【年齢別】発達段階に合った子どもの褒め方・叱り方
子どもへの接し方の基本は愛情をもつこと
子どもを褒めたり、叱ったりする上で1番大切なのは親が「愛情」を持って接するということです。
ボウルビイという学者が「愛着の形成」について唱えています。(以下の論文に詳しく記述があります。)
http://repo.beppu-u.ac.jp/modules/xoonips/download.php/gk01905.pdf?file_id=9031
愛着の形成は、出生後2〜3年に渡って続きます。
お子さんの心が成長していく上で、1番基本となるのが「愛着」です。
しっかりと形成していく必要がありますよね。
子育てをするときに、多くの親はテクニックにこだわりがちです。
「どうやって褒めればいいか・叱ればいいか」などのやり方を追求します。
もちろんやり方も大切なことです。
しかし、親が愛情を持っていない状態だと子どもには響かないことが多いでしょう。
子どもは想像以上に、親が愛情をもっていないことをよく見抜いているからです。
また、愛情不足になると夜泣きやおねしょなどが多くなります。
嘘をつくようにもなってしまいます。
そうすると、結果的に叱ることが多くなってしまいますので、子どもはさらに愛情不足を感じるようになるでしょう。
悪循環ですよね。
まずは子どもにしっかりと愛情を持って接することで、初めて子育ての効果は出てきます。
「愛着の形成」をしっかりと意識しつつ、子どものとの関係づくりを行っていきましょう。
お子さんのことをしっかりと考えていれば、親の気持ちは間違いなく伝わることと思います。
【年齢別】発達段階に合った褒め方
一言で「褒める」と言っても、さまざまですよね。
子どもの性格によっても変わってくるので、一概には言えないところでもあります。
今回はエリクソンという学者が提唱している発達段階を踏まえつつ、どんな褒め方がよいのかについて書いていきたいと思います。
0〜1歳
この時期の子どもは、まだ言葉を話す事ができません。
したがって、親が言葉を使って褒めるというのはまだ難しいです。
大切なのは、「親が子どものしたことに対してしっかりと反応する」ということです。
子どもは、親の感情をとても敏感に感じ取ります。
言葉は通じなくても、親が「褒める気持ち」を持っているだけで子どもには伝わっています。
ですので、子どもがした事についてしっかりと反応をしていきましょう。
日々の子育てを通して、「寝返りができた」「ハイハイができた」「喃語をしゃべった」などお子さんの中に小さな変化がでてくると思います。
こういった変化に対して、お子さんに感情が伝わるよう大げさな反応をするのは大切です。
子どもは親の反応を見ながら、自分の行動が良かったかどうかの判断をすることが多いからです。
1歳〜3歳
この時期は、発達段階的には「自律性」がでてくる頃です。
服を自分で着替えたり、食事を自分で取ったりするなど今まで1人ではできなかったことにも挑戦しようとする姿が見られるでしょう。
大切なのは、挑戦した結果がどうであれしっかりと褒めてあげることです。
子どもが何かに挑戦する姿勢を親から褒めてもらうことで、自律性を成長させていきます。
たとえば、食事や排泄などを子どもが自力でするようになれば、最初のうちは失敗することも多いと思います。
親の手もかかりますし、ついつい怒鳴ってしまいたくなりますよね。
とはいえ、過度に怒りすぎてしまうと子どもは自分から何かをしようとする気が起きなくなってしまいます。
自律性もなかなか成長しなくなってしまいます。
まずは、できる限り子どもがやったことを褒めるようにしていきたいですね。
3〜5歳
この時期は、エリクソンの発達段階でいうところの「幼児後期」にあたります。
このくらいの年齢になると、幼稚園や保育園に行き出す子供も多くなります。
発達段階の「幼児後期」では、自発性が芽生えてきます。
自分から友達に話しかけたり、遊んだりする姿も見られるようになるでしょう。
今までは、親と一緒にいることが多かったはずです。
しかし、徐々に親といる時間も短くなってくるでしょう。
親の見ていないところでの子どもの様子を褒めることも必要になります。
子どもにとって、自分の行動が正しいのかの判断はまだ難しいです。
しかし、親から褒めてもらうことで正しかったという確信をもつことができます。
場合によっては、親が見ていないところでの子どもの様子を誰かに聞く必要も出てくるかもしれません。
【年齢別】発達段階に合った叱り方
次に、叱り方についてです。
叱り方はとても重要です。
誤った叱り方をしてしまうと、子どもの自己肯定感を下げてしまうことにつながるのでよくないからです。
発達段階に合わせて、子どもに効果的な叱り方をしていきましょう。
1〜3歳
前項の褒め方のところで書いたように、1〜3歳にかけて子どもは「自律性」が生まれます。
そのため、自分からさまざまなことに取り組むようになります。
子どもがいろんな事に取り組む中で、「いけないこと」に対して親が叱るのは大事なことです。
やってはいけないことを、しっかりと叱られた方が子供も納得するからです。
しかし、親が子どもを叱りすぎてしまうのも効果的ではありません。
大事なのは、親ができるだけ叱らなくてもいいように前もって対策をしておくことです。
たとえば、「子どもに触ってほしくない物は手の届かないところに置く。」などの配慮をすることです。
「触ってはいけない!」と親が叱る回数を減らせますよね。
親があらかじめ配慮できることはやっておくのが理想です。
また、3歳ごろになると言葉も理解できるようになってきます。
この時期には意味が分かっているので、親が強く伝える必要もなくなってきます。
言葉が理解できるようになれば、あらかじめルールを決めておくことで叱る回数を減らしていくことができます。
4〜6歳
この時期になってくると、子どもの言語能力は格段に上がってきます。
そのため、叱る時には必ず理由をセットで伝えるようにしましょう。
叱られた理由がわからないと、子どもにとってストレスになります。
納得いかず、問題行動が増えてしまうことが可能性もあります。
例をとると、お友達に悪口を言ってしまうことがあったとしましょう。
そんな時は、「自分が言われたらどんな気持ちがする?」などと子どもに考えさせると良いと思います。
理由が分かることで、子どもも納得するからです。
また、強く叱るだけでなくユーモアを混ぜながら伝えるのも効果的です。
たとえば、子どもが自分のおもちゃである「ぬいぐるみ」を投げていたとします。
そんな時、親がぬいぐるみに対して「痛かったね〜。〇〇(子どもの名前)のこと嫌いになっちゃったよね〜」などと返すことで子どもはぬいぐるみを大切に扱うようになるかもしれません。
4〜6歳では、言語能力が上がったことを生かして、変化のある叱り方をすることで子どもにとってプラスになります。
さいごに
いかがだったでしょうか?
発達段階で褒め方や叱り方を工夫していくことで、子育てに大きな効果を生むことができますね。
子どものことをよく見て愛情を伝えることは、子ども自身の安心にもつながります。
子育ては大変なことも多いと思いますが、今回の記事を参考にしつつ楽しみながら実践していただければありがたいと思います。