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アインシュタインの両親から学ぶ!2~7歳の教育で大切な3つのポイント

oriori編集部
2020/07/29 00:07
「遊び」「芸術」「スポーツ」「人間関係」など、多彩で豊かな経験は、その後の幼児の発達に大きく影響をします。脳の発達において、最初の重要な時期は2歳前後に始まり、7歳前後で終わります。この時期は、子どもたちにとって「教育の基盤を築く」上での絶好の機会なのです。今回は、この時期の育て方の大切なポイントをお伝えします。

アインシュタインは子どものころ言語の発達が遅かった

ドイツ生まれの理論物理学者であるアルベルト・アインシュタインは、それまでの世界観をくつがえす相対性理論を提唱した天才科学者で、「20世紀最高の物理学者」とも言われています。そんなアインシュタインは、実は5歳ごろまであまり言葉を発して他人と会話することはありませんでした。アインシュタインの両親は、彼の言語の発達が遅れていることを非常に心配し、お医者さんに相談するほどでした。 アインシュタインの伝記の中でも以下のような記述があります。
アルバートは、いつも一人で遊ぶ、内気な子供でした。しゃべるのも苦手で、ちゃんと話せるようになったのは、5歳になってからでした
少し発達が遅れているのではないかと心配されていたんだ。4歳になってもおしゃべりができないし、9歳になっても、適切な言葉を使って文章をつくることができなかったからね
この子は、5歳になるのに、口のきき方が変だわ。そういえばしゃべり始めたのも、他の子より遅かったかな。…6歳になって、小学校に入ったアルベルトですが、言葉がなめらかにしゃべれないためか、友だちもあまりできません。学校はアルベルトにとってはつらい場所でした
それではアインシュタインはどのようにして、将来偉大な功績を生むような人物に育ったのでしょうか?そのきっかけは両親にあります。

アインシュタインの父と母の功績

アインシュタインが5歳の時、両親から受け取った2つの贈り物があります。一つは羅針盤(コンパス)で、もう一つがヴァイオリンです。 羅針盤は、彼が5歳のころ病気にかかり一日中ベッドにいた際、父からもらっています。アインシュタインは、彼が唯一書いた自伝である「自伝ノート」に、その時のことを以下のように書いています。
この思考世界の展開はある意味では”驚き“からのつづけさまの飛翔である。4歳か5歳のときに父から羅針盤を見せてもらった際、私はそのような性質の驚きを経験した
アインシュタインの人生において、初めて彼の好奇心に火をつけたのは羅針盤でした。その後まもなく、アインシュタインは、有名なピアニストであった母からヴァイオリンを贈られました。この二つの「贈り物」と「渡したタイミング」がアインシュタインの父と母の一つの大きな功績と言えるでしょう。 子どもの脳には、「臨界期」「感受性期」と呼ばれる脳の成長にとって大切な時期があります。臨界期に、脳に適切な刺激を与え、それを脳が記憶をしておけば、その後ちょっと練習をするだけで、簡単に同じ事が出来るようになると言われています。
臨界期とは、神経回路網の可塑性が一過的に高まる生後の限られた時期であり、生涯にわたる学習とは一線を画する。脳の神経回路は、生後の体験・経験により成長する。特に、視覚や聴覚などの感覚の機能や、母国語の習得に関わる神経回路は、臨界期の経験によって集中的に形成される。近年の遺伝子改変マウスを用いた研究から、臨界期のメカニズムが少しずつ明らかになってきている。視覚(眼優位性)モデルにおいては、大脳皮質の抑制性介在ニューロンの発達が臨界期の可塑性の制御に重要であることが示唆されている。
この「臨界期」は最初2歳頃~7歳ごろに迎え、次に思春期あたりに2回目を迎えると言われています。この時期が始まると、脳細胞(ニューロン)間の結合(シナプス)の数が2倍になります。この脳細胞間のつながりが“学習”において非常に大切な要素であるため、シナプスの数が2倍になることで、脳は他の時期よりも早く学習することができるようになります。 例えば言語が非常に分かりやすいですね。言語学者のMark Patkowskiの実験によると、15歳以下の子どもに言語を学習させた場合と、それ以上の年齢に同一条件で言語学習させた場合の言語習得状況と比べると、「15歳以下」の方が、圧倒的に覚えがよかったそうです。 そのような実験からも分かるように、臨界期の子どもの経験は、子どもの発達において永続的に影響を与えると言われています。つまり、この時期は、子どもたちの「総合的な教育の基礎を築く絶好の機会」となります。 この重要な時期を過ごす際に3つの大切なポイントがあります。 ①学ぶことを愛する心を育む ②知識の深さではなく「広さ」を大切にする ③EQ/EIを育む それではこの3つのポイントを解説していきます。

①学ぶことを愛する心を育む

まずは、「学ぶこと自体が好きになる」という考え方を育みましょう。ママ・パパが子どもに伴走するとどうしても結果に注目してしまいます。「点数が悪かった」「ピアノが上手く弾けない」「野球で負けてしまった」などママ・パパの感情を揺さぶる出来事は必ず起きます。そこで結果ではなく、プロセスに注目してください。その時のママ・パパの子どもに対する接し方によって、子どもは「新しいことに挑戦する喜び」や「新しいことを学ぶことの楽しさ」を感じることができます。そもそも失敗や間違えは歓迎するべきことなのです。何かを学ぶとき、新しいことに挑戦するときに「失敗」というものは必ずついてきます。その失敗に注目させるのではなく、「何かにチャレンジしたこと」自体に注目するように、ママ・パパは接してあげましょう。 そしてこの時期は、「才能や能力は生まれ持ったものではなく、努力によって発達するものである」という考えを育む時期でもあります。「頭がいいね」「賢いね」「ピアノうまいね」などといった褒め方をしてしまうと実は逆効果なのです。 パーソナリティや社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学教授のキャロル・S・ドゥエック氏の研究によると、「頭の良さを褒めたグループ」と「プロセスを褒めたグループ」の成績推移を見たときに、「プロセスを褒めたグループ」の方が良い結果を残したということです。「努力」を褒められた子どもは、学習意欲が高まり、新しいことに挑戦をし、結果を残しやすいということですね。

②学習の深さではなく「幅広さ」を大切にしましょう

先ほど「結果を重視しない」ことの大切さをお伝えしましたが、ママ・パパにとってはなかなか難しいと思います。その時に有効なことが「学習の深さ」ではなく「学習の幅広さ」に焦点を当てることです。臨界期を迎えている子どもによって、幅広いことに触れさせるということは、その後様々な分野のスキルを身につけるための基礎ができあがるということです。音楽、スポーツ、算数、読書、美術、科学、英語など様々なことに触れさせましょう。 アメリカの科学ジャーナリストであるデイビッド・エプスタイン氏(David Epstein)は著書『Range』の中で、“経験の幅広さ”が過小評価されることが多いと言っています。そして「世の中から求められている人は、複数の分野の知識を身につけ、創造的かつ抽象的に考える方法を身につけた人たち、つまり“豊かでバランスの取れた人”である」と主張しています。 特に2歳から7歳までの子どもたちにとっては、幅広さ・豊かさが大切です。この時期に幅広く学習機会を与えると、脳の基礎が発達し、さまざまなスキルを身につける準備ができるようになります。エプスタイン氏が言うところの「サンプリング期間」です。「学習の深さ」は、後になってからでも十分なので、この時期には「学習の幅広さ」に焦点を当てましょう。

③EQ(感情知能)を大切にしましょう

「子どもに算数の基礎を身に付けてほしい」「たくさん字が書けて読めるようになってほしい」ということは誰もが思うことです。しかしながら「感情知能」つまり「EQ/EI」を無視してはいけません。 EQは「Emotional Intelligence Quotient」の略で、日本では「こころの知能指数」といわれています。海外ではEIと表現されることが多いです。1989年に米国イェール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士によって、初めて論文で発表された理論で、1997年に以下のように再定義されました。 ・自分の感情を認識して理解する能力 ・自分の感情を表現、調整、管理する能力 ・自分の行動を内発的に動機付けすることができる能力 ・他者の感情を認識して理解する能力 ・他人の情動に働きかけ集団を目標に導いていく能力 カリフォルニア大学医学部の精神医学臨床教授であるダニエル・J・シーゲルと児童青年心理療法士であるティナ・ペイン・ブライソンが書いた「The Whole‑Brain Child」では、子どものころに「共感性」を育むことはとても大切であると説いています。共感性は、自分の感情を認識し、自分の感情にラベルを付けるところから始まります。「いまはどういう気持ちなの?」「悲しいの?」「怒っているの?」「嬉しいの?」「楽しいの?」という形で自分の感情と向き合うことをサポートしましょう。そして次に「なぜそのような感情が生まれたのか?」を伝えられるようにサポートしてあげましょう。感情が生まれたのにも理由があり物語・背景があります。それらを線で結び付けることを、ママ・パパは助けてあげてください。それらができるようになれば、次の段階として、子どもたちがお友達などの他人の気持ちを考えるように促す質問をすることができます。 また、人のことを想える子どもになってもらうために良い方法があります。それは、「大人がやるお仕事」の中で「人のためにやること」に子どもを参加させることです。例えば料理です。家族が食べるための料理を一緒にやることで、人の気持ちを考えるきっかけになります。例えば掃除もそうです。家族がリラックスして過ごすことができるように掃除を子どもに手伝ってもらうことで、子どもたちが親切で思いやりのある子どもに育っていきます。

さいごに

研究によると、臨界期を越してしまうと、一部のスキルは習得することが難しくなることが示唆されています。たとえば、調査によると、臨界期の子どもは言語を習得するのに最適であり、第二言語を母国語と同じレベルに習得することができます。ただし、子供が8歳に達すると、言語学習能力が低下し、母国語と同様に第二言語を習得することが難しくなります。そして音楽でもそうです。音階などの音楽的能力を学ぶときにも同様の傾向が見られます。 先ほど例に挙げたアインシュタインの両親は、彼が将来ノーベル賞を取る物理に関するレッスンを幼少期に受けさせることはしませんでした。その代わりに、エンジニアである父親は、好奇心に火をつけるプレゼントを渡したり、父親の仕事のお手伝いをさせたりしました。アインシュタインの母親は、アインシュタインが音楽好きだったので、ヴァイオリンのレッスンに入れることをしました。アインシュタインの両親は、アインシュタインが子どものころに経験するべき様々な体験をさせたと言えるでしょう。
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