お絵描きは早ければ1歳前の赤ちゃんからスタートすることができます。初めは大人がサポートをしながら、クレヨンの動かし方を教えてあげましょう。

1～2歳ごろの子どもにとって、お絵描きは手の運動のようなものです。手先や腕を上手に動かせるようになることで、初めは点しか描けなかったものが線や半円、ぐるぐるなどさまざまな形が描けるようになっていくでしょう。乱暴に殴り書きをしているように見え、不安に感じるかもしれませんが、子どもの好きなようにお絵描きをさせてあげてくださいね。

2歳以降になると、徐々に手の動きを目で追えるようになります。目で見ながら手を動かすことができるようになるので、閉じた丸が描けるようになる子どもも多いです。何を描いたのか教えてくれる子どももいるので、ただの丸や線にしか見えなくても否定しないようにしましょう。また黒や赤など特定の色しか使わずにお絵描きをする子どもも少なくありませんが、無理にほかの色を使わせる必要はありません。

3歳以降になると、だんだん自分の描きたいものを描けるようになってきます。上手い下手にこだわらず、子どもの自由な表現を認めてあげてくださいね。

この時期は「命名期」ともよばれ、子ども自身が描いた絵に名前をつけるようになります。子どもがお絵描きをしたら「これは何を描いたの？」などと質問してあげてもいいですね。また顔や三角などが描けるようになる子どももいます。

4歳以降になると、子どもが何の絵を描いているのか、大人から見て推察しやすくなってきます。またこの時期の子どもがよく描く、頭から手足が映えている人の絵は、日本だけでなく世界中の子どもが描いているというのだから驚きですね。

5歳ごろになると、子どもの絵にどんどん個性が出てくるようになります。指先が発達し、感性が育まれてきたことで、自分の描きたいように絵を描けるようになってくるでしょう。またこのころの子どもの絵では、車や家などが透けているように中の人が描かれていることがよくあります。これはレントゲン画法と呼ばれています。

子どもがお絵描きをするとき、大人はどのような点に注意すればいいのでしょうか？子どもがお絵描きを楽しむための注意点を紹介します。

子どもの絵は大人から見ると未熟で、もっと上手に描けるようにと手を出したくなるかもしれません。しかし大人が無闇に手を出すことは、子どもが自信を失う原因になることがあります。お絵描きに苦手意識をもってしまう可能性もあるので、手を出さないようにしましょう。

お絵描きは子どもの脳の発達に効果的だといわれていますが、子ども自身が楽しんでお絵描きに取り組める環境を整えることが大切です。子どもの絵が上手かどうかは意識せず「○○ちゃんの絵、かわいいね」などとたくさん褒めてあげましょう。また大きめの紙を用意したり、テーブルなどについても落としやすい画材を用意したりと、部屋が汚れにくい工夫をすることも大切です。

子どもの遊びの定番のひとつであるお絵描きは、子どもの脳の発達や心の安定にも効果が期待できるといわれています。お絵描きの発達には個人差があるので、紹介した内容は目安程度にとらえ、子どもの自由なお絵描きを見守ってあげましょう！