知育・幼児教育情報ならoriori

新型コロナウイルス流行、子どもたちの不安にどうやって向き合うか

ライター 村田 美子
2020/09/30 01:09
読者の皆さん、こんにちは。
新型コロナウイルスの猛威が収まらない中で、この記事を書いています。記事がアップされる頃には収束に向かっていることを願いつつ、志村けんさんの死を子どもたちはどう受け止めているのだろうと気がかりです。この記事では、危機的な出来事に直面した時、親はどう子どもに対処すべきか考えます。

危機的状況下で子どもが示す反応

新型コロナウイルス感染により志村けんさんが亡くなったことを知り、子どもたちはどう感じたでしょうか? TVで時折見る面白い人としてだけではなく、もっと心深く入り込んでいたかもしれません。
そして、自分の大切な人や自分自身が病気になったり、離れ離れになってしまうのではないかと不安になっているかもしれません。注意深く、子どもさんを観察してくださいね。
子どもたちは不安な時、普段とは異なる反応や行動を示すことがあります。自然災害や今回の新型コロナウイルスなどの不安から、寝つきが悪くなったり、泣き叫んだり、逆に感情を全く示さなくなる子どももいます。こういうときこそ、安定した大人がそばにいることが一番大切です。

子どもが示すストレス反応

セイブ・ザ・チルドレンの資料は、認知発達段階によって一般的に子どもが示すストレス反応を次のように示しています。
0~3歳の子どもは何が起きたのかよくわからず、普段よりも、親や養育者にしがみついたり、赤ちゃん返りのような行動に戻る、食事行動における変化がある、いつもより泣いたり、イライラしている、以前は怖がらなかったことを怖がる、落ち着きと集中力がない、遊びにおける変化がある(遊びに対する関心が減る、もしくは無くなる または、遊んだとしても短時間のみ、もしくは 同じ遊びを繰り返す)、遊びにおいて攻撃的、暴力的になる)、他者の反応に対してとても敏感になるなどがあることをあげています。
4~6歳くらいでは、子どもは親や養育者の反応を見て、事実を推測します。また、想像力豊かな内面を持っていて、悲惨な出来事を自分のせいだと考え、現実にないことを言い出すこともあるようです。
具体的には親指を噛んだり、幼い行動に戻る、口数が減る、動きが少なくなる、逆に多動になる、遊ばない、同じ遊びを繰り返す、悪いことが起きるのではないかと不安になったり、心配したりする、悪夢を見る、食事生活における変化、すぐに混乱するようになる、集中力がなくなる、おとなの役割を引き受ける、イライラする、怒りっぽくなるなどの反応が見られるといいます。
親や養育者が不安そうにしているのを見て、子どもも同様に心配し、不安になっているのですね。以下は明らかにストレスを抱えている子どものサインですので、見逃さないようにしましょう。
・震え、頭痛、食欲不振、痛みなど、不快感を伴う身体的な症状がある
・泣く
・取り乱したり、パニックになる
・攻撃的で他者を傷つけようとする(叩く、蹴る、噛むなど)
・養育者からずっと離れない
・混乱している
・動かないか、引きこもる、とても静かになる
・他者がいると隠れたり、恥ずかしがったりする
・他の人に反応しない、まったく話さない
・とても怖がる
もし、子どもが強いストレスを抱え、人格や行動に大きな変化が起きたり、日常生活に支障をきたしたり、自分自身や他者を傷つけるリスクがある場合は、迷わず専門家に相談しましょう。

視覚的断崖実験って?

不安障害は、人間という動物が、危険に満ちた世界の中で生きてゆくための安全装置で、脳の扁桃体などの働きが、過剰になってしまった状態です。
はいはいをし始めたばかりの赤ちゃんですら不安を感じるという科学的エビデンス、「視覚的断崖」実験があるのでご紹介します。
これは、知覚心理学者のギブソン,E.J.とウォーク,R.D.が行った実験で、子どもの奥行き知覚や社会的参照(後述)を証明するものでした。
二つの机の間にガラス板が張られており、1mまではガラス板の下に板がはってあります。1mより先は、見た目では断崖絶壁で下に落ちてしまうかのように感じられる仕掛けになっています。
この装置を使って、生後6ヶ月~12ヶ月の乳幼児の奥行き知覚能力を検証しました。結果、ほとんどの乳幼児が視覚的断崖のところで止まりました。そして泣いたり、心拍数などに変化が見られました。

社会的参照とは?

自分ひとりの力だけでは意思決定がしにくい場合、周囲の人の表情や態度、反応を手掛かりにして決定する能力のことを「社会的参照」または「他者への問い合わせ」と言います。
上で述べた、視覚的断崖の装置の向こうに母親がいて、1歳の子どもにニコニコ顔で手招きをすると、子どもは一旦躊躇したものの最終的には母親に向かいました。
う。
しかし、母親が悲しそうな表情や怒ったような表情をしていると、視覚的断崖の前で止まったまま、子どもは動きませんでした。
この実験からも、子どもは幼いうちから、親のことをよく見て、安全地帯としていることがわかります。おのずから、緊急時に親として取るべき姿勢が見えてきます。

親がまず落ち着くことが大切

新型コロナウイルスの猛威が収まらず、先が読めない状況の現在、親はメディア情報に左右されがちで、右往左往しがちです。
ネット上の情報をみると、正しい情報もあれば、間違った情報、デマもあることをしっかり心に留めましょう。
今こそ、クリティカルシンキングを活用して、情報を見極めてください。ネットのあふれかえる情報は正しいのかを疑り、自分で考え、振り回されないことが重要です。
このような状況のときこそ、fact(事実)だけに注目し、その他の意見はなるべく見ないようにしたり、しばらくSNSを止めてみるのも一案です。
過去のパンデミックについて知ることで、今回もやがては収束するということがわかります。

子どものための心理的応急処置、PFA

PFAは、ストレスを抱えた子どもの心を傷つけずに対応するための手法で、世界保健機関(WHO)などが子どもの発達段階や年齢にあった対処法を紹介しています。
「子どものためのPFA」は、心理や精神保健の専門家でなくても、誰もが使える、子どものこころの応急手当です。
セーブ・ザ・チルドレンがガイドラインを作成し、公開していますので、詳しいことが知りたい方は、次のサイトをご覧ください。

さいごに

子どもたちの日常生活のルーティンをできるだけ保ってあげましょう。遊びたい子どもたちがいれば、安心して遊べる機会や場所を安全なところにつくってあげましょう。
特に、年齢の低い子どもたちは、遊びの中でコロナごっこなどをすることもあります。制止せずにそのまま遊ばせてあげましょう。子どもたちは遊びの中で経験や感情を表すことで自然にストレスに対処しています。
心がマイナスになると、体の免疫力も落ちてしまいます。規則正しい生活を続け、栄養ある食事に気を付け、手洗いなどの徹底をしましょう。
子どもたちは、こういうときも親の姿を見ています。最悪を想定しつつ、適切な計画、準備をして、心はつねに前向きにしましょう。
最近、筆者はSNSのある友人をブロックしました。その人は偏った記事ばかりを引用し、自らも落ち込み、ネガティブなことばかり悲観的に主張する人でした。
筆者は今、「ありがとう」「うれしい」など、気持ちが上がる言葉を使うように心がけています。
コメント
コメントまだありません
oriori
orioriの最新情報を受け取ろう!
SNSをフォローしてね!
oriori
twitterシェアfacebookシェアlineシェア