知育・幼児教育情報ならoriori

節分の豆は危険?5歳以下の子どもから豆は遠ざけよう

ライター 村田 美子
2021/01/30 19:01
楽しい保育園行事や家族行事になっている節分の豆まきですが、煎り大豆の窒息には要注意です。消費者庁は窒息や誤嚥を防ぐため、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないよう呼びかけています。食べさせないで欲しい年齢が「3歳ごろまで」から、今年は「5歳以下」に引き上げられました。この記事では乳幼児の窒息・誤嚥を予防する方法をお伝えします。

節分とは?

節分とは?

もともと節分は立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを言いましたが、江戸時代以降は立春の前日を指す場合が多くなりました。2021年は2月2日が節分に当たります。


読者の皆さんがお住まいの地域では「鬼は外、福は内」と声を出しながら福豆(煎り大豆)をまいて、年齢の数だけ豆を食べて厄除けする習慣がありますか?


今年は特にコロナという厄を子どもと一緒に思い切り払いたいところ。しかし、ちょっと待った!という注意喚起が消費者庁から発せられています。

子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故

子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故

昨年、悲しい事故が起きたのを覚えてらっしゃいますか?松江のこども園で4歳の園児が豆をのどに詰まらせて窒息死したことです。死因は大豆が気道に詰まったことによるものでした。


乳幼児は奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではありません。そのため、気道も狭い子どもが豆やナッツ類を食べると、気道に入ってしまうリスクが高くなります。


消費者庁の調査によると、2020年までの6年間に食べ物を誤嚥して窒息死した5歳以下の子どは73人もいました。

消費者庁「豆やナッツを口にして誤嚥事故に至った14歳以下の子どもの年齢別報告数」
消費者庁「豆やナッツを口にして誤嚥事故に至った14歳以下の子どもの年齢別報告数」

窒息による死亡事故の他にも、ピーナッツが気管支まで入って手術が必要になった例も報告されています。


この10年間で、全国の医療機関から寄せられた5歳以下の子どもが食品をのどに詰まらせた事故は141件あり、このうち大豆やピーナツなどが全体のおよそ2割を占めています。


消費者庁によると、子どもがスムーズに食べ物を噛んだり、飲み込んだりできるようになるのは6歳ごろとされていて、それまでは、豆などがのどに詰まりやすいと言います。


豆類が小さかったり、呼吸中など気道が広がっていたりすると、喉頭や気管まで入り、それが中で膨らんでしまい、窒息するおそれがあります。


また、口の中に豆類が入ったまま走ったり、寝転がったり、リクライニングしながら食べたりすると咽頭に入り込みやすくなり、窒息・誤嚥のリスクが高くなることが、消費者庁と専門家がシミュレーション実験を行った結果判りました。


消費者庁は豆まきでは袋に入った豆を使うことや、子どもが拾って口に入れないよう、豆まきが終わったあとは片づけを徹底するよう注意喚起しています。

福豆は子どもから遠ざけておこう

節分でまいた豆を、幼児が拾って食べてしまわないよう、豆まきの後は必ずきれいに掃除をするようにしましょう。


また、小さな子どものいる家庭では、豆をそのまままくのではなく、小分け包装された節分用の豆を、袋ごとまいて楽しみましょう。


また、豆を子どもから遠ざけることも大切。簡単に手を伸ばせるところに置かないようにしましょう。

危険なのは節分の豆だけではない!

窒息の原因となった食品が明らかになっている 51 名のうち、ミルクによるものが 17名と最も多く、次いでゼリー、ドーナツ、あめなどの菓子類が 13 名、肉・魚類が8名、リンゴやブドウなどの果物類が6名でした。


消費者庁がホームページ上で子どもの誤嚥事故の具体的事例を挙げていますので、ご紹介します。どれも身近で、どの家庭でも起こりえる事故だということが分かります。

アーモンドを子どもに食べさせていた。口内に残したまま歩行中、もっと欲しがって泣いたところ、むせてせき込んだ。その後もゼイゼイした感じがあり受診した。右気管支異物により入院6日間。(医療機関ネットワーク、令和2年2月発生、2歳、中等症)

ピーナッツ味噌を4~5粒摂取後むせ込みゼイゼイ音がしていた。緊急気管支鏡下気道異物除去術を行い5日間入院。(医療機関ネットワーク、令和2年5月発生、4歳、重症)

スーパーの試食コーナーで巨峰の汁だけを口に入れてあげようと保護者が子どもの口元に持って行ったら、汁と一緒に果肉が口に入り、そのまま飲み込んでしまった。すぐに顔色が悪くなり、呼吸をしているか分からなかった。5分後救急車を要請した。周囲の人が背部叩打をしたところ果肉が出てきて1分程度すると顔色が戻った。

(医療機関ネットワーク、平成 30 年8月発生、0歳、軽症)

幅1cm×長さ5mm に切ったリンゴを食べさせている時に、突然苦しそうにし、机に顔を伏せて顔色が悪くなった。逆さまにして背中を叩いたらリンゴが出てきた。泣いて声も出たが、うつぶせで顔色は悪いままだったため救急要請した。

(医療機関ネットワーク、令和元年5月発生、2歳、軽症)

こうした事故を受け、消費者庁は「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください」と注意喚起をしています。

万一、のどに詰まったらどうすればいい?

万一、のどに詰まったらどうすればいい?

異物がのどに詰まってしまい様子がおかしいと思ったら、すぐに救急車を呼び、指示を仰いでください。


窒息後、5~6分程度で呼吸が止まり意識を失い、心臓が止まり、大脳が障害されます。


成人に比べて乳幼児は酸素不足に対する耐性が低いため、低酸素症が重篤化しやすいといわれます。救急車が到着するまでに心停止に至らないよう、迅速な処置が必要です。


応急処置として腹部を押したり背中を叩いたりしがちですが、どうこうなるものではないと警告する医師もいます。


以下に消費者庁ホームページに記載されている『食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!―気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで― 』(PDF)より「応急手当の方法(救急蘇生法の指針 201511から一部抜粋)」を引用します。

応急手当の方法(消費者庁ホームページより引用)

乳児(1歳未満の子ども)

  • 苦しそうで顔色が悪く、泣き声も出ないときは気道異物による窒息を疑います。
  • 窒息と判断したら、以下の対応を開始します。ただし、誰かが周りにいればその前に 119 番通報を依頼します。
  • 反応がある間は頭側を下げて背部叩打(はいぶこうだ)と胸部(きょうぶ)突き上げ(つきあげ)を実施します。乳児では腹部突き上げは行いません。
  • 背部叩打では、片方の手で乳児のあごをしっかり持ち、その腕に胸と腹を乗せて頭側を下げるようにしてうつ伏せにし、もう一方の手のひらの基部で背部を力強く数回連続してたたきます。
  • 胸部突き上げでは、片方の腕に乳児の背中を乗せ、手のひら全体で後頭部をしっかり持ち頭側が下がるように仰向けにし、もう一方の手の指2本で両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とする胸骨の下半分を力強く数回連続して圧迫します。乳児を腕に乗せて心肺蘇生のときと同じ方法で胸骨圧迫を行います。

1歳以上

  • 気道異物により窒息を起こすと、自然に親指と人差し指でのどを つかむ仕草をすることがあり、これを「窒息のサイン」と呼びます。この仕草をみたら周囲の救助者は異物除去の手順を行ってください。
  • 窒息と判断すれば、ただちに119 番通報を誰かに依頼した後に、 腹部突き上げや背部叩打を試みます。腹部突き上げと背部叩打は、その場の状況に応じてやりやすい方法を実施してかまいませんが、1つの方法を数度繰り返しても効果がなければ、もう1つの方法に切り替えてください。
  • 異物が取れるか反応がなくなるまで、2つの方法を数度ずつ繰り返して続けます。
  • 傷病者がぐったりして反応がなくなった場合は、心停止に対する心肺蘇生の手順を開始します。近くに AEDがあれば、それを持ってくるよう近くにいる人に依頼します。

腹部突き上げ法

  • 救助者は傷病者の後ろにまわり、ウエスト付近に手を回します。
  • 一方の手でへその位置を確認し、もう一方の手で握りこぶしをつくって親指側を傷病者のへその上方でみぞおちより十分下方に当てます。
  • へそを確認した手で握りこぶしを握り、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
  • 傷病者が小児の場合は救助者がひざまずくと、ウエスト付近に手を回しやすくなります。
  • 腹部突き上げを実施した場合は、腹部の内臓をいためる可能性があるため、異物除去後は、救急隊にそのことを伝えるか、すみやかに医師の診察を受けさせることを忘れてはなりません。
  • 119番通報する前に異物が取れた場合でも、医師の診察は必要です。 

背部叩打法

  • 立っている、または座っている傷病者では、傷病者の後方から手のひらの基部(手掌基部)で左右の肩甲骨の中間あたりを力強くたたきます。

詳細は、イラスト付きで以下に記載されています。

一度確認してみましょう。


消費者庁(令和3年)『食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!―気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで― 』(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/assets/caution_047_210120_0001.pdf)

さいごに

楽しいはずの節分の豆まきが悲劇にならないよう、大人が細心の注意を払って事故を防ぐことの大切さをお伝えしました。


節分の豆だけでなく、飴玉、枝豆、ミニトマト、ブドウ、サクランボ、ウズラの卵、煮豆、チーズなどが原因で乳幼児がのどに詰まらせてしまう窒息事故、怖いですね。


さいごに注意点をまとめます。

(1)豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせない。


(2)ミニトマトやブドウ等の球状の食品は、4等分したり、調理して軟らかくするなどして、よくかんで食べさせる。


(3)食べているときは、姿勢を良くし、食べることに集中させる。 泣いているときなどに、たとえば、あやそうとして、物を食べさせるのはNG。


(4)物を口に入れたままで、走ったり、笑ったり、泣いたり、声を出したりさせない。


(5)食事中に不意に驚かせたり、急に怒ったりすると、口の中の食品がのどや気管・気管支に吸い込まれることがあり、窒息したり、気管支炎、肺炎になることがある。

春はもうすぐです。寒気のなかですが、我が家では昨秋植えたクロッカスの球根から芽が出ているのに気づきました。orioriユーザーの皆さんが健康に笑って過ごされるよう祈っています。

おにだって いっけんぐらいは しあわせに できる ちからが あるぞ。いくら ふくのかみでも にほんじゅうの いえを しあわせに するのはむりじゃ。

参考文献

  • https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/
  • https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/assets/caution_047_210120_0001.pdf
  • https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180131_0001.pdf
コメント
コメントまだありません
oriori
orioriの最新情報を受け取ろう!
SNSをフォローしてね!
oriori
twitterシェアfacebookシェアlineシェア