ペットを飼う教育上のメリットとは?ペットの効用と確認すべきチェックリスト12
動物を飼う前に確認しよう(12のチェックリスト)
動物を迎える前に、確認しておかなくてはいけないことを挙げてみましょう。
- 住んでいる所は、ペットOKか?
- 飼育に必要なスペースは十分にあるか?
- 食餌を用意する時間や費用は大丈夫か?
- 運動させたり、遊んであげたりする時間や環境はあるか?
- 動物について最低限の知識はあるか?(予防接種など)
- 飼育に必要なものは何かわかるか?(猫トイレなど)
- 注意すべきことは何か?(与えたら危険な食べ物など)
- 寿命はどのくらいなのか、最期まで飼う覚悟はあるか?
- 動物病院は近くにあるか?
- 万が一、留守にする場合の対処は?
- 衛生面や騒音、悪臭、ゴミなど管理意識は高いか?
- 鳴き声や臭いなど、近所の理解はあるか?
動物の飼い主としての責任とは?
先日も、自粛時期に飼い始めたカメなどを川に逃がした(捨てた?)無責任な人が少なからずいることを報道していました。
動物は適切な環境のもとで飼育しなくてはなりません。虐待したり、飼育放棄、遺棄することは、動物愛護法によって罰則の対象になります。
動物愛護法は、動物の愛護と適切な管理を求めることで、社会・他者に危害を及ぼすことも防止しようとする法律で、1973年に制定されました。
その後、何度か改正され、最新の改正は昨年です。今年(令和2年)6月にその施行が開始され、さらに厳しくなりました。
ペット以外にも、動物園などで飼育される展示動物、畜産動物や実験動物なども対象に含まれます。
最後まできちんと面倒を見ること、販売前の子犬と子猫への個体識別用マイクロチップ装着の義務化(2022年施行)が決められました。
また、出生後56日(8週)を経過しない犬や猫の販売等を制限したり、動物虐待に対する厳罰化があります。
最新の罰則規定として、以下のような罰則があります。
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者には、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
虐待や遺棄については、懲役刑の可能性が追加され、100万円以下の罰金又は1年以下の懲役と、厳罰化されました。
詳しく知りたい方は以下のサイトで法律全文をご確認ください。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/nt_r010619_39.html
ペットを飼うことのメリット
ペットには飼い主の感情を察知し、寄り添う心があります。コロナ禍でペットを家庭に迎え入れようとする人が多いのも頷けます。
次に、ペットを飼うことは子どもたちにどのような影響を与えるかについてお伝えしましょう。
心理学の研究では、「ペットとの間に絆ができている子どもは、そうでない子どもよりも、人への思いやりや温かさを持っている」という調査結果が出ています。
イギリスのリバプール大学の研究チームによると、子どもの情緒はペットを飼うことによって安定し、知的能力や社会的なスキルを上昇させる可能性があるといいます。(参考:Companion Animals and Child/Adolescent Development: A Systematic Review of the Evidence)
子どもが幼いころは自己中心的になりがちですが、ペットの世話をすることで他者を思いやる心が芽生えてきます。以下のグラフはペットフード協会が「ペット飼育の効用」として発表したものです。
効用1位:心豊かに育っている (73.5%)
効用2位:生命の大切さをより理解するようになった(66.0%)
効用3位:家族とのコミュニケーションが豊かになった(60.0%)
飼いやすいペットは?
うさぎ、熱帯魚、デグー、ハムスター、セキセイインコなどは、吠えない・鳴かない、臭いが気にならない、比較的狭いスペースでも飼える、安価、人に懐きやすいといえます。
ペットを飼うのに適した子どもの年齢は?
子どもが生まれる前からペットを飼っていた場合は別として、乳幼児期に新しくペットを飼い始めるのは避けたほうがよいでしょう。
特に子犬、子猫の時期から飼い始める場合、授乳をしたり排泄の世話をしたりしなければならないため、かなり手間がかかります。
また、犬を飼う場合は定期的に散歩しなければなりませんので、子どもが一緒に歩けるくらいの年齢にならないと飼育するのは難しいでしょう。
子どもが幼稚園に入る3〜4歳くらいなら、簡単な世話ならできるようになります。親もある程度子どもが手から離れてペットを飼育する余裕が生まれますので、それほど大きな負担にならないと思います。
しかし、ペットを大切にする子どもばかりではありません。もし、何度言い聞かせても子どもが動物をいじめてしまう、大きなケガや命に関わるような暴力をふるってしまうようなときは、残念ですがペットを飼うことは難しいですね。
暴力傾向が強い子どもとペットが一緒に暮らしていると、どうしても標的としてペットが狙われてしまうことが少なからずあり、親の目の届かない所で悲惨ないじめが無いように、早目に対処しておくことが大切です。
さいごに
日々、感染の不安におびえる私たちの生活の中で、ペットとして新たな家族を迎えることは励みになり、安らかな気持ちを与えてくれます。
筆者も子どものころから猫や犬がいつもそばにいる生活をしてきていて、辛い時や悲しい時も、そばにいて慰めてくれています。
現在はコーギー犬とロシアンブルー猫がいます。コーギーは中型犬なので、初心者にはトイプードルなどがおすすめです。トイプードルは甘えん坊で明るくフレンドリーな性格で賢い犬種です。また、抜け毛や体臭も少ないため、アレルギーが出にくいことや、物覚えが良くしつけがしやすいので、小さい子どもがいる家庭でも飼いやすいといえます。
ロシアンブルーは犬のような献身的な性格をしています。飼い主に対しては従順で甘えん坊ですが、繊細で人見知りで、信頼している飼い主と、静かに過ごすのが好きな猫です。
また、ロシアンブルーはボイスレスキャットとも言われ、ほとんど鳴かず、たとえ鳴いても声が小さいためマンションなど音が気になる住宅でも飼いやすい猫です。
以上、ペットを飼う楽しみや重みについてお話してきました。子どもにとってもペットと遊んだり、世話をすることによって思いやりの心を育み、心を豊かにしてくれることには何ら疑問を感じません。
だからこそ、ペットを家族として迎えるに当たって、家族全員とよく話し合って、検討を重ねて決断してほしいと思います。
可愛い、癒されたいという思いから衝動的に、あるいは間違ったタイミングでペットを飼うことは、さまざまな問題を引き起こす可能性がることを肝に銘じておきましょう。
記事でお伝えしたような注意事項や、特に飼う前の知識や病院などサポート体制を確認したうえで、責任を持って飼い始めましょう。