忘れものゼロの子に!小学校入学前に自分で支度する習慣をつけよう
整理整頓を習慣にしておく
「支度」と「整理整頓」は自分で自分のものを管理するという意味において共通しています。支度に挑戦する前に、片づけることを身につけておくことは重要です。
また、ものが整理整頓されていると支度がしやすく、忘れ物防止にもつながります。整理整頓を身につけておくことは、自分で支度をする準備段階とも言えるでしょう。
片づける習慣をつけよう
言葉が通じない赤ちゃんでも、ママやパパと一緒に片づけることはできます。「遊んだらここに戻そうね」と声をかけながらカゴに入れる、コップをキッチンまで持ってきてもらう、ごみを捨てるといった行動も片づけのひとつ。
小さいうちから、片づけを遊びの延長として親子で楽しくやってみましょう。遊んだ後や食べた後など、生活の中で区切りの良いタイミングで片づけを促してみると良いですね。
また、パパやママが普段から片づけをしているかどうかも、子どもの成長に影響を与えます。自身の行動を振り返りつつ、片づけの習慣を身につけられるよう働きかけてあげてください。
参考:大学生の片づけ行動に及ぼす両親の影響(元井・小野寺,2018年,https://core.ac.uk/download/pdf/228933757.pdf)
片づけたくなる工夫
おしゃれな収納グッズを買っても、使い方が難しければ子どもは使ってくれません。
ぽんぽん投げ込める間口の広いカゴや、ゆとりをもって入れられる大きめサイズの収納アイテムを用意してあげると、子どもでも片づけやすいでしょう。字が読めない子どもには、収納カゴなどに絵を貼って場所を知らせたり、色を分けたりするのもおすすめです。
また、ものが多すぎると片づけにくくなります。使っていないものはしまったり、人にあげたり捨てるなどして、適量を保つようにしてくださいね。子どもが大きくなってきたら、自分でおもちゃの選別をさせるのも良いでしょう。
我が家では年少組のころから、おもちゃが増えてきたら子ども自身に取捨選択をさせています。親としては口を挟みたいこともありますが、そこはぐっと我慢! 子ども自身が大切だと思うものを選ぶことで、片づけにも積極的になってくれます。
保育園ロッカーを目指して持ち物をまとめる
多くの保育園や幼稚園では、ひとりひとりの子どもたちに専用のスペースが設けられています。スペースを決めてその中の管理を子ども自身に任せると、きちんと片づけをしてくれる子どもが多いようです。
そんな保育園・幼稚園ロッカーの特徴は、
- 子どもの目線におく
- 1か所にまとめる
- フックを利用する
の3点。
子どもの目線に合わせることで、子どもがアクションを起こしやすくなります。
大人でも、いちいちしゃがんだり、踏み台を持ってこないと届かなかったりする場所は、使いにくいもの。頻繁に使うものは、子どもの目線で取り出しやすい高さにしまうのがおすすめです。
また、必要なものを1か所にまとめると、支度するときに探す手間が省けるうえ、片づけるときもとても楽です。
部屋を、園の支度をするコーナーやおもちゃコーナー、絵本コーナーなどにざっくりとわけてみるのはいかがでしょうか。
さらに、フックの活用も片づけやすいアイデアです。
基本はひとつのフックに1アイテムをかけること。上着もハンガーを使わずフックにかけると、小さな子どもでもひとりで簡単にしまえます。帽子やバッグなどのお出かけグッズやおもちゃなども、ワンアクションでできる簡単なかける収納がおすすめです。
少しずつ自分で支度に挑戦させてみる
子どものやる気や親にゆとりがあるときには、自分で支度することにチャレンジさせてみましょう。仕組みを整えてあげれば、小さい子どもでも主体的に支度することは可能です。
「自分でできた!」という達成感は次の挑戦につながり、子どもにとって大きな自信となるでしょう。
段階的に自立を促す”3つの方法”
1.子ども自身に何が持ち物として必要か知ってもらう
親がすべての支度をしてあげていると、自分のバッグに何が入っているのかわからない……ということになりかねません。主体的に支度できることを目指すなら、まず親が支度をする段階で、「お弁当入れるね」「タオル入れるね」と子どもに見せながら行うと良いでしょう。
2.子どもにバッグに入れてもらう
次の段階では、自分でバッグに入れてもらいます。親が準備したものを1か所に集めておき、一緒に確認しながら、子どもにバッグに入れてもらいます。「お弁当はまっすぐに入れてね」など、入れるコツを伝えるのもおすすめです。
3.子どもと一緒に持っていくものを考える
主体的に支度できるようになるには、自分で何が必要か考える力が必要です。未就学児の場合は、親が一緒になって必要なものを考えてあげると良いでしょう。クイズ方式にすると、子どもも楽しみながら考えられます。
ひとつだけは自分で支度させてみる
飽きっぽい子どもには達成感を重視した方法を試してみては?
「ハンカチだけは自分で準備しよう」など、ひとつだけは絶対に自分で用意するものを決め、それを忘れずに持っていけたら褒めてあげます。
「今日も忘れなかった!」という気持ちが達成感につながり、子どものやる気を引き出すでしょう。まずひとつの持ち物から始め、様子を見て増やしていきましょう。
進級や誕生日などは、子ども自身もやる気がアップするタイミング。
「もうひとつ増やしてみようか?」と持ち掛けると、積極的に応じてくれることが多いです。
ひとりでがんばりたい子には可視化する
自立心の強い子の中には、親に口出しされるのを嫌がることもあります。そんな子の場合は、持ち物を全て書き出す方法が有効です。
紙やホワイトボードなどに持っていくものを書き出し、それを見ながら自分で支度をすると、子どもひとりでも支度ができます。バッグに入れたものは線をひいたり、シールを貼ったりして一緒にチェックしていきましょう。
自立心の強い子は持ち物を書き出す段階から自分でさせてみるのもおすすめです。
支度が楽しくなるアイテムを使う
支度が楽しくなるようなアイテムや楽にできるグッズがあれば、より進んで支度をしてくれるようになるでしょう。アイテムを上手に使ってやる気をアップさせてあげましょう。
ウォールポケット
ウォールポケットは細かいものの整理にぴったりです。
毎日持っていくハンカチやティッシュの定位置にしてしまえば、忘れにくくなるかもしれませんね。
ウォールポケットの良い点は、壁にかけられるところ。玄関にかけておけば、ハンカチやティッシュをうっかり忘れることもなくなりますよ。
そのほか、女の子のヘアゴムやマスク、名札、手袋などの収納にもぴったり。100円ショップでもさまざまなデザインのものが手に入るので、用途別に複数そろえるのもおすすめです。
ポケットが深いと中に入り込んでしまうことがあるので、浅めのものがイチ押し。ビニル製の透明なタイプは、中が見やすいのでうっかり入れっぱなしということがありません。
こどもチェッカー
持ち物チェックや身支度チェックなどに幅広く使えるこちらのチェッカーアイテム。項目欄には絵も書き込めるので、字がまだ読めない未就学児にもぴったりです。
使い方は、項目欄の下にあるスライダーを上下に動かすだけ。持ち物ややることが可視化できるので、ひとりで支度するのが楽しくなります。
バッグにつけられるキーホルダー型なのも便利ですね。
もちものマグネット
こちらの「もちものマグネット」は、ホワイトボードなどに貼りつけて使うグッズです。始めは白の面を表にしておき、バッグに入れたら裏返します。
白い面には持ち物たちが悲しそうな顔をしていますが、裏面にするとにっこりした顔に変身!「裏返したらどんな顔になるかな?」と持ち物たちの顔にも夢中になってしまうアイテムです。
フリーのマグネットが4個ついているので、必要なものに合わせて書き込んで使えるのも便利なポイント。特に未就学児から小学校低学年におすすめです。
さいごに
自分で支度することは、自分でものを管理することです。一見「支度」とは全くちがうものに見える「整理整頓」も、ものを管理するという意味では共通しているので、小さいうちから片づけることを通してものを管理することを身につけておきましょう。そして、子どもの様子を見ながら、段階的に支度を任せてみましょう。
自分でできた!という達成感をたくさん感じさせてあげることが、将来的に自ら進んで支度をすることにつながりますよ。
参考文献
・「幼児の達成感」の概念分析(浅利,2016,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jschn/25/3/25_39/_pdf)