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多胎育児とは?双子のママたちへのサポートやふたごマナーをご紹介

ライター 村田 美子
2020/07/28 23:07
双子や三つ子を育てているママ・パパたちの悲鳴が届き、改善の道を見つけました。2020年から厚労省が支援事業を開始し、サポーターが自宅まで派遣されることになったのです。
この記事では、多胎児を抱えるママ・パパたちの苦労や支援状況をお伝えします。 そして、私たちが多胎児を育てているママやパパに接するときの「ふたごマナー」もご紹介します。

多胎育児とは?

多胎育児とは、双子や、三つ子、いわゆる多胎児の乳幼児期の育児のことを指します。多胎児(たたいじ)とは、双子や三つ子など一度の出産で生まれた複数の子どものことです。
毎年、およそ100人に1人が、双子や三つ子などの多胎児を出産しています。子育ては大変で、新生児期の授乳回数は1日8回~12回、単純計算しただけでも双子の場合は2倍の16回、三つ子では3倍の24回にもなります。
大変なのは授乳だけではありません。入浴、おむつ替え、寝かしつけ、外出など、もし母親が独りでこなさなければならないとしたら、壮絶な状況であることは容易に想像できます。
読者の皆さんは、2018年、愛知県で生後11カ月の三つ子の次男を暴行死させたとして傷害致死罪に問われた母親のことを、報道で知っているでしょう。母親は夜も満足に眠れなかったと言います。
下のグラフをご覧ください。
多胎児家庭に実施したアンケート調査
多胎児家庭に実施したアンケート調査
子育て支援のNPO法人、フローレンスが多胎児家庭に実施したアンケート調査によると、育児の悩みは「外出・移動が困難」との回答が89.1%で最多でした。
次に、「大変さが周囲に理解されない」が49.4%で、希望する支援は「家事育児の人手」が68%もありました。

多胎育児のサポート実現までの歩み

これまでも、「ファミリー・サポート・センター事業」が全国各地で展開されているのですが、これはサポート役の家まで、自分で子どもたちを連れて行くことが原則となっています。
しかし、複数の子どもを乗せる大型ベビーカーがバスで乗車拒否されたり、駅のエレベーターに乗せられるスペースがなかったりする場合などが頻繁にありました。
多胎育児の問題を改善できたのは、フローレンスというNPOの努力が大変大きいので、ご紹介します。
フローレンスは、母親のワンオペ育児問題や、こどもの虐待死問題解決に取り組む認定NPO法人です。
フローレンスで赤ちゃん縁組事業部に所属する市倉加寿代さんが、「多胎育児のサポートを考える会」を立ち上げ、多胎家庭の声を国や自治体に届けるためのアンケートを実施しました。
アンケートは、開始1日で200件を突破するほどの反響だったと言います。2019年秋、フローレンスはアンケート調査結果を厚生労働省に提示して、多胎育児の現状と必要なサポートを広く国や自治体に訴えていきました。

多胎児育児のサポート体制始まる!

多胎児育児の困難状況を知った厚生労働省は2020年度から、双子など多胎児がいる家庭に対する支援事業を始める決定をしました。
多胎児家庭に特化した支援策は国内で初めてで、多胎児を育てる家庭に「多胎妊産婦サポーター」を派遣し、おむつ替えや家事を助けたり外出に同行したりしてもらいます。
サポーターは育児経験のある人が研修を受けます。他にも、同じ立場で、同じ悩みを抱えるママやパパの交流会などを開きます。
そのため、厚労省は20年度予算に産前産後の継続的な支援策として約240億円を計上し、その一部を多胎児支援に充てる決定をしました。支援策を展開する自治体に対し人件費と設備費を2分の1ずつ補助することを決めました。

東京都のベビーシッター補助制度

東京都は2018年から、子どもが保育所に入れなかったママやパパを対象に、都の研修を受けたシッターの利用料を補助する制度を設けています。
これを2020年4月からは在宅で子育てをしている家庭にも拡大し、主に多胎児や多子世帯の子育て支援します。
シッターが料理や洗濯などの家事を手伝ったり、ママやパパが気分転換に外出する間に子どもの世話をしたり、子どもを連れての外出に同行したりしてサポートをします。
産後の家事・育児支援、相談事業に加え、子どもの健診時などのタクシー代補助や、ベビーシッター利用補助などを始めました。
ベビーシッターは、3歳になるまで1人当たり月16時間の利用料金を1時間2500円まで補助されます。

ベビーカーでの乗車方法

多胎児を連れて外出するとき、公共交通機関は利用可能なのでしょうか?東京都交通局が都営バスにベビーカーで利用するときの乗車方法を示しています。都営バスでは、ベビーカーを補助ベルトで固定することで、ベビーカーに赤ちゃんを乗せたまま乗ることができます。
ベビーカーを後ろ向きに止め、車輪にストッパーをかけて、ベビーカーのシートベルトを着用し、補助ベルトでベビーカーを固定します。ただし、赤ちゃんを乗せたままの利用は、同時に2台までです。
2人乗りや大型のベビーカーで折りたたむことができない場合など、車内の通路をふさいだり、車内で転回できないベビーカーの時は、乗車をできない場合があります。

さいごに

100人に1人の母親が双子や三つ子などの多胎児を出産している今、育児の負担も2倍3倍で壮絶です。
自分が味わった苦悩を繰り返さないために、多胎維持育児を経験した人たちが繋がり始め、多胎児のいる家庭を地域でサポートする活動も日本各地で生まれています。
たとえば、岐阜で活動するNPO法人「ぎふ多胎ネット」は、子どもの成長段階に合わせ、無料で利用できる様々な支援策を講じています。現在、76人が活動しています。
多胎児を連れたママやパパが、ベビーカーでバスにも乗れない現実は、今後の大きな課題です。ヨーロッパのように、公共の空間に子どもがいるのが当たり前で、「子どもは社会で育てる」という認識が必要です。
しかし、実際、SNS上では、多胎児育児の苦しさや、バスや電車への要望を訴える声に対し、批判する書き込みも多くあります。「産んだのだから」という責任論が母親に対して言われたりもしています。
「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代さんは次のように話しています。
困っている声が政府に届いて、とてもうれしい。外出や移動が困難なことで追い詰められてしまうケースが多いので、バスに乗れるようになることは小さな一歩ですが、重要な一歩だと思います。真剣に受け止めてくれたことに感謝しています。
日常的に私たちができる支援として、多胎児を育てているママやパパが大変な時に「何か手伝うことはないですか?」という言葉をかけてあげたいですね。
読者の皆さんは「ふたごマナー」をご存じですか?多胎児のママやパパに対して、ぶしつけな質問や、比べる表現は避けましょう。
NGの一例をあげておきます。
・どっちがお兄ちゃん・お姉ちゃんなの?
・どっちが先に歩きはじめた?
・どっちが好き?
・不妊治療したの?
・双子は二倍大変なんでしょう?
・私には絶対無理!
・いっぺんに育つからラクね!
多胎児を連れて外出していると、道ですれ違った、初対面の人から唐突に「不妊治療したの?」と聞かれることも少なくないといいます。
初めて会った人に、このような個人的でセンシティブな事は尋ねないのが当然のマナーですね。
そして、多胎児に他の兄弟姉妹がいるときは、多胎児だけに関心を示すことは止めましょう。当たり前のことですが、つい、かわいくて多胎児に関心を示してしまいがちです。
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