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ママが笑うと子どももよく笑う?不思議な「赤ちゃんの笑いの発達」

ライター 村田 美子
2020/09/26 01:09
赤ちゃんが笑ってくれると、思わずこちらまで微笑みが浮かびますよね。人間は赤ちゃんの時だけ、チンパンジーなどの霊長類と同じ笑い方をするって、ご存じですか?この記事では、大変興味深い研究結果をご紹介しましょう。そして、よく笑う赤ちゃんのお母さんは、やはりよく笑うことを、ミラーニューロンの視点からアプローチしてみます。

たくさんの種類がある「赤ちゃんの笑い」

赤ちゃんの笑顔

赤ちゃんの微笑には睡眠中に見せる微笑(生理的微笑・新生児微笑・自発的微笑) と、外部刺激への微笑(外発的微笑)があります。


自発的微笑は胎児期から見られ、外発的微笑は、生後1ヶ月頃までは聴覚や触覚刺激への反応として生じます。それ以降は母親などとの社会的交渉において生じる「社会的微笑」が発達すると考えられています。

新生児微笑とは?

新生児微笑は単なる顔の筋肉運動で、赤ちゃんが笑顔に見えることです。楽しいから笑うという心理的感情はまだ備わっていません。


それは、周囲の人に可愛がってもらったり、守ったりしてもらうための本能的なもので、「天使の微笑み」と呼ばれたりもします。


自発的微笑とは?

自発的微笑とは、寝ている時に外からの刺激がなくても、唇の端が笑ったように上がるような現象のことを言います。ただし微笑んで見えるだけであり、その時に赤ちゃんが「喜んでいるのか?」「楽しんでいるのか?」などの情動は分かりません。


2016年、京都大学霊長類研究所が、ニホンザルの赤ちゃんにも自発的微笑が見られるという研究結果を発表しました。

人の自発的微笑は、親の関心を引いて育ててもらうためのものと考えられる一方で、ニホンザルの自発的微笑は、頬の筋肉の発達を促す動きの可能性があると指摘されています。

社会的微笑とは?

個人差はありますが、赤ちゃんは生後3ヶ月頃になると、あやし笑いという社会的微笑をするようになり、声をあげて笑ったりします。


社会的微笑は、赤ちゃんが意図的に微笑んでいるわけではなく、周囲の刺激に対する反応として起こる微笑みで、赤ちゃんの中に社会性が芽生えていることの確かな証です。


こうした発達段階を考えると、ママが赤ちゃんに笑顔で接することが大切であることがわかりますね。


中にはあまり笑わない赤ちゃんもいるかもしれませんが、性格的に元々おとなしい赤ちゃんもいます。


どんな時でも周りの人が笑顔で接することで、赤ちゃん自身も笑顔の大切さや、可愛がってもらえることの喜びを覚えていくので、たくさんの笑顔を赤ちゃんに向けてあげたいですね。

乳児はチンパンジーと同じ笑い方をする?

チンパンジー

2018年11月、「アメリカ音響学会」がカナダで開催され、そこでオランダの研究チームが興味深い研究結果を発表しました。

 

それは、乳児の笑い方はチンパンジーと同じだというのです。オランダのアムステルダム大学の心理学者が、生後3~8ヶ月の乳児44人の笑い声を録音し、吸う息と吐く息の割合を分析しました。


皆さん、まず、声を出して笑ってみてください。息を出しながら笑っているでしょう?上記の研究で、乳児は息を吸ったり吐いたりしながら笑っていることがわかったのです。


赤ちゃんは成長するにつれ、息を吐きながらしか笑わなくなります。息を吸ったり吐

いたりしながらの笑い方は、チンパンジーのような霊長類と似ています。

ミラーニューロン(鏡の神経細胞)って?

ミラーニューロン(鏡の神経細胞)

脳の大脳皮質の前頭葉に「ミラーニューロン」という場所があります。ミラーニューロンは、1996年、イタリアのパルマ大学の神経生物学者、ジャコモ・リゾラッティらが、脳の研究でサルの頭に電極をつけて実験していた時に、偶然発見されたそうです。


研究者がえさをつかむのを見ていたサルの脳が、サル自身がえさをつかんだ時と同じ反応を示しました。


相手が何かをするのを見ていれば、自分の脳でも活発化するということから、「鏡のような神経細胞」と呼ばれます。


ミラーニューロンは脳の下前頭皮質と下頭頂皮質の両方に存在することが、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)による脳イメージング研究によってわかっていますが、カイザースは、この鏡のようなシステムが音にも反応することを発見しました。


例えば、サルが紙を引き裂くときに反応するミラーニューロンは、人が紙を引き裂くのを見たり、その音を聞いたりする時にも反応します。


アイトラッキング装置によっても、ミラーニューロンの処理を間接的に計測することが出来るそうです。


他の人の手が動いているのを見る時、人はその手がつかもうとする対象へと目線が向いています。それと同様に、他の人の行動を観察するとき、人の目線は他人の行動を予測しながら動いています。 


アイトラッキング装置を用いた乳児の研究データでは、ミラーニューロンシステムは生後12ヶ月までに発達することが分かりました。


特定の脳領域は自分の快、不快、痛みなどに反応し、かつ他者の情動を観察する時にも活動するので、ミラーニューロンは共感とも関連付けられています。


カイザースらが、自己評価質問表における共感の値が高い人ほど手の動きに対するミラーニューロンシステムと情動に対するミラーニューロンの活動が高いことを示し、ミラーニューロンシステムが共感と関連付けられると発表しました。


赤ちゃんがよく笑うようになるには、笑っているママと関係がある?と考えたくなってきましたね。


成長の過程で発声が変わるという研究結果は大変興味深いですね。霊長類の動物の中で、息を吐きながら笑うのは人間だけだそうです。


この実験を行った心理学者は、その理由のひとつとして、「ヒトの赤ちゃんは話すことを覚えながら、発声をコントロールするスキルも発達していくため、その結果なのではないか」と考えています。


人間が笑う理由は、年齢とともに変化していきます。たとえば、赤ちゃんは、くすぐられたときなど、身体を使った遊びを通して笑いが起こりますが、大人になると、それだけでなく、人間同士の会話の中でも笑いが生まれます。


研究チームでは、そんな笑いの原因と笑い方の関連性の有無について、現在調査を行っているそうです。

さいごに

周りの人が、赤ちゃんの顔の近くで口を尖らせたり舌を出したりする表情を見せると、赤ちゃんが真似しようとする仕草のことを新生児模倣といいます。


Longitudinal study of external stimuli produced social smiling for infant (乳児の社会的微笑を引き起こす外部刺激の縦断的研究)” によると、笑顔、声かけ、抱っこの中で、笑顔を見せることに赤ちゃんは一番反応したという研究結果を発表しています。


赤ちゃんの心を育むために、ママはできる限り笑顔で赤ちゃんに接してあげたいですね。そして、赤ちゃんの成長段階が、新生児微笑から社会的微笑に変わったら、積極的にコミュニケーションを取りましょう。


そうはいっても、育児中のママは、微笑んでばかりもおれない状況でしょうが、ママが穏やかな気持ちで育児に当たることが大切であることを、この記事ではお伝えしました。是非、参考にしてください。

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