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小学校の先生はなぜ忙しい?小学校の「校務分掌」の種類と仕事内容

ライター 村田 美子
2020/07/30 20:07
子どもが小学校入学後に「校務分掌」という言葉をお聞きになられる方もいらっしゃると思いますが、どんなことをするかご存じですか?学校の先生方が、学年を超えて学校を運営するために必要な仕事を分担して行うことが「校務分掌」です。先生は授業だけをしているわけではなく、学校の運営にもたずさわっているのですね。この記事では、「校務分掌」の種類と仕事内容をご紹介しましょう。

校務分掌とは?

校務分掌(こうむぶんしょう)とは、学校を運営していく上でやらなければいけない業務の分担のことです。学校は組織として動いているので、授業以外にもさまざまな仕事があります。学校で行われる授業以外の仕事を「校務」といい、校務は分担し、みんなで協力して行います。校務分掌を大きく分けると「学校運営」と「教科」の校務分掌に分けることができます。
生徒の生活に対する指導や進路の相談、時間割の作成、学校行事の企画・運営、保護者団体や同窓会など外部団体との交渉・調整など、多岐にわたる業務を、それぞれ担当する校務分掌組織・校務担当者が中心となって業務を行います。

校務分掌の種類と仕事内容

管理職以外の教員は、担任や担任外の仕事をしながら校務分掌の仕事もします。つまり、学校運営をみんなで分担する感じですね。
呼び方は学校や自治体・地域によって変わってきますが、ほとんどの学校が以下のような校務で運営されています。
先ほどもお伝えしましたが、校務分掌を大きく分けると学校運営と、教科の校務分掌に分けることができます。まず、学校運営の校務分掌の具体的な仕事内容を紹介します。

① 教務

学校全体の時間割、年間スケジュールなどの作成を担当し、教育課程(カリキュラム)を検討し、成績評価に関する処理をするなど、学校運営に欠かせない非常に重要な仕事をします。
具体的には、授業時数の計算や授業時数の調整、体育館や音楽室、理科室などの特別教室の使用割り当て作成と調整、学校評価の作成、教育実習の受け入れ企画、学校要覧や名簿など学校で保管する個人情報の作成、教材備品の選定、使用教科書の調査や諸手続き、入学者、転入学者の手続き事務、授業公開の企画・運営、校内研修や都道府県別の研修の調整・推進、
人権同和教育に関する計画、ICT(情報教育)に関する計画、PTA活動に関する業務、PTAとの連絡・調整、ホームページや学校だよりなどの学校広報活動の企画・運営、学校の活動の記録写真整理などです。

② 学力向上

児童生徒の学力向上のために、研修や研究授業を行います。「研究」と呼ばれることもあります。
具体的には、研究授業の企画・運営、学校の研究テーマに合わせた学習活動の提案、都道府県ごとの研究テーマに対する実践報告書の作成などです。
(日本の公立学校はどの学校でも同じようなカリキュラムと教科書で学習が行われていますが、都道府県や学校ごとに研究テーマが決まっています。)
校内研究は、学校によってやっていることは違い、教科を限定している学校もあれば、「学び合い」とか「関わり」とか漠然としたテーマを決めて研究している学校もあるようです。
具体的には、ICTを活用した教育や外国語教育に力を入れている学校もあります。テーマは違っても、研究授業の企画や実践報告をすることは共通しています。

③ 生活指導

児童生徒がマナーやルールを守れるように呼びかけたり、児童生徒の生活全般に関わる生活指導を行う分掌が「生活指導」です。
具体的には、放課後指導・休日指導・長期休暇指導、児童相談所との連携、通学指導、児童生徒の生活実態調査、学校生活調査、遺失物の管理・処理、いじめや不登校への関わりなどです。
学校の先生方は、すべての先生が子どもたちを見守るので、校務分掌で生活指導担当以外の先生は生徒指導をしないという意味では決してありません。
実態を調査して客観的に分かるようにしたり、外部との連携の懸け橋になるのが生活指導の主な仕事内容です。

④ 健康教育

体育や給食などに関わる分掌が「健康教育」です。「健康教育」には「体育」「給食」「保健」「環境整備」という4つの要素があります。
具体的には、運動会やスポーツテスト、マラソン大会など体育行事の企画・運営、体育設備の管理・整備、給食指導計画の作成、食に関する指導計画、給食室の管理・運営、学校保健計画の企画・運営、健康診断の計画・運営、就学時検診の計画・運営、性教育の計画・運営
薬物教育の計画・運営、校内外環境の整備計画、清掃用具の管理・整備、清掃場所の割り振り作成、遠足の企画・運営などです。一般的に、栄養教諭や養護教諭も健康教育のメンバーに入ります。
次に、教科の分掌をご説明します。国語、算数、理科、社会、図工、体育、特別活動など、全ての教科の分掌があります。
たとえば、体育では、体育の年間計画、備品管理、プール清掃・管理、運動会に関する仕事をします。
「特別活動」が何なのか分かりにくいと思いますので、少し説明しますね。特別活動は、「1年生を迎える会」から「6年生を送る会」まで、大きな行事に関わります。その他、「全校遠足」「縦割り活動」「集会」などに関する仕事があります。

忙しすぎる学校の先生

学校を運営するために必要な仕事を、先生たちで割り振って一緒に学校を作っていこうという制度が校務分掌であるということが分かっていただけましたか?
こうしてみると、先生方は一人何役もの数の担当をこなさなければならないのですね。おそらく、読者の皆さんは先生方が忙しいことに驚いたのではないでしょうか。
この校務分掌制度は全ての学校で行われていて、全ての先生は校務分掌の仕事を必ず受け持つことになります。
コロナ禍で園や学校が休校になり、「先生方は毎日何をしているのだろう?」と思った読者も多いことでしょうが、記事でご説明したように、先生方の仕事は、授業だけではなく、大変忙しいのが現状です。
ちなみに、中学校になると「進路指導」「部活指導」「生徒会」などがあります。小学校では進路指導や部活動指導はなく、生徒会(児童会)は委員会活動として扱われるため、校務分掌にはなりません。
自治体、地域、学校の規模などによって校務分掌の数や種類は様々ですので、一つの参考にしてくださいね。
「先生は忙しすぎる」という教員の多忙の本質がみえてきましたが、今、まさに、校務分掌の在り方を見直すことが求められているとも言えます。

さいごに

文部科学省が全国の教職員に向けて2020年4月末に出したメッセージを引用します。
臨時休業等になったことにより、子供たち、保護者、地域の方々にとって、社会のセーフティーネットとしての役割をも果たしている学校という存在の持つ役割や意義の大きさ、教職員の日頃の取組の重要性が改めて浮き彫りになったと認識しています。特に、子供たちの学びの保障や、心のケアを含む心身の健康保持については、格差の拡大を防ぐという観点を含め、学校への期待は大きいものがあります。 このため学校においては、感染防止に配慮しつつ、電子メール、ホームページ 等の ICT や電話、郵便等のあらゆる手段を活用して、できる限り子供たちや 保護者とつながることを意識していただくようお願いします。
また、特別な配慮を必要とする子供を含めた全ての子供たちの状況について把握等をする際 には、平常時のルールや考え、対応に固執することなく、学校現場における創意工夫をこらして、学校や家庭の ICT 機器の活用や家庭と地域の連携を含む様々な対応を行っていただくようお願いします。
更に、感染者等に対する偏見や差別の防止、学校再開後を見据えた授業の質や量の確保のための指導計画の見直しや、学校再開後も含む継続的な心のケアもお願いします。
引用:
文部科学省「全国の学校教育関係者のみなさんへ 」
中央教育審議会 初等中等教育分科会 新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会
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