gooリサーチが行った「子どもの学力状況に関する調査結果」では、近年の日本の子ども達の学力に関して調査した結果、学力低下を感じている割合が合計で80％ほどにのぼっています。

このような学力の低下の原因は、ゆとり教育の導入による学ぶ量が減少したことや娯楽の増加によるものだといわれています。

学力が低下することにより、物事を理解して主体的に行動していく力も同時に低下していくことが考えられます。AIの発達により急速な発展・変化をとげる現代で、自ら考え行動していく力を養えないことは、子ども達が大人になった後に職につけられなかったり、貧困に陥ったりなどの問題を引き起こす原因につながる危険性があります。

実は、「学力」と「運動」の相乗効果は証明されているのです。運動ができる子はあまり頭が良くないといった印象をお持ちではないでしょうか？それは逆なのです。運動をするには、過去自分が学んだ体の動かし方やコツのようなものを引き出しながら対応していくことが求められます。その脳の使われ方が実は学習における脳の活用のされ方を非常に似ているといわれているのです。つまり、算数で難しい問題を解くときには、習った方程式や公式、補助線などを駆使しますよね？運動が得意な人は、そのような脳の使い方が慣れており、学習においても同様のようです。

アメリカのカリフォルニア州では、子どもたちを対象に「運動」と「学習」の関係性を定期的に調査しています。その調査では、小学5年生、中学1年生、中学3年生の子ども約100万人を対象に、国語と算数、社会と理科の4つの学力テストのスコアと、体力テストのスコアを比較しています。すると、体力テストのスコア結果がいい子どものほうが、学力テストの成績もいいという結果が出ているのです。つまり、「運動が得意な子は、頭もよい」ということが言えます。また、イリノイ州で行われた研究によると、学校内のリテラシー（読み書き）の成績について、「0時限」と言われる、「朝の有酸素運動」プログラムを受けてから通常の授業を受けるというコースをとった生徒は、17％も成績が向上したのに対して、「0時限」コースをとっていない生徒は10.7％しか伸びなかったようです。（ジョン J. レイティ著「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方）より）

実は、学問において世界最高峰のハーバード大学は、運動も、ものすごいのです！

アメリカの大学スポーツでは、野球やフットボールなど、スポーツの種目ごとに3つのレベルに分かれています。このレベルのことをDivisionといいます。レベルが高い順からDivision I、Division II、Division IIIと呼ばれています。実は、どの種目にも、Division Iにハーバード大学が入っているのです。そして、あのオリンピックにもハーバード大学から多くの選手を輩出し、その数は200を超えます。そして累計のメダル獲得数は100個を超えるのです。ここから考えても、学力と運動は切っても切れない縁であることがわかりますね。

それでは、具体的にはどのような運動を行うことが学力の向上には効果的なのでしょうか？

脳の血流を増やして脳を刺激するためには、プロスポーツ選手などのトップアスリートが行うような激しいトレーニングは必要ありません。

普通の子ども達が行う縄跳びやサッカーなどの運動を定期的に行うだけでよいのです。

散歩や縄跳び、サッカーやドッチボールなどの有酸素運動を学校の休み時間や休日に取り入れることで脳が刺激され自然と学力の向上につながってきます。時間としては1回20分程度でも十分な効果が見込めることが分かっています。

軽い運動でもよいので学力を高めたい人は、ぜひこれらの運動を定期的に取り入れましょう。

脳を活性化して学力を高めていくためには、運動が効果的になります。縄跳びや散歩などの軽い運動でも十分な効果を発揮するので日常の生活の中に運動を取り入れ、継続的に楽しく運動を行っていきましょう。