ひらがなの書き順の教え方は?練習手順と5つのポイント
ひらがなの書き方の練習手順
子どもにひらがなの書き方を教えるときは、どのような手順で練習を進めればいいのでしょう?
手順1:運筆練習
ひらがなを上手に書くためには、自分の思い通りに鉛筆を動かすことが必要になります。そのため、いきなりひらがなを書かせるのではなく、まず運筆練習からスタートすることをおすすめします。
大人にとって、曲線や交差線などを書くのは簡単なことですが、子どもにとっては難しいもの。きれいな線を書くためには、手首を上手に動かしたり、筆圧を鍛えたりすることが必要になります。
お絵描きや塗り絵、運筆練習ができるドリルなどを活用して、楽しく練習を進めてはいかがでしょうか?
手順2:なぞり書き
鉛筆の動かし方に慣れてきたら、次はなぞり書きにステップアップします。子どもにとってひらがなは図形のようなもので、図形認識能力が未熟な幼児が正しいひらがなの形を把握するのは困難です。
なぞり書きを通して、ひらがながどんな形をしていて、どんなバランスで書かれているのかというイメージをつかんでもらうといいでしょう。
手順3:うつし書き
なぞり書きでひらがなを書くのに慣れてきたら、お手本を見ながら、うつし書きに挑戦するといいですね。どういう形の線をどのように組み合わせていくのか、口で説明するのは難しいので、横でお手本を書いてあげるとわかりやすいかもしれません。
ひらがなの書き順の教え方”5選”
子どもがひらがなを書くときは、形を写し取ることに集中するあまり、目立つところから書く傾向があるといいます。そのため、書き順がめちゃくちゃになってしまいがちなのかもしれませんね。
「小さいうちは仕方ない」とつい見逃してしまいがちですが、一度誤った書き順を覚えてしまうと、直すのは大変です。後になって苦労しないためにも、ひらがなを覚えるときに正しい書き順を意識しましょう。
書き順の大切さを教える
子どもに書き順を教えようと思っても「これでいいの!」などと反抗し、なかなか聞き入れてもらえないかもしれません。誤った書き順で書いていても、子ども自身は上手に書けているつもりになっていることも。
子どもが正しい書き順を意識するためにも、どうして書き順が大切なのか教えることが大切です。正しい書き順で書くと、ひらがながきれいに書けること、字を覚えやすくなること、人前で文字を書くときに恥ずかしくないことなどを伝えたいですね。
繰り返し練習する
正しい書き順を身に付けるためには、反復練習が欠かせません。一度書いただけでは覚えられないものなので、正しい書き順を教えても、次にひらがなを書くときには誤った書き順に戻っていることもあります。
子どもが正しい書き順を覚えたように見えても、こまめに子どもの様子を見て、書き順を確認してあげるといいですね。
ドリルを活用する
ひらがなの練習ができるドリルでは、正しい書き順がお手本に明記されていることが多いため、一文字ずつ確認しながら練習しやすいでしょう。ただ子どもにドリルをさせるときも、大人が近くで見守ってあげることをおすすめします。
正しい形を写すことに集中して、書き順にまで注意がむいていないこともあるので、もし誤った書き順で書いているようなら、やさしく指摘してあげましょう。
通信教育を活用する
こどもちゃれんじなどの通信教育でも、効率的に書き順の練習ができるでしょう。筆者の娘にもこどもちゃれんじをやらせているのですが、ゲーム感覚で正しい書き順が学べるので、夢中になって練習しています。
アプリを活用する
スマホやタブレットさえあれば手軽に使えるアプリでも、書き順の練習ができます。無料で利用できるものが多く、有料のものでも低価格なのがうれしいですね。
楽しいミニゲームがたっぷりの「たのしい!ひらがな」というアプリなら「あ」から「た」行まで無料で、残りは360円で利用できます。逃げ出した「あ」を探すなど、ユニークなゲームが目白押しで、勉強が苦手な子どもでも取り組みやすいでしょう。
ひらがなの練習5つのポイント
子どもにひらがなの練習をさせるとき、注意しておきたいポイントをご紹介します。
楽しむことを重視
きれいなひらがなを書かせることを重視するあまり、厳しく指導してしまうと、子どもは勉強自体に苦手意識を抱いてしまうかもしれません。子どもがひらがなに興味を持ち、楽しく学習できるよう意識するといいですね。
子どもの名前や好きな言葉などからスタートしたり、ひと筆書きで書ける「く」「し」「つ」から練習を始めたりするのがおすすめです。50音順で練習したほうがいいように感じるかもしれませんが「あ」はひらがなの中でも複雑な形で、いきなり上手に書くのは難しいでしょう。
なかなか上達しないと、子どものモチベーションも下がってしまいがち。簡単な文字なら上手に書きやすいため、達成感が得られ、より頑張ろうとやる気をだしてくれるかもしれません。
丁寧に書く癖をつける
筆者の娘もそうなのですが、早く書くこと、多く書くことを意識して、一文字一文字を雑に書いてしまう子も少なくありません。しかし雑に書いてしまうと、ひらがなの形がおかしかったり、とめやはねができていなかったりしても、大人が見たときに気づきづらいもの。
丁寧に書くことの大切さを教えてあげることが大切ですが、そんなときにおすすめなのがお手紙です。お手紙は相手が読めないと意味がないため、丁寧に書くいい練習になりますよ。家族やお友だちなど、子どもの好きな相手にお手紙を書くことを勧めてみてはいかがでしょう?
お手本は横よりも上におく
子どもの書いたひらがなを見ていると、鏡文字になっているものが多いことに気づくかもしれません。実は、6歳頃までの子どもは左右対称のものを同じ形だと認識してしまう傾向があるのだとか。
また子どもは目線を縦方向に走らせることが多いため、左右が逆になることは多くても、上下が逆になることは少ないのでしょう。子どもの鏡文字の多さが気になるときは、お手本を横に置くのではなく、縦に置くようにしてはいかがでしょう?
そうすることで、左右の位置関係へ意識を向けやすくなるかもしれません。
添削しない
子どもがひらがなの練習をしたとき、添削をしてしまっていませんか?上手に書けていないものは目に付きやすいですが、×を付けたり、赤ペンで訂正したりすると、子どものやる気を奪ってしまうことも。
上手に書けなかったものではなく、よく書けているものやミスが少ないものに○をつけてあげる方が、子どものやる気を維持できるでしょう。どういうところが上手にできているのか説明しながら褒めてあげると「次はもっと褒められたい」と頑張れそうですね。
書き順にこだわりすぎない
正しい書き順を教えることは大切ですが、書き順にこだわるあまり、厳しく注意し続けると練習自体が嫌になってしまうかもしれません。大人でも、頑張って練習しているのに注意ばかりされていると、モチベーションを維持するのは難しいですよね。
「正しいやり方」だからと子どもに押し付けるのではなく「こうすればもっと上手に書けるよ」とアドバイスしてあげてはいかがでしょう?横で大きくお手本を書いてあげてもいいですね。
さいごに
子どもに正しいひらがなの書き順を教えるのは、根気が必要になるものです。筆者の娘も、正しい書き順を覚えたと思っていても、いつのまにか違う書き順で書いていることがよくあります。
なかなか書き順が身につかないとイライラしてしまうかもしれませんが「時間がかかるものだから仕方ない」とおおらかに受け止めると、教える側のストレスも軽減されるのではないでしょうか?