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ドイツの教育をご紹介!10歳で人生が決まる?厳しいドイツの教育システム

ライター 村田 美子
2021/06/14 03:06
ドイツでは小学校1年生から落第があるって知っていますか?さらに、小学校4年生で、将来の進路(大学進学か、すぐ職業につくか)決めなくてはならないんです。厳しいですよね。この記事では、ドイツの教育システムについてお伝えします。気になる就学前教育についてもご紹介しましょう。

ドイツの教育システム

日本の教育制度は小学校が6年、中学校が3年、そして高校が3年というのが一般的ですが、ドイツには概念上、中学校がありません。小学校5年生以降は中高一貫型の学校に通い、9年間の義務教育を修了します。
つまり、Grundschule(グルントシューレ 基礎学校)と呼ばれる日本の小学校のような学校に4年通った後、5年生から以下のような学校に子どもたちが振り分けられます。

Hauptschule(ハウプトシューレ):基幹学校

基幹学校は5~6年制の学校で、卒業した後は手工業や肉体労働などに従事する人が多く、マイスター資格を取ったり、企業で職業訓練を受けたりして10代半ばから社会に出て働きます。工場労働者や建設関係、職人などの多くがこの学校の出身です。

Realschule(レアルシューレ):実科学校

実科学校は6年制の学校で、16歳で卒業します。日本で言うと商業高校や工業高校のイメージです。卒業後は職業訓練を受けた後に、警察官などの公務員や一般的な事務職に就く人が多いです。

Gymnasium(ギムナジウム):大学進学準備学校

大学進学準備学校は8年または9年制の学校で、18歳または19歳で卒業となります。日本では進学校に当たります。修了時にアビトゥーアという高校卒業試験を受け、合格することで大学進学の権利が得られます。大学入試はありません。
ギムナジウムは大学進学を目指す学校ですが、アビトゥーア取得後、大学へ進学せず職業訓練を受けて社会に出て行く人もいるようです。
専門職(教授、医者、弁護士など)や、ホワイトカラーの職種に就く人の多くはギムナジウムの出身です。
このように、ドイツの義務教育は日本と同じく6~7才からの9年間、18才まで就学するのが基本ですが,連邦国家のドイツでは、教育システムが州によって若干異なります。
秋(通常は9月)に新学年が始まります。私立の学校もありますが多くなく、ほとんどは無料の公立学校に通います。
また、ドイツでは小学校の入学時を1年生、高校卒業時は12年生というように、何年生と呼ぶことが多いのもドイツの特徴です。それは、落第や飛び級が多いので、年齢を聞いても何年生かははっきりしないことや、小学校入学の年齢も1~2年の幅があるからです。
年に14週間、学校の休暇がありますが、夏休みは混雑を防ぐために、ドイツの北のほうは6月下旬から、南部は8月からという風に開始時期に差があります。
ドイツの学校は、日本のように出席日数が足りていれば進級できるというのではなく、その学年の学習が理解できていないと判断された場合は、小学1年生からでも留年します。
6歳の段階でドイツ語が十分にできない子どものために、ドイツ語の補習クラスがあったり、小学校に入学する年齢の子どもたちにはドイツ語の授業についていけるかどうか、簡単なドイツ語テストが行われます。
ドイツ語が十分でない場合は,一年間ドイツ語の補習授業があり、外国人でも幼稚園や保育園に3年間通う子どもたちは小学校に入学できるレベルのドイツ語を習得できるよう補習をしてくれます。
親の希望で早めに就学する子もいれば、家庭の事情で少し遅れて入学する子もいる、といったゆるいところが、日本とは違いますね。

ドイツ独特の「徒弟制度」とは?

ドイツ独特の徒弟制度についてご説明しましょう。徒弟制度とはデュアルシステム(二つのシステム)の一部です。ドイツには342の職能団体(Ausbildungsberufe)があり、医師助手、銀行家、眼鏡技師、配管工、オーブン技師などがあります。
このような技能職に就くためには、この徒弟制度を経ないわけにはいきません。ドイツでは学術を中心とした教育と、それぞれの職種にふさわしい職業訓練教育があり、目指す職業の職場に入って週に数日は先輩の職人や親方について学び、残りは学校で座学を中心とした教育を受けるようになっています。仕事の現場と学校で交互に学ぶシステムがデュアル・システムと呼ばれるものです。
訓練生として職業学校と企業の両方で教育を受けている期間、訓練生には訓練生手当が支給され社会保障制度にも加入できます。
デュアル・システムは、日本でも2004年から、文部科学省と厚生労働省が連携して実施する『日本版デュアル・システム』がスタートしました。ニートやフリーターが1990年以降増えたための対策です。

ドイツの就学前教育

義務教育前の教育施設としては、日本と同じように幼稚園(Kiga)と保育園(Kita)があります。多くの子どもたちは小学校入学前に3年間、幼稚園や保育園に通っています。
3歳以下の子どもが行く保育施設にはKitaやKigaの他に、教会などが小規模に保育をする託児所や、個人が自宅などで子どもを見る保育ママがあります。
公立保育園(Kingertagesstätte)は最年少で6ヶ月から受け入れてもらえますが、一般的には1歳~1歳半ぐらいから通い始めます。公立保育園はなかなかの狭き門で、早くから申し込みをしなくてはなりません。
同じ保育園でも、半日保育や全日保育があったり、好きな曜日だけ通ったり、昼ご飯は家に帰って食べ、午後にまた連れて行ったりとかなり幅があります。保育時間は朝7時~17時までです。
近年、ドイツの保育園でも保育費を無償化する自治体も増えてきていますが、収入に応じて保育費が変わるところも多く、確定申告で一部税金が還付されるようです

さいごに

私たちになじみ深い「キンダーガーテン」という語はドイツ語で、「ドイツの庭」という意味です。幼稚園の創始者、フレーベル(教育思想家)の造語だそうです。
この記事ではドイツの教育システムについてご紹介しましたが、いかがでしたか?日本の教育システムと違う点も多かったですね。夏休みの開始時期が地域によって違ったり、小学校から落第があったり、特に徒弟制度や小学校4年生で将来を決めることなど、厳しい面もありました。
ドイツも近年、移民などの外国人の数が一気に増えています。そのような移民の子どもの多くは、ドイツ語が不自由なため、小学校4年までの基礎学校の後、ハウプトシューレ(基幹学校)に進む子どもが多いようです。そのため、基幹学校は外国人や教育水準の低い家庭の子どもが行く学校というイメージができてしまいました。
ドイツ人もできれば自分の子どもを大学まで行かせたいと考える親が増え、全体的に高学歴志向が高まっているようです。
とはいえ、小学校4年の段階では低学力や低意欲の子どもたちもいるので、なかなか厳しいものがあります。
記事でお伝えしたように、10歳の時に一度進む学校を決めたら進路の変更はなかなか難しいので、その時点でその子の将来が決まってしまうのは酷であると言えます。筆者は経験上、大器晩成型の子どもを多く見てきましたから、余計そう思うのかもしれません。
このように、orioriでは各国の教育システムをシリーズで順次ご紹介していますが、どの国も特徴があって、興味深いですね。
参考:ドイツの教育制度の長所と短所 https://derkatze.com/germany/schulsystem/
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