
子どもの強みはどうやって見つける?方法や伸ばし方を紹介

生まれながらに持つ”3つ”の強み

子どもは生まれながらにさまざまな強みを持っています。目に見えやすい能力やスキルだけでなく、性格的な特性も強みのひとつです。まずは主な強みについて改めて認識してみましょう。
性格的な強み
「人前でも堂々と振るまえる」や「誰に対してもやさしく接する」など、性格的な特性は子どもの強みの1つです。また、「新しい環境に慎重」や「小さなことにも敏感」といった一見ネガティブに捉えられがちな特性であっても、すべての気質には魅力があるという専門家も多くいます。
才能や素質の強み
「教えていないのにピアノが上手に弾ける」や「絵が上手い」など、生まれ持った才能や素質も強みです。誰から見ても分かりやすいこうした特性を伸ばしていくことは、子どもの自信を育む上でも役立ちます。
身体能力的な強み
「足が速い」や「持久力がある」など、身体能力的な強みもあります。遺伝的な要素も多く、オリンピックアスリートを目指すような子どもでは、幼いころから身体能力の高さがあらわれていることが多いでしょう。
子どもの強みは2歳から!タイプ別の伸ばし方と対処法

子どもの強みや個性は2歳~3歳頃までにはっきりとあらわれてきます。この時期は言葉も発達しはじめ、子どもの気質がはっきりし始めると同時に「いやいや期」が始まるため、子どもの要求に辟易する親も多いでしょう。そんな時には、次のような対処法をすることで、子どもの強みを伸ばしながらそれぞれの長所を伸ばすサポートができます。
「名役者タイプ」にはエネルギーを発散する方法が◎
親に「やってはいけないよ」と言われると、この世の終わりかのように泣き叫び、腕を振り回す表現力豊かな子どもが「名役者タイプ」です。
親にとってはこちらの要求がなかなか通らず苦労しますが、この時期にすでに子ども自身の感情を身につけていることは、人生のさまざまな領域で自分の感情に率直でいられる素質がある証拠です。物語を一緒に演じたり、音楽を一緒に演奏したりするなど、エネルギーや個性を発散する方法を与えると強みが伸びていきやすいでしょう。
「小さな上司タイプ」には2つの選択肢を与える
「あなたはこれをやって!ママはこっち!」と、誰に対しても1段高いところから指示を出すのが小さな上司タイプです。
誰に対しても要求が厳しすぎる姿に心配をかかえる親も少なくありませんが、専門家はこうした傾向は自己主張のスタート段階だととらえ、外的環境に対して自分自身のために立ち上がれるバイタリティがある証拠だといいます。
自分のやり方で物事を進めていくことを好むタイプのため、何かを決めるときには2つの選択肢の中から本人に決めてもらうと自立心も育みやすいでしょう。
「シャイな芸術家タイプ」は時間の経過が心を開く鍵
ほかの子ども達が楽しく走り回るのを、外から見守っているのがシャイな芸術家タイプです。
「友達をつくれるのだろうか」と気が気でない親心とは裏腹に、創造的で好奇心が強い気質のあるシャイな子どもは、時間の経過とともに自己を解放しています。
子どもの強みを生かしながら環境にスムーズに溶け込むためには、事前に何をするか、どんな期待があるかなどをできるだけ詳しく伝えておくと良いでしょう。
「エンターテイナータイプ」はリーダーになる素質も
起きている間中とにかく話し続ける、おしゃべりが大好きなのがエンターテイナータイプです。
常に声を聞かされている親にとっては「ちょっとは静かにしていて」と思うこともありますが、この気質は子どもがストーリーテラーやリーダーになるときに役に立つと専門家はいいます。ショータイム時間を生活の中で決め、終了時間になったら落ち着くことを促すとメリハリが出やすいでしょう。
興奮が収まらないときには、やわらかな音楽や本などで落ち着かせていく方法もあります。
ヒントは4つ!子どもの強みはどうやって見つける?

強みを見つけるときには、じっくりと子供を観察するほかにも、周囲からの声掛けに耳を傾けるなどのさまざまな方法があります。日常の中で見つけられる強みもあれば、友達との関わり合いの中で改めて認識することもあるでしょう。
ここでは、親が子どもの強みを見つける方法と共に、子どもが自分自身の強みに気づく方法についても見ていきましょう。
1人で遊ぶ様子を観察する
子どもが1人で遊んでいる様子をじっくり観察することは、強みを発見する方法の1つです。
1人で遊ぶときには、絵を描く子もいれば外で走り回る子もいます。何を選ぶかは子どもの興味や関心につながっているため、遊ぶ様子をヒントに強みを発見することができるでしょう。
友達と遊ぶ様子を観察する
友達と遊ぶ様子を観察することは、子どもの性格や身体能力的な強みが見えてくるサポートになります。
周囲とどのように関わるかが分かり、「どんなことにも夢中になれる」「思いやりのある行動をとる」「動作が俊敏」などの特徴も見えやすいでしょう。
周囲の声を参考にする
強みを見つけるときには周囲の声も参考になります。
学校の先生や親族、ママ友などから「○○くんは友達思いですね」「○○ちゃんは手先が器用ですね」などと言われる言葉は、子どもの強みです。
普段あまり気を留めずにいた場合には、こうした周囲の声に耳を傾けてみると良いでしょう。
競争に参加させる
小学生頃からは、競争に参加させることが強みを身につけていくために不可欠と考える専門家もいます。競争については反対意見もあるようですが、相手と競い合うことから子ども自身が強みに気づき、磨きをかけていくためには必要なプロセスだと考えられています。
もちろん競争の中では敗者になる経験もありますが、その現実をどのように受け止め立ち上がるかは、競争の中でしか経験できないことでしょう。
日本人は強みを伸ばすことが苦手?長所を大切にした育児の3つのメリット

内閣府が13歳~29歳の男女に行った令和元年版「子供・若者白書」の国際比較調査(https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/s0_1.html#z0_02)によると、「自分自身に満足している」「自分に長所がある」と感じている日本人の割合は諸外国と比べて最も低いといいます。
この背景には、強みや長所を伸ばすよりも短所を直していくことが目的となった教育があると考える専門家もいます。
そこで、ここからは強みを伸ばす育児の3つのメリットについて確認しておきましょう。
1.根拠のある自信が身につく
子どもの将来を考える上で大切にしたいのが「自信の有無」です。根拠のある自信は、子どもが自らの努力や訓練によって獲得する自信です。
スポーツや音楽コンクールなど、人前で何かを発表する中で競争にもまれながら獲得できるものであり、どんな小さなことであっても人と違う面や優れた面を伸ばしていけると自信が増幅しやすいでしょう。
2.褒めることが増える
強みや長所を伸ばすことを育児の軸に据えると、褒めることが増えていきます。日々子どもと接する親も、ダメなところを指摘し続けることは苦労が伴うでしょう。
脳は思考よりも言葉に影響されやすく、否定的な言葉を使うことでネガティブな感情も生みやすくなる性質をもっています。
そのため、褒めることが多いほうが親にとってもメリットは大きいといえるでしょう。
3.自己肯定感が育つ
強みや長所を伸ばす育児を行なうと、子どもの自己肯定感も育ちやすくなります。
「○○ちゃんの笑顔はいつも素敵だね」「歴史が好きなんだね!こんなに知ってるなんて○○くんは博士みたいだ」などの言葉かけは、子どもの肯定的な思い込みを育み、その言葉が導くような成長へとつながるでしょう
。一方で、子どもが劣等感を抱きやすい否定的な言葉かけもまた成長へと影響します。周囲との違いを子どもに伝えたくなる場面もありますが、まずは伸ばしていきやすい長所をしっかりと引き上げていくことが子育てや教育のコツだと専門家は話します。強みが熟成されて自信が生まれたら、子どもは自らの力で短所を克服していく可能性が高いためです。
成長におけるすべてを親が引き受ける必要はないことも念頭に置いておくと良いでしょう。
さいごに
数々の専門家の資料に目を通していくと、子どもはすでに数多くの強みをもっており、それを当たり前とせずにどれだけ気づいていけるかが重要なのだということが分かってきました。子どもがもつ強みや長所はどんなに小さなものでも、育み方によって大きく開花していく可能性を秘めているため、大切にしていきたいものです。強みを生かす育児をしたい方は、よかったら参考にしてみてくださいね。