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2020年4月スタート!新学習指導要領をわかりやすく教えます!

ライター 村田 美子
2021/08/12 23:08
2020年4月から小学校で新学習指導要領に沿った小学校教育が始まりますね。幼稚園年長組の子どもを持つ保護者の方は、少し不安に思っているかもしれません。この記事では変更点などを、わかりやすく解説していきます。

学習指導要領って何?

学習指導要領とは教育の指針(カリキュラムや教科書など)で、10年ごとに社会の変化に即したように改訂されます。子供たちの教科書や時間割は、これをもとに作られています。学校で教えることに関わる「気を付けること」や「それぞれの授業をどれくらい行うか?」などを「約束」で定めるとともに、それぞれの教科において、「どこまで達成させるか?」の“目標”、「どんなことを教えるか?」の“内容”、「どのように教えるか?」を大まかに定めています。学習指導要領ができるまでに、多くの有識者などによるディスカッションや、一般の方からの意見募集が行われています。

学習指導要領の何が変わるの?

さて、それでは今回の学習指導要領で何が変わるのでしょうか?

幼稚園で変わったこと

今回改定された学習指導要領は、幼稚園では2018年度から導入されています。ただ、実際に幼稚園内で教えることについては、大きな変更はありませんし、皆さんから見ても変化はなかったのではないでしょうか。ただ、国として「幼児教育」を大切にするという考え方に変化がありました。それは、「幼児教育」をそれ以降の教育の一歩目であるという考え方です。幼稚園で学んだことが次のステージである小学校に活かされないとなるともったいないですよね?それを変えようというものです。「幼稚園が終わった段階で、どのような状態になってほしいか」ということをテーマに小学校の先生と幼稚園の先生で話し合い共有するということをして、双方の考え方やプロセスを学び、スムーズな進学を目指していっています。

小学校で変わること

小学校では幼稚園と異なり、大きな変化があります。それは「①英語が始まること」「②プログラミングが始まること」「③道徳が特別の教科化されること」です。
まず、英語ですが、小学校の3年生から始まるようになります。中学年である「3年生から4年生」にかけて「聞くこと」「話すこと」のスキルをメインに授業を行い、まずは英語に慣れてもらうようなカリキュラムになります。具体的にどんな授業を行うかというと、歌やリズム遊びを行ったり、イラストや実物を使ったクイズなどを行ったりして、英語の“音”に慣れ親しんでいきます。また、日常生活で使われる挨拶や感謝の言葉、簡単な質問やそれに対する受け答えなどもやるようです。そのような授業を通じて、「英語が伝わった喜び」や「異国語を使う難しさ」などを体験させます。それを一年間で35コマ行います。高学年である5年生からなんと成績がつくようになります。そして「書くこと」「読むこと」のスキル習得も加わり、アルファベット~単語の理解、そして英語の文章を理解するということを求められます。複雑になるため、授業数も70コマと大きく増えることになります。
そしてプログラミング教育です。プログラミングと聞くと「パソコン?」「システム開発?」と思われる人も多いと思いますが、実は違います。「プログラミング教育 = パソコンを使うスキルの習得」だけが目的ではないのです。プログラミング教育とは「モノゴトを順序立てて考え、試行錯誤し、解決する力」や「論理的思考力の強化」という側面があります。実際に文部科学省は次のように言っています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力”
ちょっと例を使って分かりやすく説明しましょう。みなさん、料理を作ったことがあると思います。実はあれはプログラミング的思考が多く使われている行動なのです!「お米を炊く」という行動においても、「まずはカップで計量する」といったことや「炊飯器のボタンを押す前にはお米を研ぐ」「ただし、無洗米の時にはその限りではない」など、順序や分岐などがあり、論理的に整理しなければおいしいご飯が炊けないですよね。そのような「目的」に対しての「過程」をしっかり設計し、実行することが授業で行われます。ただし、実はプログラミングの授業は「どのようにやるかはある程度自由」となっており、プログラミング教育についての具体的な学年・授業内容に関して、明確に「この内容である」と決められているわけではないのです。これまでプログラミング教育をしたことがない先生にとってもかなりの正念場ですね。
最後に「道徳」ですが、これがちょっとわかりにくいです。今回の改訂により「特別の教科 道徳」として、全面的に実施されることになりました。このことによりどんなことが変わるかというと、週に1コマ「道徳」の授業が行われることが決められ、道徳の教科書が導入されることになります。また、道徳の評価は数値ではなく、児童生徒の道徳性に係る成長の様子を認め、励ます評価(記述式)がされることになります。
実は今までの道徳の授業では、学校によっては道徳の授業の構成が分かりにくかったり、そもそも「道徳の授業のねらい」が分かりにくかったりしたことに問題がありました。今回のこの改訂によって、「いじめの問題」への対応の充実や発達の段階を、より一層踏まえた体系的なものに改善することになりました。それら問題をどのように課題設定してどのように解決するべきかといったことの学習や、体験的な学習などが授業に取り入れられます。そして共通の道徳テーマとして、「個性の伸長」「相互理解、寛容」「公正、公平、社会正義」「国際理解、国際親善」「よりよく生きる喜び」が、追加されています。

なぜ変わるの?

背景にはAIやグローバル化の波があることは、周知のとおりです。文部科学省は、次のように改訂のねらいを「学習指導要領の改訂に込められた思い」として説明しています。
学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。そして,明るい未来を,共に創っていきたい
文科省の思いは、私たちすべての大人の願いでもあります。では、次に、どうやって子どもたちに生きる力をつけていくのか、詳しく見てみましょう。

「生きる力」のつけ方

新学習指導要領では三つの柱を立て、アクティブ・ラーニングを通して以下の3つを身に着ける目標を立てました。
① 知識及び技能
② 思考力、判断力、表現力等
③ 学びに向かう力、人間性等
これだと少し分かりづらいですね、理科を例にとって説明しましょう。
例えば中学校の理科の生命領域を使うと、次の様になります。
①生物の体のつくりと働き、生命の連続性などについて理解させるとともに、
②観察、実験など科学的に探究する活動を通して、生物の多様性に気付くとともに規則性を見いだしたり表現したりする力を養い、
③科学的に探究する態度や生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度を養う。
さらにかみ砕くと、「①基本的な知識などを学び」「②それらをもとに何かの問題を解決するように考え、答えに導く」「③さらに、主体的な学びを続けながら、それらを通して得られた学びを社会へ還元していく」ということになります。

小学校で学ぶ教科は?

国語
社会(3~6年)
算数
理科(3~6年)
生活(1,2年)
音楽
図画工作
家庭(5,6年)
体育
外国語(5,6年)
特別の教科 道徳
外国語活動(3,4年)
総合的な学習の時間(3~6年)
特別活動

新設教科は?

外国語活動(3・4年)
外国語(5・6年)
特別の教科 道徳

どのように学ぶの?アクティブ・ラーニングって何?

アクティブ・ラーニングは、知識を蓄積するだけでなく、知識を課題の解決に利用する能力を養うための教育の手法です。
文部科学省はアクティブ・ラーニングを以下のように定義しています。
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
すなわち、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」が重要視されます。次に問題解決学習(PBL)についてみてみましょう。

問題解決学習(Problem-based Learning)って?

アクティブ・ラーニングの手法として有力なのが、「PBL」です。PBLとは、アメリカの教育学者、ジョン・デューイが提唱し、欧米各国で実践されています。
具体的な取り組みは、別記事「イエナプラン教育」でご説明していますので、是非お読みください。

家庭でできること

子どもたちの「生きる力」を育むには、学校で学んだことを日常生活で活用したり、家庭での経験を学校生活に生かしたりすることが、とても大切です。
子どもが学校で学んだことについて、家庭でもぜひ話してみましょう。また、地域の活動を家庭内で積極的に話すようにしましょう。スマホやTVを見る時間を限定し、本を読むことを勧めましょう。

さいごに

これからの社会は、予測できないほど変化していくかもしれませんが、子ども自身が課題を見付け、学び、考え、判断して行動できれば、乗り越える力になります。
改訂といっても、現行の学習指導要領ががらりと変わるわけではないので、ご安心ください。現行の枠組みや教育内容を維持した上で、これまで暗記中心で受け身の学習を、生徒主体の学習に移行していくものだからです。
政府は実験校として福山市の小学校の一部に官民協力で「イエナプラン教育」導入を2020年から開始する計画ですが、今後を注目したいと思います。
政府政策オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html
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