子どもの数が減ったとは言え、受験関連塾や早期教育の教室の数は年々増えています。そして塾側の受験戦法の過熱ぶりも、相変わらずの状況です。お受験はいつの時代も親たちの狂騒状態です。これは、どの親も願うところは子どもを志望校に入れたいという単純な思いからです。まだまだ、特別感のある一大行事だということは確かなようです。ここで、大事なことを見落とさないようにしてください。子どもの精神状態は常に一定でしょうか？

小学校受験の真っ只中にいると親の方も冷静さを欠いてしまいがちです。そこには志望校合格に向けての、ただならぬ熱量が高まっていることが大きな理由です。それでも、子どもは自分の許容範囲を超えてしまい心密かに病んでいる場合もあるのです。

普段は元気な子どもであってもお受験熱が過激すぎることで心を病んでしまうと何の意味もありません。そのあたりを冷静に見ることが絶対に必要です。人の話や情報に振り回されるタイプの人は自分を冷静に保つことが難しい場合があります。

お受験塾には独特な雰囲気があります。主に平日の日中に子どもへの熱の入った意識高い系の親御さんが一同に集うわけです。良くある話ですが、お互いに通い始めた頃には、多少の遠慮もあったはずです。それが、本番が近づくにつれて普段の勉強量や模擬テストのランクなどの話になると、互いにけん制し合うのが人間の持つ本性のようなものです。この時点で、母親はかなり過敏になってしまう傾向があるのです。そこは自分でも自制できれば良いのですが、お受験のことになると夢中になってしまうのはどの親も同じです。そこを平常心で過ごすということ自体が困難なのも、どなたも同じです。

母親は自らも情報を集めて、小学校受験への熱量をどんどん増していくのです。あまりにも偏った情報を信じ小学校受験戦争の中に自分から飛び込んで行くような環境を招かないようにしてください。それは子どものためにもなりません。まずは自分たちがこれまで積み上げてきた子育て感や教育方針をしっかりと持ち続けることが大事なのです。

小学校受験が過熱してその中に巻き込まれるとことのないように、歯止めになる存在が必要です。それが本来は、父親の役割なのです。母親ばかりがお受験に対してオーバーヒートをしているようなときには、父親がそっと手を差し出して、少しの休息を与えるような家庭が本当の意味で理想的です。そのような家庭に育つ子どもは温和で融通の利くタイプの子どもです。小学校受験をうまく乗り切るためには、まず子どものことを家族全体で考えるという役割分担を常に考え得るようにしてください。

どんな将来をお子さんに進ませたいか？両親の間でも意見を出し合って必ず意見を一つに合わせておくことは当たり前のことです。いわゆる家庭での教育方針がしっかりしていれば、何の問題もありません。結果的に、周りの情報に自分の気持ちを揺るがされることが一番の元凶なのです。あまりにも母親一人に重い役割を担わせるのは、問題があります。お受験は家族全員で乗り越えることが理想的です。そこをどうかよく話し合って、受験本番に挑める様に努力をしてください。