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【小学校受験】「話の記憶」上達のポイント!強化のコツと注意点

P.K(元小学校受験塾講師)
2023/12/03 13:12
難関校や国立小学校向けの受験になると、1000文字程度のお話の記憶(長文の記憶)は頻繁に出題されるようになります。誰もが一度は壁にぶつかってしまうこの、長文の記憶を家庭で学習するために、効率的な方法はないものか?誰もが思います。今回は、効果的な学習方法と家庭での教え方などに焦点を当てて考えてみました。

長文の話の記憶問題とは?

小学校受験の出題では有名な領域です。比較的短めのお話の記憶であれば、少々の練習を積めば十分に対応できるようになります。但し、難関校向けの長文の記憶は、大変難易度が高いと言えます。基本的には事前に録音されたものを聞いて問題に応えていくという形のものです。
多くの小学校で出題されていますが、特に難関校では1000文字以上の長文を聞き取り問題に挑むことになります。もはやお話の記憶という表現よりも「長文の記憶」と言った方が的確に伝わるのではないでしょうか。付け焼刃で学習をしたところで完全に習得をするためには相当時間のかかる分野だと理解しておいてください。

話の記憶を上手く解くために必要な力とは?

〇集中力
〇理解力
〇記憶力
この3つを早期に養っておく必要があるのです。塾に通いだすと、お話の記憶の練習は毎回行います。回を重ねるにつれて、問題のボリュームも長くなって難易度も高くなるのが実情です。やはり耳でお話を聞いて即座に自分の頭の中で理解をするためには、高い集中力が求められます。
記憶力も、登場人物とお話を結びつける段階では間違っていては困ります。そこをどの程度、適格に記憶できるのか?で回答率が変わってくるわけです。そしてとにかく重要なのが長文をわかろうとする理解力です。まずはこの部分を親がきちんと認識して、家庭学習を行う際にも効率よく手助けをしてあげてください。

話の記憶を上手く解くために気を付けるポイントは?

問題のなかにはただ、登場人物は何か物の数だけを問うような、単純なものから、何かの位置を問うものまで幅広く出題されるのです。ここでは想像力も試されていると考えておいてください。
そのために必要な準備としては
〇お話の内容を理解できる問題集を選ぶ
〇初級から中級段階のものまで幅広い問題集を選ぶ
簡単なものばかりに取り組んでいても、難関校向けの準備としては不十分になります。しかしながら、いきなり難しい問題集に取り組むのも子供の意欲が付いてこないという場合も考えられます。そこで次のように考えることをおススメします

【初期段階】登場人物の数が少なくわかりやすい内容である問題

誰が何をしたのか?が一度聞いただけでも理解できる範囲のものを選びます。つまり文章の骨格自体がわかりやすいものであれば、子供の無理なく理解が出来るのです。ここをしっかりと押えて間違わないように訓練をすることで、先々に良い結果をもたらすのです。
例えば、誰が何をしたということが簡単に聞き取れるようになれば、文章のつながりを、子供が理解するようになります。初期の段階としては「誰が何をした」ということを集中的に学べば問題はないのです。

【中期段階】ものの数やシーン、登場人物などが複合的に出てくる問題

中級問題になると、まずは初級問題が完璧に聞き取れていることが大前提になりますので、注意をしておいてください。誰が何をした、という単純な内容から進化をします。物の個数、色、お話の季節などが盛り込まれているのです。ここまで来ると、普段の読み聞かせの鍛錬の有無が大きく関係してくるのです。

小学校受験の準備には中級程度で1000文字以上の問題を数多くこなす

小学校受験の準備段階に沿って問題の難易度も上げていきましょう。特に国立小学校や難関校と呼ばれる小学校を受ける場合には、必ず必要なテクニックがいくつもありますので、そこを間違えないように聞き取れることが大事です。

話の記憶を鍛錬するための問題集を手に入れよう

例えば塾に通うと志望校の過去問で学習をする時期も訪れます。家庭でも同じように過去5年程度はさかのぼって問題を解いて行くことが必要になります。そこで、長い文章ものばかりを選ばずに、間には短めの文章のお話の記憶も取り入れることで子供は、メリハリの利いた学習時間を持てるようになるのです。
過去問と同時に長文の記憶(お話の記憶)の問題集も自宅用として準備をしておくと良いでしょう。1日のうち、長めの問題と短めの問題を2問ずつ、必ず取り組むことを決めておけば、何の迷いもなく長文の記憶の学習が家庭でも行えるようになります。まずは親が適切な問題集(文章の長いもの、短いもの両方)を入手しておくことをおススメします。

おうちで話の記憶をするときに気を付けること

話の記憶のために親が出来ることは次の通りです。話の記憶は1日に何題も解いても上達するようなものでもありません。焦りは禁物です。とにかく長文の理解、記憶の問題は毎日コツコツと積み上げることが大前提です。
〇1日1話の絵本の読み聞かせ
〇1日1話の長文、短文のお話の記憶の練習
それぞれに短時間で済ませるようなものではないので、親もしっかりと時間を確保して取り組む必要のあるものですが、どうか小学校受験(しかも難関校制覇のために)向けの準備に取り組んでください。

話の記憶を強化するためのコツは?

出来る限り同じ時間帯に問題に親子で取り組むという習慣をつけることを提案します。日によって朝、夜と時間帯を変えて学習をするよりも、幼児の場合には大体決まった時間帯に取り組む方が効率的です。一番いけないパターンは学習をしない日があることです。
難関校向けの長文の記憶については特に、気が向いたらやる。時間があれば取り組むという、やっつけ仕事では絶対にまかり通りません。それよりも、あらかじめ時間のかかる課題であることを踏まえて取り組むように親が子供に声がけをしてください。
〇少ない分量だから集中して続けられる
これを意識しながら取り組めば必ず、結果として現れるものです。あくまでも少ない分量の問題を毎日こなすことの方が大事なのです。

話の記憶の音読には感情をこめて読んでみる

本番の発問では淡々と文章を読み上げる内容です。男性声、女性の声、それはその日にならないとわからないものです。出来るだけ家庭でも両親が交代で問題を読み上げる役割を担うようにするなど。工夫をしてください。そしても一つポイントがあります。
1日1話だけでも、抑揚をつけた感じて読み上げてください。実際に本番では無機質的な発問になりますが子供に、長文の記憶の問題は楽しい!と少しでも覆ってもらえる方が絶対に取得は早まります。そこを親が先回りしてあげるのです。これはかなり効果的な方法です。

話の記憶で良くある問いは?

同じような学習方法を経ても、満点を取れる子供と、大きく点数を欠いてシム子供がいるのはなぜでしょうか?概ね次のような理由が考えられます。
〇ただ言われた通りに漠然と問題をこなす
〇満点を取れるようにテクニックを使って問題をこなす
この違いが、あることに気づいてください。そのためにはあらかじめ必ず出題された頻繁に出題される内容を親が理解しておく必要があります。それは次のような内容です。
① 登場人物
② 登場人物は何をしていたか?
③ 出てきたものの数
④ 物事の順序
⑤ お話の季節はいつなのか?
⑥ 帽子や服、持ち物の色
⑦ 登場人物の感情、表情
⑧ お話の中にでてきた日の天気
最低限でもこの内容は聞き取れるように練習を重ねていきます。

家庭学習の時の注意点

まずはお話の聞き方を家庭でも徹底的にマスターしてください。小学校受験に出題される長文の記憶問題の中に「なんとなく聞いている」だけで理解できるようなものは出題されないことを知っておいてください。その上で、必ず大事なのは次のポイントです。
〇イメージをしながら聞く
〇ここは問題になりそうだなと意識しながら聞く
ことが重要ポイントです。そのためにも1日1問程度の長文の聞き取りの練習だけに留まらないようにしてください。絵本の読み聞かせをするときにも、読み手が子供に対して「あとから質問するからお話を覚えておいてね」と前振りをするだけでずいぶんと子供の集中力も高まるものです。つまり大切なのはポイントを意識しながら聞くという姿勢なのです。

強制的にではなく、さりげなく理解度をチェックする

お話を読みながら途中で子供に質問をしてみてください。
「○○の数はいくつだった??」
「今は誰が何をしていたお話?」
この質問に答えられているようであれば随分とお話の記憶の問題理解度も高まってきていると言えるのです。何も答えられず漠然と聞いているような姿勢が変わらないようであれば、やはり注意を促して短い文章の記憶から、やり直すなどその子供の進度に合わせる方が無難でしょう。無理をしないでください。

質問をするのは「1つのお話に1つ」から始める

あまりにも多くの質問を準備してしまうと、子供の方も委縮します。お話の記憶問題は、出来る限り楽しく根気よく続けられることを目指しましょう。それは親としても重要な部分だと自覚してください。親子で根気よく取り組める環境を整えることも、お受験に向きあうときには必要なことです。

お話の記憶を完璧にしたいという欲求が先走らないように

そのお話の記憶(長文の記憶)の中でその日は「数」に特化した練習をしたいという場合には、その数に集中をした質問をしてみてください。そこに他の登場人物の服の色やその時の季節などを織り交ぜて質問をすると、子供はいきなり苦手意識を持つようになってしまいます。そこは重々に気をつけてください。
お話を聞くのはとても楽しい!と子供が思えていることが大前提だと忘れないでください。初期段階では、お話の記憶の中にでてくる一定の事柄だけに絞って質問を続けるようにしてください。最低でもその週の目標にするのです。
〇1週目・・数
〇2週目・・登場人物にまつわるもの(表情・気持ち)
〇3週目・・色に関する問題
〇4週目・・季節や風景に関する質問
このようにポイントを絞って1カ月単位で考えるようにしてください。絶対に一度に多岐に渡る質問を繰り返さないようにするのも忘れてはならないポイントです。そもそもお話の聞くことから「お話の記憶(長文の記憶)」の問題は始まるのです。「話の道筋を押さえた聞き方」をすることは忘れてはいけないのです。
〇ストーリーを無視しないように覚える
〇場面を順序立てて覚えるように意識づける
このテクニックが最終的には、長文の記憶を制覇することにつながるのです。

お話の記憶に力をつけるためには”発語”を促す

たとえばお話の記憶の問題に備えて必死に聞く力を育てることは大事なことです。ただどんな問題にも対応できるようになるためには、問題に関する質問を多く繰り返し子供の発話を多くすることをおすすめします。
「○○はどんな気持ちなのかな?」
「これからどうなると思う?」
という質問で、子供が自由に発言する場を設けてみてください。そしてどれだけ物語の流れを捉えられているか?を確認することも重要なことです。その時の相槌もとても重要です。
「そうなのね!」
「すごい考えだね~」
話している側が嬉しくなるような言葉を親の方から発することも、大切なことです。同時に語彙を増やすことで、お話の内容理解も一層高まるのです。自分の知っている言葉が多いほど、お話の内容もすんなりと気持ちの中に入ってくるものです。そのあたりのコツを親が押さえることで家庭学習での効果も高まるのです。

さいごに

お話の記憶の問題は必ず段階を経て少しずつ長い文章にも接することが出来るように、練習を積み上げてください。いきなり難しい長文を子供に聞かせるのは逆効果です。くれぐれも、ゆっくりと演習を通してお話の記憶の楽しさを、子供の共有できるように、親も心がけてください。短期ではマスターできない問題の一つがお話の記憶(長文の記憶)です。難関校を目指す場合には、普段の勉強に加えて読み聞かせや1日1問に取り組むなどの継続性が必要です。
    この記事の著者
    元小学校受験塾講師。大学時代には幼児教育・幼児心理学を専攻。大学受験小論文添削や公文講師などの経験あり。
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