子どもの一人寝は何歳から?一人寝の進め方とポイント
子どもの一人寝は何歳から?
子どもを一人で寝かせるタイミングは、国によって大きく差があります。日本と欧米を比較しながら、一人寝を始める目安の時期をご紹介します。
日本での一人寝の目安
日本では、赤ちゃんや小さな子どもはママ・パパと添い寝するのが一般的なので、乳幼児期から一人寝をさせる家庭は少数派といえるでしょう。添い寝は親子の良いスキンシップにもなるため、産院でも母子同室を選択するところが増えているようです。
ただし、日本ではずっと添い寝が推奨されてきたかといわれると、実はそうではありません。1960年代ごろまでは多くの家庭で親子が川の字になって寝ていたそうですが、1970年代頃になると2歳児のうち添い寝をしていたのは4割程度と低年齢時から一人寝を選択する家庭が多かったといいます。
このころは抱っこや添い寝といった子どもとの触れ合いは、子育ての手間を増やし、子どもの自立心を損なうという考えが広まっていたのだとか。1980年代頃になると添い寝が子どもに与える心理的な影響が評価され、添い寝をする家庭が増えていったのだそうです。
子どもの一人寝を始めるタイミングは、小学校低学年から中学年頃という家庭が多いといいます。小学校入学や進級といった節目を機に、一人寝をスタートする家庭が多いそうです。また子どもが不安を感じたときにママやパパへ助けを求めやすいよう、4歳から小学1年生頃に一人寝を始めたほうがいいという考えもあります。
ただいつまでに一人寝をさせなくてはならないという明確な決まりはないため、子どもが望まない限り添い寝を続けるという家庭も少なくありません。
欧米での一人寝の目安
欧米では、子どもの自立心を養うため、赤ちゃんの頃から一人寝をさせるのが一般的だといいます。ただし一人寝が自立心の育成に与える影響については、科学的な根拠はないようです。
一方で、子どもと親の寝室をわけることは親の心理状態の安定に効果が期待できるといいます。海外の研究によると、添い寝をしている家庭のほうが産後うつになりやすく、子どもの夜泣きも増える傾向があるようです。
しかし添い寝は子どもの情緒の安定に良い影響を与えるとされており、一人寝をしている子どもと比べておしゃぶりなどへの執着が弱いという調査結果もあります。乳幼児期に添い寝と一人寝のどちらを選んだほうがいいのかは、家庭環境や親の意識、精神状態によって異なるようですよね。
一人寝の進め方
子どもの一人寝の練習を始めるときは、どのような流れで進めていくといいのでしょうか?
1)事前に予告しておく
いきなり寝室を分けるのではなく、まずは子どもにいつから一人で寝るのか予告しておきましょう。「次のお誕生日から一人で寝てみようか」「小学生になったら○○ちゃんの部屋で眠ってみようね」などと言い聞かせることで、子どもも心の準備ができるはずです。
一人寝を始めるのは、誕生日や入学・進級時など、子どもが「僕は大きくなったんだ」と自身の成長を感じられるタイミングを選んでもいいですね。「小学生になるんだから頑張ろう!」などと一人寝に前向きに挑戦しやすいかもしれませんよ。
2)子ども部屋で寝かしつけをする
ママやパパと離れて、自分の部屋や布団で眠るのは子どもにとって不安なもの。いきなり一人で眠ろうと思っても、寂しくなって泣き出してしまう子どももいます。子どもが自分の部屋や布団に慣れるまでは、子ども部屋で寝かしつけをしてあげてはいかがでしょうか?
3)一人で寝かせる
子どもが新しい環境に慣れてきたら、寝かしつけなしで子どもに一人で眠ってもらいましょう。一人で眠ることに慣れるまでは、子どもが急に不安を感じることもあるので、子どもが寝付くまでは子ども部屋の近くにいてあげてもいいですね。
子どもの一人寝”4つのポイント”
子どもの一人寝を進める中で、注意したいポイントをご紹介します。
ほかの子どもと比較しない
子どもがなかなか一人で寝るようにならないと、ついほかの子どもと比較して焦ってしまうかもしれません。しかし「もうお友だちは一人で寝ているのに、どうして○○くんはだめなの!」「もうお兄さんなのに」などと子どもを責めることがないようにしましょう。
子どもの成長や発達には個人差があるように、一人で眠れるようになるタイミングもそれぞれです。子どものペースを大切にしてあげましょう。子どもが一人寝を嫌がるのであれば、子どもの気が向くまで同じ部屋で眠るようにしてもいいですね。
お気に入りの寝具を用意する
ママやパパと離れて夜を過ごすのは、子どもにとって勇気が必要なもの。お気に入りの寝具や小物があれば、子どもの不安を和らげてくれるかもしれません。子どもが寝る時間を少しでも楽しみにできるよう、子どもに好きなものを選ばせてあげてはいかがでしょうか?
日中たくさん遊ばせる
なかなか寝付けないでいると、子どもの心の中のさみしい気持ちはどんどん大きくなってしまうかもしれませんよね。そうならないよう、子どもがぐっすりと眠れるように、日中たくさん遊んで体力を使わせてはいかがでしょう?
また生活リズムを整えたり、寝る前にテレビやスマホなどを控えたりと、子どもが眠りにつきやすい環境を意識することをおすすめします。
いっしょに寝たがったら受け入れる
一人寝に挑戦しようとしても、いざ夜部屋にひとりになるとさみしくなって、ママやパパといっしょに寝たがることもあるでしょう。また普段は一人で眠れているのに、急にママやパパの布団にもぐりこんでくることも。
そんなときは「一人で寝るっていったでしょう」などと突き放さず、いっしょに眠ってあげるといいですね。いざというときはママやパパが受け入れてくれるという安心感で、翌日からまた一人寝を頑張れるかもしれませんよ。
筆者も子どものころ、なんだか無性におばけが怖くなって一人で眠れなくなったことが何度かありました。一度目は優しく受け入れてくれた母でしたが、二度目は「またなの?」と不機嫌そうな対応をされてしまいました。
今になってみると、家事や育児がひと段落し、のんびりと過ごせる時間を邪魔されてイライラしてしまう気持ちはよく理解できますが、当時は子どもながらに傷ついたことを今でも覚えています。それ以降は夜になかなか眠れず怖い気持ちが強くなっても、一人で布団に潜りこんで耐え、母に頼ることはしなくなりました。
筆者の娘も小学校入学を控える歳になったため、一人寝を始める日もそう遠いものではないでしょう。子どものころの筆者よりも怖がりな娘が、不安な気持ちを一人で抱え込まないよう、自分の子どものころのことを思い出しながら娘の気持ちに寄り添ってあげられたらと思います。
さいごに
子どもに一人寝をさせるタイミングは、家庭によってさまざまです。子どもの性格や気持ちを考慮しながら、無理のないペースで進めていくことをおすすめします。また、子どもがいざ一人で眠るようになると、ママやパパは寂しさを感じてしまうかもしれません。
子どもといっしょに眠れる時間は、限られた時間だけでいつまでも続くものではないですよね。子どもと寄り添って寝られる時間も、大切にしていきましょう。