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幼稚園受験に必要な準備とは?進め方や心構え、親と子どもそれぞれに必要なこと

P.K(元小学校受験塾講師)
2020/08/15 07:08
子どもが生まれて成長していくと、だんだん話題に上がってくるのが「幼稚園受験」です。もしママ・パパが幼稚園受験を経験していたとしても、ほとんどの方が、記憶にあまりないのではないかと思います。今回、幼稚園受験で必要な準備について、心構えや進め方などをご紹介した上で、親・子どもがそれぞれ何をしていくべきかをご紹介します。

幼稚園受験はなぜする?

そもそも、日本では「保育園」や「幼稚園」、「子ども園」などがありますが、幼稚園は、「教育施設」となっています。日本では、幼稚園は文部科学省の管轄で、「学校」の一種となっています。大学・大学院までの教育の中の一環として、幼稚園は組み込まれています。「子ども園」という業態は、そのような幼稚園の機能と、“保育”を目的としている保育園の機能を併せ持ったものです。
ママ・パパが自分の子どもを幼稚園へ行かせる目的として多い観点が「教育」です。
実際に幼稚園受験をしたママさんのコメントをご紹介します。
幼稚園受験をした理由は「教育環境」です。やはり子どもが長く過ごす環境はなるべくよいものにしたいですし、健全な教育を受けてもらいたいです。私自身都内の某私立幼稚園からエスカレーターで高校まで上がっていますが、自分の過去を振り返っても、教育環境の良さというものを痛感しています。カリキュラムもそうですが、何より学友や保護者といった「人」の環境という意味でも非常によかったと感じています。

幼稚園受験って何をするの?

有名な幼稚園としては、「白百合学園幼稚園」や「暁星幼稚園」、「田園調布雙葉小学校附属幼稚園」や「聖徳幼稚園」があげられます。他にもスポーツ教育を行っている「バティスポーツ幼児園」などユニークな教育方針を持つ園もあります。それら有名幼稚園はやはり、受験者数も多く、入園は狭き門となっています。
受験のないような幼稚園でも簡単なアンケートとして、「お子さまの状態」や「なぜ入園を希望するか?」などのことは聞かれますが、私立幼稚園や国立幼稚園の受験では、面接という形式で、それらに加えて「ご家庭の教育方針」や「子どもの性格」、「さらに深掘った志望動機」などを聞かれます。ママ・パパに聞かれる質問とは別に、子どもに対しての受け答えがあることもあります。子どもに対しては「お名前は?」「何歳?」「今日の朝ご飯は誰と食べた?」「好きな遊びは何?」といったことを聞かれることが多いようです。
さらに、面接に加えて、「考査」と呼ばれるテストも園によっては存在します。例えば、体操教室のレッスンのように、実際にマット運動が行われたり、先生のお手本をまねたりする模倣体操があったり、子どもたちを自由に遊ばせて「お友達の中で大きなトラブルなく遊ぶことができるか?」「どんな行動をするのか?」などを見る行動観察があったりします。
そのようなことが行われる幼稚園受験ではどのような準備をしておいた方がよいのでしょうか?

幼稚園受験準備(心構え編)

幼稚園受験では個人の知能指数を点数化するようなテストを課せるわけではありません。むしろ、現状の子どもの様子を把握するための受験と考えた方が無難です。小学校受験に向き合う4,5歳の時期の子どものような受験準備などは、2,3歳の子どもには無理なことが多いからです。

言葉が少し遅くてもそれが評価につながらない

たとえば片言で喋り始めたばかりの子どももいます。幼稚園受験ではその遅れに対して厳しい配点を課すようなことはありません。むしろ幼稚園受験は知能指数を推し測ろうとしているのではないわけです。一番大切にしたいのは、その子どもが精神面で年齢相応の発達をしているか?ということです。
多少、言葉が遅い子どもでも他のお友達と仲良くできる才覚の方が大切と考えるのです。つまり、幼稚園受験で必要なのは年齢相当の所作ができることです。言葉の発達については年齢的なものであり、次第に言葉数も増えて行くものと判断されることが多いのです。
早生まれ、遅生まれというだけで成長具合にハンディが出てしまうのが、未就園児の特徴です。これを、親からのプレッシャーで余計に助長しないようにするほかありません。子供と一緒に幼児教室に通いながら家庭でも支援をしていくことがセオリーです。「あれもこれもやらなければ!」「あれもこれもできるようにならなければ!」ということを考えないようにしてください。
短期間のうちに「できることを一つでも増やそう」と、厳しいしつけをするのは本当に逆効果です。それよりも今出来ていることを崩さないように見守る方が、親の役割として絶対的に必要です。

弱点に敏感になるのではなく親ができることをしよう

同じような月齢でも、何でも自分で進んで出来るような子どももいます。これは家庭の教育とその子が元々持ち合わせているものの違いです。あまりにも差をつけられたような気持ちになって、幼児教室などでは、親の方のメンタルが弱ってしまう場合もあるのです。確かに伸び悩んでいる自分の子どもの能力が足りないせいでは?と思い悩むほどです。それだけ自分の子どもの短所や弱い部分には敏感に反応をしてしまうものなのです。
このような心の葛藤は誰にでも訪れるものです。そんなときには、こどもとひきこもるのではなく、社会性を精一杯発達させるように努力をすればよいのです。地域の行事に親子で参加することや親子サークルに参加して、活動の場を親子で広げることが、そんな悩みを吹き飛ばすきっかけになるのです。他人と比べるのは否めない心情です。
それでも、幼稚園受験の場合には月齢差や発達の差は大きいので、あらかじめ心構えとして持っておいてください。

大切なのは「元気」「やる気」

赤ちゃん時代を過ぎてまだまだ、乳幼児と呼ばれる時期に幼稚園受験の準備が必要になります。あまりにも、幼く成長段階でまだまだ不備な部分が多いと感じたときには、無理に幼稚園受験を進めることはありません。子供の許容量を超えた部分にまで力を費やす必要性もないのです。
それよりも、元気に日々の生活を過ごすことが幼稚園受験には必要になります。
「元気」「やる気」この2つがあれば幼稚園受験に対応できるようになります。
面接などで、簡単な質問を受けても元気に答えられるだけでも、その子の資質が面接官に伝わるのです。幼稚園受験に必要なのは、未就園児ならではの天然の明るさと前向きな態度です。

幼稚園受験準備の進め方

幼稚園受験の準備はどの程度、必要なのかが今一つわかりにくいという親の声があります。確かに、基本的な家庭習慣やしつけ面で子どもをフォローできたとしても、実際に面接などがある幼稚園対策には、なかなか、家庭の中だけでうまく対応が出来ない場合もあるのです。そんな場合の方法を考えてみました。

幼児教室の体験授業を受けてみよう

まずは楽しみながら通えるような幼児教室の体験授業を受けてみるのはどうでしょうか?年齢的に2,3歳の子供ですので、幼稚園受験をするからと言って、それほど気張らなくても大丈夫です。未就園児が選ぶ塾というのは、次のようなことが肝心になります。
・幼稚園受験に実績があるかどうか?
・幼児教室の教育方針
・講師陣の熟練度
塾に通うことで、幼稚園受験のノウハウやポイントなどの情報が把握できるようになります。関係者からの聴き取りや志望する幼稚園の見どころ点などを、伝えてもらえるようになります。情報収集という意味でも、家庭でだけ幼稚園受験の準備をするよりも、塾に通う方がより早く、正確な情報を見聞きできるようになります。
そして、志望する幼稚園によっては細かな面接が実施される場合も多々あります。それを経験することで、面接の流れを把握することができ、家庭内でも模擬面接の練習を子供と一緒に繰り返すことができます。
そのような経験をすることによって、もしも受験に失敗しても、得られた素地をもとに、また準備をして小学校受験が狙えることができます。そのような、中期的な視野を持って臨むと少し心が落ち着きませんか?

幼児教室は自立心や意欲を刺激してくれるところがおすすめ

それでは実際に幼児教室を選ぶときには、どのような教室がよいのでしょうか?結論からいうと、母子分離で不安を感じている子供を優しく、励ましながら包み込む姿勢がみられるような幼児教室がおすすめです。できるだけ子供が持ち合わせている自立心や意欲を掻きたててくれるような幼児教室だと、子ども自身が自己肯定感を持ち、怖がらずに幼児教室へ向かうことができます。
そもそも、不安を感じている子供に対して、知識のインプットをすること自体がなかなか厳しい問題なのです。まずは、子どもの心が安定するような環境を選んであげることが大切です。
そして、家庭内でも、まずは親と離れて過ごせるような訓練が必要です。そもそも、幼稚園受は知識の詰め込みだけでは上手くいかないものです。未就園児の場合には「意欲」を大事にしてあげてください。基本的に1年前から準備を始める家庭が多いようです。幼児教室に通うという習慣の中で、親子のつながりがより密接になります。これを分離不安に、繋がらないように心得ておいてください。

幼稚園受験準備(ママ・パパ編)

幼稚園受験では、子どももそうですが、親の準備が何よりも大切です。それではどのような準備をするべきかをご紹介します。

なぜ幼稚園受験をするのか?を明確に。

親として「子どもが受験をしてまで通わせたい」と思う幼稚園の魅力をどのように感じていますか?何が受験の決め手になりましたか?まずはこの2点を言えるようにしましょう。迷わずスラスラと言えるということは、その幼稚園のことを、ずいぶんと理解できている証拠です。逆に迷いながら言葉を選んでいるようでは、準備不足であるということなので、まずはその部分をクリアにしましょう。

志望する幼稚園の特色を把握しておく

各幼稚園には特色のある教育を実施しています。語学教育や運動教育、情操教育などその幼稚園によって、重きを置く部分は違います。それでも親として幼稚園が主催する説明会に参加をして説明を見聞きすることで、幼稚園の方針が
把握できるようになります。
ここから、本格的に幼稚園受験の準備を開始してください。まずは自分の子どもに合う幼稚園を探し、受験の必要性がある場合いは、考査の準備を始めて
おいてください。考査と言っても未就園児にペーパーテストをさせる幼稚園は
ほとんどありません。

幼稚園受験準備(子ども編)

幼稚園受験では「生活習慣」というものが非常に大切です。それでは幼稚園受験に必要な生活習慣とは何でしょうか?

お友達との関わり

幼稚園受験で行動観察がある場合には、お友達との関わり方などをチェックされます。お友達の気持ちを考えずに喧嘩をしてしまう子どもや、周りの子に全く興味がなく、輪の中に入れない子どもはかなり不利にはなってしまいます。
そこは社会性を持った反応ができることが幸いするのです。挨拶ができて、簡単なコミュニケーション、簡単なお片付けができることが大事です。そして相手を傷つけるようなことを言わない、しないという道徳面は、幼い頃から言い聞かせて学ばせましょう。
幼稚園考査では熟練した面接官、試験官が見分けるのです。そしてなによりも
心も安定感というものがどうなのか?という部分も重要視されます。心が安定している子どもというのは、本当に誰からも愛されます。これはすべてにおいて親の接し方が影響するのです。何がどれだけできるか?ということを考査するのはないのです。

挨拶・常識・所作

幼稚園受験に必要なのは、毎日の暮らしの中で親と一緒に培いつつある当たり前の常識や基本的な所作です。挨拶ができることや、常識・節度を持ってお友達と接することが大事なのです。高度なことを教えるよりも、普段の生活を大切にしてください。心が優しく安定している子どもは、親から認められていることで心を充足させるものです。
例えば、何かを言われた時に返事は「はい」と言う習慣をつけてください。いわゆるお返事が出来る子どもであってほしいのです。これは基礎的なことであり、「はい」という元気な返事ほど心証の良いものがありません。やはり幼稚園受験では基本的な生活習慣が問われています。
これは行動観察や面接が行われる幼稚園で役に立つことです。
・お話を聞くときには話している人の目を見る
・人が話している時は勝手なおしゃべりをしない
・呼ばれたら返事をする
まずはこのような基本的な部分を押さえるようにしてください。
まだまだ年齢月齢も低いので何かを覚えさせることや、習慣づけることが困難な時期です。だからこそ、繰り返し同じことを家庭の中で訓練をすることに意味があるのです。ただし、あまりにも子どもの許容範囲を超えた訓練や練習は、かなり子どもにストレスを与えてしまいます。そのような過度なストレスを防ぐために、まずは簡単な目標を設定しましょう。
例えば「自分でご飯を食べられる」という目標はどうでしょうか?そのことだけでも、子どもにとっては大きな達成感を得ることができるのです。着替えができること、一人で遊べることなども家庭の中で培える生活習慣です。何でも手を貸すことで、子どもは依頼心が強くなってしまうため、なるべく手伝うことはせずに子どもの力に任せ、親は見守るようにしましょう。
もちろん、まだまだ何でも一人でこなせない年齢ですし、見守るというのは親としても胆力を求められます。ママ・パパにとってはあれもこれもできるようになってほしいですしね。ただし、あれもこれも、と考えてしまうと親の方が幼稚園受験に対して神経質になりすぎます。まずは当たり前の生活習慣を親子でしっかりと押さえて、明るい気持ちで幼稚園受験に臨むようなスタンスを大切にしてください。
まだまだ「ノビシロ」が多い未就園児が幼稚園受験に向き合う場合には塾に通うことも重要ですが、まずは家庭生活の中で言葉がけをたっぷりと行い少しずつ一つのことに集中が出来るように教えるなど、基本的なことを押さえておいてください。
元気な笑顔でハキハキと挨拶が出来るだけでも本当に素晴らしいことなのです。お友達と分け隔てなく遊べるだけでも、それは、心が安定している子どもである証明になるのです。

普段から困った癖を生活の中で正していくことをしましょう。

例えば、癇癪持ちのお子さんの場合には、徐々に改善することで良いので、自分の思い通りにならないときに大声で泣き叫ぶ癖を、辞めさせるように親が努力をしてください。その理由は幼稚園受験当日に何か、うまく行かなかった時に、普段通りに癇癪を起し、周囲に多大な迷惑をかけたという体験談を聞いたことがあります。
未就園児というのは、突発的に何を言い出すか?何をやりはじめるのか?が検討つきません。家庭でばかり過ごしていると。どうしても我が強くなりがちです。最初は強く叱責しないようにして、何かあっても「泣かないこと」を目標にしてみるのはどうでしょうか?ただし、あまりにもハードルを高くしてしまうと、子どもの方がついて来られなくなるので、塩梅には注意しましょう。

幼稚園生活を見越すと体力も大切

子どもの中には、体調面が崩れやすいタイプの子もいます。親としては幼稚園受験を視野に入れた場合には、体力をしっかりとつけることが大切なことです。親としてできることを家庭の中でしっかりと実践してください。例えば、一日に数十分は外で遊ばせるといったことや、おうちの中でできる運動習慣など、親も楽しみながらできることを探していきましょう。子どもにとってはママ・パパと一緒に取り組むことが意欲の向上につながります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?幼稚園受験は当日の子どもの体調や機嫌など運の要素も多分にあります。後悔しないように努力することももちろん大切ですが、あまり追い込みすぎずに、プロセス自体を「子どもの成長に必要なこと」として、楽しんで前向きに向き合うことをおすすめします。素敵な幼稚園受験体験ができるようお祈りしています!
    この記事の著者
    元小学校受験塾講師。大学時代には幼児教育・幼児心理学を専攻。大学受験小論文添削や公文講師などの経験あり。
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