読みっぱなしじゃもったいない!絵本の効果を倍にする5つの方法

絵本に出てきた出来事を実体験する
知識は経験と結びつくと、定着率が高くなります。
そのため、絵本に出てきた出来事を、普段の生活の中で実際に体験することはとても効果的。
たとえば、食べ物や料理が出てくる話の場合は、
- 「作る」
- 「食べる」
- 「実物を見る」
- 「触る」
- 「においをかぐ」
- 「育てる」
虫が出てくる話であれば、
- 「公園に虫を探しに行く」
- 「触る」
- 「観察する」
- 「飼う」
などです。
もちろん、子供が嫌がる様子を見せたり、親が頑張らなければできないような内容であれば、無理をする必要はありません。
また、絵本に出てきた話の全てを体験することが難しければ、一部でもいいですし、全く同じでなくても疑似体験でもいいのです。
あくまでも、普段の生活の中でできる範囲で、絵本の出来事に実際に触れる機会を持つということです。
(実体験は小学校受験の季節の問題対策にも効果的です。)
「ぐりとぐら」という有名な絵本を例に考えてみましょう。
2匹のネズミが散歩の途中に大きな卵を見つけ、カステラを作って森の動物たちと一緒に食べるという内容です。
実際に散歩の途中に卵を見つけることはまず不可能ですし、森の動物たちと一緒に食べるというのも難しいですよね。
そこで、生活の中で実体験できそうなことを考えます。
「カステラを作って友達と食べる」
「かごを持って散歩に出かけ、木の実を拾い集め、お料理ごっこをする」
などが実現できそうです。
普段の生活の中から、実現できる範囲で、絵本との接点を探していきましょう。
絵本の内容に関連する場所に出かける
もし、普段の生活の中で実体験することが難しい内容であれば、週末や時間のあるときに、絵本に関連した場所に遠出してみましょう。
電車が出てくる絵本であれば
- 「電車に乗る」
- 「電車を見に行く」
- 「電車の博物館に行く」
動物が出てくる絵本であれば
- 「動物園や水族館に行く」
- 「ふれあい動物園でえさやり体験をする」
- 「牧場に行く」
などです。
自然がテーマの絵本であれば、海や山に出かけて本物の自然に触れるのもいいですね。
具体的な本で考えてみましょう。
「大きなかぶ」という絵本はご存知な方も多いと思います。
おじいさんが育てたかぶがとても大きくなって、家族総出で引っこ抜くというユニークなお話ですね。
「かぶを食べる」「かぶを触る」なら、普段の生活で実現できそうですが、実際に畑のかぶを抜くのは難しいかもしれません。
そこでおすすめなのが、実際に収穫ができる場所に出かけることです。
自宅の近くに畑があり、知り合いにお願いできるのならそれでもいいですし、都会であれば、大きな公園や施設で収穫体験を実施しているところがあります。
かぶが難しければ、白菜でもキャベツでも大根でもOK。実際に実った野菜を収穫するという体験だけで、大きな意味があります。
絵本の内容に関連する動画を見る
さらに実際に出かけることも難しい場合は、関連する動画を見ることも1つの方法です。
テレビ番組や映画だけではなく、キーワードを入れて検索すれば、YouTubeや各サイトの動画などでも、見たい内容の動画をピンポイントで見つけることができます。
たとえば、恐竜は博物館に行っても骨格標本がメインで、動き回る姿を見ることはできません。
また、外国や宇宙が舞台になっている絵本の場合、実際にその場所に行くことは現実的には難しい場合がほとんど。
そんな時こそ、動画を活用しましょう。
我が家の例を紹介します。
筆者の5歳の息子は、恐竜が登場する本を読んだことがきっかけで恐竜が好きになりました。図鑑でも迫力がありますが、やっぱり動き回る姿を見せてあげたいなと思い、いくつか動画を選んで一緒に視聴しています。
具体的には、ドラえもんなどの恐竜が登場する子供向けアニメ、恐竜が主役の子供向けフルCG外国映画、化石発掘の現場から恐竜世界を再現したテレビのドキュメンタリー番組などです。
最後のドキュメンタリー番組は、一般向けで難しい内容も含まれていますが、集中して静かに見ています。
ただ、子供の年齢によっては長い時間視聴すると、悪影響を及ぼす恐れがあります。1回あたりの視聴時間を制限し、長い動画の場合はいったん途中で区切るなど、ルールを守って視聴しましょう。
関連する絵本を読む
ある絵本に興味を持ったら、その内容に関連した他の絵本をどんどん読んでいきましょう。
そうすることで、芋づる式に興味の線が伸びていき、どこかで子供が深くはまるものにヒットする可能性も高くなりますし、関連知識の幅が増えていきます。
関連する絵本はどうやって探せばいいの?
ある絵本の内容に関連した別の絵本の探し方には、大きく分けて3つの切り口があります。
- 「登場人物」
- 「ストーリー」
- 「作者」
です。
「100かいだてのいえ」という大人気の絵本を例にあげて、考えてみましょう。
トチくんという男の子が招待されて100かいだての家を訪れると、10階ごとに違う動物が住んでいて、階段を上るごとにいろんな動物に出会うというストーリーです。
この絵本に関連した絵本を探してみましょう。
まず「登場人物」に注目すると、動物がたくさん登場するので「動物が出てくる絵本」、人物ではありませんが家に注目すると「家に関連した絵本」。
次に「ストーリー」から探すと「同じシリーズの絵本」、「家に友達を招待したりされたりする話の絵本」などが考えられます。
そして最後に「作者」という切り口。この本の作者、いわいとしおさんの作品に「ゆびさきちゃん」という絵本があります。主人公の動きを指でたどりながら、話が進んでいくのですが、もしこの本を子供が気に入れば、同じように指先をあててストーリーを追っていく「コんガらガっち」という絵本も好きになる可能性が高いです。
このように、絵本同士の共通点から、関連する絵本を探し、子供の興味を広げていくことができます。
絵本と関連付ける“声かけ”をする

ここまで、実体験や動画、関連する絵本などを利用して興味を広げていきましょうと伝えてきましたが、いずれの場合にも大切なことがあります。それは、絵本との接点を意識させる声かけです。
具体的には、
「絵本に出てきた通りだね」
「絵本とはこの部分が違うね」
「こっちの絵本ではこうなっているよ」
など、絵本の内容と、その時に体験している出来事の共通点や違いを、子供に意識させるような声かけです。
そうすることで、絵本と体験が子供の中で結びつき、「絵本の中ではどうなっていたっけ?」「どう違ったかな?」と絵本の内容を思い出そうとします。
そして、また再び絵本を読んだ時に、今度は体験を思い出します。このように絵本と体験を繰り返し頭の中でリンクさせることで、知識が定着していきます。
まとめ
絵本は興味の出発点。読むだけではただの点ですが、働きかけによっては、その点からどんどん線を伸ばして、網の目のように興味を広げていくことができる、無限の可能性を秘めている点です。
もちろん、子供に関することなので、伸ばそうと働きかけても反応が悪いこともありますし、全く予想もしていなかった方向に伸びてくこともあります。大らかな気持ちで、絵本から伸びた線がどこにどうつながっていくのか、子供と一緒に楽しみながら、探してみて下さいね。
