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カナダの幼児教育事情!カナダの保育料は州によって9倍の差

ライター 村田 美子
2021/07/18 09:07
カナダでは地方自治が進んでいるため、13の州・準州によって教育制度をはじめ、法律や制度が異なっています。そのため、保育料をはじめ、義務教育の開始年齢や、カリキュラムなどがずいぶん違います。この記事では保育料に9倍近い差があるケベック州とオンタリオ州やブリティシュコロンビア州の保育事情をご紹介しましょう。同じ国でありながら、カリキュラムや保育料に差があるなど日本では考えられないことですね。あらためて、日本の保育事情、教育事情の良さを再認識するチャンスです。

州ごとのカナダの教育制度

基本的には5~6歳が、KindergartenまたはPrimaryと呼ばれ、どちらも独立した幼稚園ではなく、小学校内に併設されている幼稚園クラスです。
そしてG1~G6までが小学校、G7~G9が中学校、G10~G12が高校にあたります。日本と同じ6-3-3年制を取っている州がほとんどです。
州によっては、小学校の呼び方も違っていて、エレメンタリー(Elementary)またはプライマリー(Primary)と呼ばれ、小中高の学年の区切りも違っています。
多くの州で6歳から義務教育が始まるのに対し、ノバスコシア、ニューブランスウィック、プリンスエドワード、ニューファンドランドでは5歳の幼稚園からの就学前教育からを義務教育としています。
5歳児を対象に、初等学校に併設された幼稚園課程(kindergarten1年間)を提供している州が多いです。

カナダの就学前プログラム

どの州も就学前の幼稚園プログラムは、園児達に G1年生からの学習環境に入るための準備させることを目的として作られています。幼稚園では、子どもたちの社会的、精神的、身体的、知的な発達を促すために、遊びをもとにした活動を行っています。
幼稚園は通常半日のプログラムですが、教育委員会のなかには経費削減策として、隔日の終日プログラムへ移行したところがあるようです。
また、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州の教育委員会は、4歳児と 5歳児を 2年間の就学前プログラムへ集約しました。
アルバータ州には地方と州のプログラムを連携させた幼児教育事業 (ECS)が1974年からありますが、アルバータ州の 4歳半の子どものおよそ 98%が公立か私立の ECSセンターに参加しています。
幼稚園への入園資格は州によって異なります。ニュー ファンドランド、ニューブランスウィック、オンタリオ、マニトバ、サスカチュワン、ブリティッシ ュ コロンビアの各州および、ユーコン準州とノースウエスト準州では、12月 31 日までに 5歳になった子どもを受け入れ、ノバスコシア州とケベック州では、10月 1 日を区切りの日とし、アルバータ州では 9月 1日までに 5歳になっていなければ ならないとしています。(複雑!!!)

モントリオールがあるケベック州の保育事情

フランス語圏であるカナダ東部のケベック州では、1990年代後半より、保育事業を家族政策の一環として位置づけ、子育て支援に力を入れています。

認可保育園

この特徴の一つは、安い保育料です。親の就労状況にかかわらず、認可保育園の利用料は一律、一日7カナダドル(約540円)の定額制です。
保育者一人に対する子どもの数の上限は、0~17ヶ月児5人、18ヶ月~3歳児8人、3~5歳児10人、また、5歳以上(学校内ケア)の場合は20人と決まっています。
このような認可保育サービスの定額制は、カナダ国内でケベック州だけが採用している制度です。

民間保育所(Garderie)

営利または非営利団体によって運営され、0~5歳児を対象としている全日制の保育園です。
教会や学生団体などが運営する非営利の全日制保育園は、州から運営費補助を得ることも可能であり、希望者は定額制で利用できます。

家庭的保育(Service de gardeen milieu familial)

家庭的保育(英語ではfamily child care)は、個人の家庭で最高6人まで預かる認可サービス事業で、定額制が適用されます。

トロントがあるオンタリオ州の保育事情

オンタリオ州では2014年に全小学校に4・5歳児の全日制幼児教育課程を整備しました。12月31日までに4歳になる子どもは、その年の9月からJunior Kindergartenに無料で通えます。
しかし、Preschool、Kindergarte、 Daycareは大変高額で、週5日の保育費は月額800~1000ドル(6~7.6万円)かかります。午前中だけのプログラムでも月額500ドル位(4万円弱)は必要です。
このように幼稚園の費用が高額なため、フルタイムの幼稚園に通っている子どもは少なく、2.3万円程度の費用ですむ週3日間、午前中のみのプログラムなどに通っている子どもがほとんどのようです。
現在、オンタリオ州では5歳児に対しては半日(2時間半)の幼稚園プログラムを提供することが義務づけられており、4歳児向けの保育園プログラムの提供は任意とされています。

バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州の保育事情

ブリティシュコロンビア州で育つ0歳~5歳の子どもたちが多く利用しているのは、ストロングスタートプログラムです。それは遊びを基本としたプログラムで、「幼少期の子どもの学びは遊びを通してうまれる」という考えに基づいています。
参加は保護者同伴でなければならないのですが、毎日、地域の小学校において幼児教育の免許をもった保育士がプログラムを無料で提供してくれます。
また、5歳になると小学校に併設の幼稚園(キンダーガーテン)に入園することができます。義務教育ではありませんが、無料です。
また、働く親の子どもたちはデイケアや個人が自宅で行っているグループケア、またはベビーシッター、プリスクールなどを利用します。
費用はデイケアにフルタイム(午前9時から午後5時まで)で子どもを預けると、月に平均1,000カナダドル(7.6万円)かかり、オンタリオ州同様、大変高額です。
改善策として、州政府は2018年から$10/day(1日10ドル)のチャイルドケアを提供するパイロット施策を実施しています。

さいご

以前から東西の端だけが発展していると言われるカナダでは、東のケベック州やトロント州、西端のブリティシュコロンビア州の教育が充実しています。
しかし、カナダ全体でも、早期幼児教育の重要さの認識は年々高まっているようです。少し複雑だったので、最後に、カナダ全体の保育事情をまとめてみましょう。
ほとんどの州でG1( 1年生 通常6歳)までは、就学の義務はないものの5歳児に対する 幼稚園プログラムを提供しています。(プリンスエドワードアイランド州を除く)
近年、幼稚園は州の公教育制度において重要な部分を占めるようになり、ほとんどの州で就学率は 90%を超えています。
例えば、サスカチュワン州では、一部の学校で3歳から幼稚園プログラムを提供していたり、ニューブランスウィック州では5歳の入園前に読み書きが出来ることを推奨していて、入園前の子どもたちを対象に、Kinder Start Programを8回にわたり無料で提供しています。
福祉国家と呼ばれるカナダですが、ケベック州を除いて、幼児教育費が高額なのに驚きます。世界には保育料が高額な国は他にもありますが、同じ国で差があるのは、国民として納得いかないでしょう。州をまたいで引っ越しをした場合など、どうなるのかと心配です。
なお、保育料が無料となるのは、カナダ国民や永住権保持者の子どもだけが対象となります。改めて、日本の幼児教育無償化は子育て中の親にとっては有難い制度であることを再認識しますね。
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