不安な気持ち、嫌な気持ちに寄り添ってあげることで、子どもは安心できることでしょう。また園生活で苦手なことや困ったことなどがある場合は、どうすればいいのか子どもといっしょに考えてあげてもいいですね。
前向きな声かけを心がける
子どもが園生活に慣れていないと「園がどういうところなのかわからない」ということ自体に不安を感じてしまうかもしれません。
子どもが前向きな気持ちで園に通えるよう「今日は体操をするんだって、楽しみだね」「お友だちと何をして遊ぼうか、わくわくするね」などと、子どもに対して前向きな声かけをして「園は楽しいところだ」という意識づけをしてあげるのもおすすめです。
また子どもが園での出来事を話してくれたら、子どもを褒めたり喜んでみせたりと、ポジティブな反応を心がけましょう。「頑張ってね」と励ますよりも「楽しんできてね」と軽やかに送り出してあげるといいですね。
送るときは笑顔ですぐに離れる
子どもが「園に行きたくない」と泣き叫ぶ姿には、後ろ髪を引かれる思いですよね。しかし子どもは、パパやママの姿が見えなくなると、意外とけろりと泣きやんで園生活を楽しむことも多いです。
別れ際に大泣きしていると、一日中そのまま泣き続けるのではないかと不安になるかもしれませんが、親の心配そうな顔を見ると子どもも余計に不安を膨らませてしまうもの。子どもを園に送るときは、笑顔でさっとその場を離れるようにしてはいかがでしょう?
先生に相談する
子どもにどうして園に行きたくないのか理由を訊ねても、しっかりとした回答を得られないことも珍しくありません。そんなときは先生に相談し、園での子どもの様子などを教えてもらうことをおすすめします。
また子どもが園で苦手なカリキュラムがあったり、対人関係に悩んでいたりするときも、子どもの抱える悩みを先生と共有することで、園と家庭の両方で子どものフォローができるはずです。
子どもとの時間を大切にする
子どもが入園すると、親子の時間はどうしても短くなってしまいますよね。しかし離れている時間を惜しむよりも、大切なのは子どもと過ごせる時間ではないでしょうか?短時間でもしっかりと子どもと向き合う時間を作ることで、子どもはママやパパの愛情を感じられるはずです。
ハグなどのスキンシップをとったり、園での話などにじっくりと耳を傾けてあげたりする時間を作ってあげてくださいね。
生活習慣を見直す
生活習慣が乱れている場合は、規則正しい生活を心がけてはいかがでしょうか?早寝早起きを徹底したり、1日3食バランスのいい食事をとったりと健康的な生活を送ることで、園での生活にも前向きになってくれるかもしれませんよ。
子どもの気持ちを切り替えてあげる
登園時間を変えてみたり、送迎をママがしていたらパパに変えたりと、送迎方法を変えると意外とすんなり登園してくれるようになるかもしれません。「今日はいつも早い時間に行くから、好きな遊具でたっぷり遊べるよ!」などと声掛けすると、園に行くのが少し楽しみに感じられそうですね。
また好きなキャラクターの絆創膏を貼るなどして「園を楽しめるおまじない」をしてあげるのもおすすめです。大人にとっては気休め程度に感じられることでも、子どもにとっては大きな心の支えになってくれるかもしれません。
転園する
どうしても園や先生と子どもの相性が悪い場合などは、転園も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?筆者の娘の同級生の男の子は、どうしても園に馴染めず、保護者の判断で転園していきました。
新しい園に馴染めるか不安だったそうですが、新しい環境をとても気に入ってくれたようで、以前とは打って変わり笑顔で登園してくれるようになったそうです。今では降園の際「まだ帰りたくない」と渋られるほどなのだとか。
子どもが登園拒否したときの注意点
子どもが登園拒否をしたときは、下記のようなポイントに注意が必要です。
頭ごなしに否定しない
子どもに毎朝のように「園に行きたくない」と泣かれると、ついイライラしてしまう人も少なくないでしょう。しかし頭ごなしに叱りつけ、子どもの気持ちを否定してしまうと、親子の信頼関係を傷つけてしまうかもしれません。
大人にとっては些細な問題でも、子どもにとってはとても大きなものに感じられていることもあります。子どもの不安な気持ちにしっかりと寄り添ってあげるようにしましょう。
安易に休ませない
子どもが園に行きたがらないからと簡単に休ませてしまうと「嫌なら行かなくてもいいんだ」という意識を子どもに植え付けてしまう可能性があります。子どもの不安な気持ちに寄り添いながらも、なるべく園は休ませないほうがいいかもしれません。
ただし登園拒否が長引く場合や園で一日中泣き続けている場合などは、ママやパパの都合がつけば、思い切って休ませるのも選択肢のひとつです。自宅で安心して過ごす時間を作ることで、自分から園に行きたがるようになることもあります。
また体調不良が疑われる場合は、無理に登園させないようにしましょう。発熱や嘔吐などの症状が出ていなくても、子どもの様子にママやパパが違和感を覚える場合は自宅で様子を見ることをおすすめします。
ネガティブな声かけは控える
子どもが登園を嫌がり続けると「ちゃんと園に行ってくれないと、ママ困るよ」などと、ついネガティブな声かけしてしまいがちです。しかしそういったネガティブな言い回しをしてしまうと、子どもは「僕は家にいない方がいいんだ」という風に感じてしまうことも。
子どもの自己肯定感を損なわないためにも、前向きな声かけを心がけましょう。
焦らない
登園拒否は、数日程度で落ち着く子どももいれば、数ヶ月程度と長引く子どももいます。登園拒否をやめてほしいからと親が焦ると、子どもはその焦りを感じ取って、より登園を嫌がるようになることも。
長引く登園拒否に親のほうが参ってしまいそうな場合は、園や地域の保健師などに相談してみてもいいでしょう。ママやパパが見落としていることに気づいてもらえたり、解決への糸口をいっしょに探してもらえたりするかもしれませんよ。
さいごに
子どもの登園拒否に「いつまで続くのだろう」と不安を感じる人も多いですが、終わりはいつか必ずやってくるはずです。筆者も入園して1ヶ月ほどしてから、娘の登園拒否に悩まされることになりました。
「この前まで笑顔で通っていたのに」という戸惑いと、1ヶ月経っても落ち着かないことへの焦りから、登園時間が憂鬱でたまりませんでした。しかし担任の先生が丁寧に対応してくださり、園での娘の様子を連絡帳に細かく書いてくれ、園では楽しく過ごせていることを知り安心できました。
結局娘の登園拒否は1ヶ月半ほどで徐々に落ち着き、それ以降はたまに登園を渋る程度で、別れ際に泣くこともなくなりました。登園拒否の時期は親子ともにつらい時期ですが、子どもの成長の一つの段階として、あまり気負わずに乗り越えてみてくださいね。