【小学校受験】国立小学校向けの口頭試問対策
口頭試問とは?
口頭試問とは、面接の様に決まった質問に対して答えるということにとどまらずに、各小学校の試験官が子どもに向けて様々な質問を投げかけてくるような試験になります。少し意地悪なようですが、行動観察の最中に別室に呼ばれて口頭試問がいきなり始まるという場面もあります。常に面接よりも高度な受け答えが求められるのは国立小学校ならではであると言っても過言ではありません。
家庭での学習が主になる国立小学校受験対策の中でも、特に口頭試問の準備は大切になります。試験官の感情にもしっかりと訴えられるような受け答えができるように、しっかりと語彙力をつけてコミュニケーション能力を高めて本番に臨みたいところです。
お茶の水女子大付属や学芸大竹早小などの場合には、口頭試問は試験官と1対1で行われます。もしかしたら緊張をしてしまうかもしれませんが、子どもに伝える時には妙にそこを強調せずに、いつも通りに臨むように勇気づけてあげてください。
この口頭試問は、「子どもへの印象」を伝えるうえでは格好の場面です。小さなアピールをするために、自分の考えをしっかり述べられるような語彙力が必要になるので、しっかり話をする練習をとにかくやっておきましょう。
話し方の練習は日々の積み重ねですが、その前に次のことを主に注意をしながら、口頭試問の練習に向き合ってください。
口頭試問では挨拶が大切
口頭試問では、挨拶の重要性を知っておいてください。
自宅学習する際にも、挨拶を重んじて指導をすることが必要です。挨拶を真っ先にきっちりと出来るように、声がけを行ってください。
実は、挨拶ほど簡単で難しいことはありません。
挨拶は「個人の印象を決める第一声」なのです。パパ・ママもそのことを意識して、子どもにしっかりと伝えておきましょう。
どれだけ勉強ができる子どもであっても、相手の目を見てはつらつと挨拶ができなければ印象はよくないですよね?普段から挨拶の大切さは指導しておきましょう。
挨拶ができないと印象が悪くなる
1対1の口頭試問での挨拶はその子どもの雰囲気をすべて表すものです。受験に際しての才能をどれだけ発揮したとしても、挨拶がおぼつかない子どもは試験官を落胆させてしまいます。
第一声で挨拶を十分にできないというのは痛手になります。ある意味、取り返しのつかない場合も多いので、普段の生活の中でも、誰に対しても笑顔でハキハキ挨拶をする訓練を積んでください。挨拶ができないということは個性を発揮する前に印象が悪くなるということですので、もったいないことにならないようにしましょう。
「挨拶」のポイントと練習法
挨拶なんて毎日練習をしなくてもできる!などと軽んじることはやめましょう。むしろ自分に自信をつけて、視線を上げて、堂々と挨拶ができることは本番では案外と難しいことでもあるのです。ここで親はどうあるべきなのでしょうか?
まずは子どもが自信を持てるように1回でも良い挨拶ができればその都度大げさに褒めてあげてください。子どもにとって、「親に褒められること」ほど、自信がつくことはありません。
では素晴らしい挨拶とはどういうことだと思いますか?
- 自分に自信を持って大きな声でハキハキとした挨拶
- 視線を常に試験官の方に向けて明るい表情での挨拶
ここまでの挨拶を完璧に行えるようになるためには、家庭で挨拶の練習をしっかりと行っておきましょう。もちろん生活の中での来客や町で出会う人たちへの挨拶も意識的に交わせるようになれば、かなりの確率で挨拶上手になります。そのためには、次のことをやっておきましょう。
- 毎日挨拶の練習をする
- 1日5分でも良いので家族みんなに挨拶をさせてみる
- 返事は相手の顔を見てはっきりと行う
この練習を続けることで劇的に挨拶がよくなります。この挨拶の練習は、是非受験本番の日まで欠かさず行うようにしてください。意外と挨拶ができずに困ったという子どもが多いのも事実です。
大勢の中で挨拶をする場合
グループに分かれて口頭試問に臨む場合でも、挨拶の時点で埋もれてしまうと絶対に損をします。
逆に言うと、挨拶がきちんとできるタイプの子どもは他に子どもがいる場面でも、個性が際立ちます。国立小学校のように受験数が多い場合には試験官の印象に残ることを考えましょう。
ファーストコンタクトが良い印象の子どもは、試験官に良いチェックを入れてもらえる可能性が高くなります。
口頭試問は発語をしっかりしよう
どれだけ緊張をしている場面でも口をしっかりと開けて話をする姿勢を身に付けてください。
口を開けないと言葉は明瞭には聞こえません。そこをしっかりと演習する必要があるわけです。普段は大きな声ではしゃいでいる子どもでも、口頭試問になってしまうと、大きな声は出ないなのです。
大声と大きな声とは違うということも、子どもには説明をしてあげてください。それを踏まえて口頭試問ではっきりと言葉を話すためのコツは次の二つです。
- 口を大きく開いてはっきりと話す。
- 姿勢をいつもよりも正して胸を少し張った状態で話す。
自宅の玄関に姿鏡を置くように指導をしたことが過去にあります。これは毎日自分がどんな姿勢でどんな表情で過ごしているのか?を自覚するために必要なことなのです。
意外と姿勢が悪かったり、表情がこわばっていたりすると姿鏡は、そのままを映し出します。小学校受験では「自分を知る」ということが実は大事なのです。
口頭試問は単に、聞かれたことを答えるということに留まりません。数の復唱や言葉を逆唱するような内容のものも出題されます。このように、試験内容に取り組んでいるときにも、次の4つの項目を考査されています。
- 正しい姿勢
- 明るい表情
- 大きな声
- 正しい視線
そして常に自分の発語する内容が相手に伝わっているように意識を持つことが大切です。口頭試問で「素敵に話せる」ことが合格への近道です。
それでは素敵に話すためにはどのようにすればよいでしょうか?
口頭試問で素敵に話せるようになるためには?
何か聞かれたことに対して答える場合には大事な約束事があります。
あなたの好きなお花は何ですか?
という質問に対して、
チューリップです
と答えるのも間違いではありません。
さらに言語を磨き上げるという段階にまで上達させるためには、以下のように答える練習をしましょう。
私の好きなお花はチューリップです。
こういった文章で答えられるのが理想です。
国立小学校と言う場所は入学後には、何かと発表事が多いカリキュラムが組まれています。そこで、自分の言葉で明瞭に自分のことを話せるということは、児童全員が持ち合わせている能力だと認識しておいてください。
この話し方こそが、国立小学校向けの「素敵な話し方」の極意なのです。
5W1Hをマスターしよう
自宅でこの話し方をマスターするためには家財道具や文房具、親のスポーツ用品など何でも良いので、一つ例に挙げて子どもにその「モノ」に対して自由に話をしてもらう練習をしましょう。
「○○について知っていることをお話ください」
と言う発問はあった場合には、必ず「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」と言う内容を盛り込むことを忘れないように指導してください。例文の場合にはこのような模範解答が良い印象を与えます。
「掃除機について知っていることをお話してください」
いつ使うか? → 掃除をするときです
誰が使いますか → お母さんがよく使っています・
どこで使いますか? → 家の中の全部のお部屋で使っています・
どんなふうに使っていましたか? → ここでは動作を交えて掃除機をかける雰囲気を出しながら「部屋ホコリやごみを掃除機で吸い込んで部屋をきれいにします。」
「名前を教えてください」
「私の名前は○○です」ハキハキと元気に答えるということに加えて、一分で自分の名前を告げるという方が知的な印象を試験官に与えます。
「今日はここまでどうやって来ましたか?教えてください」
これも塾でも相当量の練習をする質問内容です。できるだけ乗車駅や降車駅まで答えられるように訓練をしましょう。そのためには公共の交通機関に慣れておくこと重要です。
「外で遊ぶ時に何が一番楽しいですか?」
普段通りの遊びをきちんと答えましょう。「ぼくは(わたしは)公園で友達と鬼ごっこをするのが一番楽しいと思います。これが完璧な受け答えです。
「食事をする時に気を付けることがどんなことですか?」
この質問は少し考える必要もありますが10秒以上は沈黙しないようにしてください。
そして普段から親に注意をされている事柄を思い出しつつ答えて行けば良いのです。親から普段、どんなことを言われているのか?自分でも何をどう注意をしようとしているのか?ということを想定しながら答えれば問題ないでしょう。
「ご飯を残さず全部食べることです。」
「肘をつかないようにして食べることです。」
このような答えを聞いている試験官は、そこで親のしつけをうかがっているということになるわけです。口頭試問というのは、本当に奥の深いものなのです。単純なことを聞かれているようでも、実は家庭の中での教育までも見ているような内容の質問が多い場合もあるのです。
口頭試問は、論理的な回答が求められています。一つの事柄をここまでで掘り下げてきっちりと話せるようになるためには、相当量の口頭試問演習を積む必要性を感じます。簡単に身に付くものでもありませんが、日々の練習の成果を本番で出せるように努力を重ねるように親からも声がけをしてください。
行動観察の最中に口頭試問が行われることもある
国立小学校の中には、東京学芸大学世田谷小学校のように、行動観察の途中で口頭試問の順番がまわってくる場合があります。子どもにとっては、急に場面が変わることになります。行動観察中の作業を中断して、口頭試問にモードを切り替える必要性があるわけです。これは子どもの中では難しい切り替えだと考えます。
何をしている最中でも自分の名前を呼ばれて指示をされた場合には、良い返事をして、口頭試問の部屋へ移動することが求められます。
そして、名前ではなくゼッケン番号で呼ばれることにも慣れておいてください。
そのほかの注意点
小学校受験に向き合うときに、性格的にあまりも元気で弾けているタイプの子どもには、ちょっとした声がけをしておく必要があります。外に出てもあまり緊張をしないタイプというのは、物おじをしないという特性は認められますが、破天荒という受け止め方をされるのは、不利にしかなりません。
性格的に明るく朗らかな子どもほど、何でもすぐに反応して相手を笑わせるようなことを言って場を和ませる癖があるものです。
但しこれは一般社会の中での話であって口頭試問や面接には適用できないことを知っておいてください。出来るだけ真面目に真摯な態度を貫いてください。子どもにも「ふざけてはいけない」ことをしっかりと伝えないといけません。
さいごに
国立小学校の口頭試問での受け答えは、幼児であってもできるだけ理路整然としたものであることが望ましいのです。語彙力のある子どもというのは、結果的に利発であり、将来が楽しみな子どもとして受け入れられるのです。そのあたりに対しても真摯に自分の個性として訴えられるように言葉を選んでください。